393回目 2020/4/11
今さらですけど、書き方に関する弱音になります。
ここを覗いてくれている人の中でどれくらい書き手の経験者がいるかはわからないので、『小説の書き方』がわからないとか言われても困るだけだろう。
だけど私は、正直『書き方』に迷っているのだと思う。
ただ『書き方』とはいっても、『ネタが思いつかない!』という意味ではなく『最後まで書ききれない!』に近い。
それもこれも、執筆歴だけは長いせいで執筆に関する知識が自然と集まり、バンバン創作にのめり込めた頃と比べて『小賢しくなった』からだ。
プロットとかキャラクター論とか世界観構築とか、できたらすごいが悪く言えば小手先でしかない知識ばかりが増えても、私の場合は『ちゃんとできなきゃ!』と体裁にしか目がいかず焦るばかりになってしまった。
むしろ、何も知らずに『小説なんて日記感覚で書けばできる!』と思いこんでいた頃の方が、断然、筆の進みは早かった。知らなかったから、怖いものもなかった。
でも今は、自分で自分を縛る制約が増えすぎた。中でも設定づくりなんかは顕著だろう。
キャラであれば性格や経歴や特殊能力なんかを考えるのは好きで楽しいが、細かい身体データや装飾品を含む服装や設定に説得力を持たせるためのデータ厚めなんかは正直しんどい。
世界観だと主人公たちを泳がせたいストーリーの中で浮かび上がる『必要な情報』を整備するのに抵抗はないが、それ以外の裏設定……特に『ファンタジー』のリアリティを上げるための『作り込み』なんて心が折れる。(ただし、私が執筆途中で無性に気になってしまった場合はその限りでない)
プロットなんかは『迎えたい終わり』と『やらせたい始まり』、あとは適当に『やっておきたいイベント』はすぐに浮かんでくるが、それが『エンタメとして魅力的な展開』になっているかなんて誰にもわからない。
どんな作品であれ、私は絶対に思ってしまうのだ――こちとら『ストーリー』が書きたいんであって、『設定資料集』なんてやってられねぇんだよ! と。
もちろん、『ストーリー』を面白くするために『設定』が重要だってわかっている。実際、小説を書いている途中で『あ、これ細かく決めてねぇや』って思って都度調べ直すこともしょっちゅうだ。
けれど、どうしても事前に作り込むことが面倒くさく感じてしまう。そのくせ、設定上『わからない状態』のまま進めるのは気持ち悪くて、効率の悪い調べ方をやめることができない。
そんな自分が、常に受け入れられないままだ。『個性』を売りに、という考え方を知って同調したはずなのに、自分の『個性』を認められないなんて本末転倒だろう。
知らなければ気にせず書けた。知ることができたからクオリティを上げられた。どちらにも良いことと悪いことがあった。
そして今は隣の芝生が青く見えて、いつかの執筆スピードや執筆意欲が欲しくなる。私は本当にわがままな人間だ。
昔は設定を『頭の中だけ』にとどめて、どんどんストーリーを書き進めているような無鉄砲執筆をしていました。プロットも書きませんでしたし。
そこからプロットを書き始め、設定を用意し、整合性をチェックして……とあれこれやっていく内に、息切れすることが増えてしまいました。
最初の、見よう見まねで書いてきた『やり方』が自分の性に合っていたのなら、その路線のままやった方がいいんでしょうかね?
今も昔も、執筆についての悩みや迷いはチリみたいにつもってたまる一方です。




