391回目 2020/4/9
いわゆる『ブランディング』に関する書籍を読みました。
緊急事態宣言がニュースで報道される日の昼過ぎ、私は『気軽に外出できなくなる! やっべ!!』と思いながら近くの本屋へ足を運んだ。
ここで何度か宣言しているが、私は完全な夜型人間である。昼間に活動するのがどれだけ苦痛か、まるで漁船の網に引っかかった深海魚が水圧差で膨れ上がるくらいのストレスがあるのは言うまでもない。本当か?
ともかく、外出自粛の期間に悔いを残さないように、睡眠時間を削って日光の下を自転車こいでヒーコラと走ったのだ。
ちょうど欲しい本があったので在庫があるか探し、その帰りについでと思ってブックオフにも立ち寄った。その時に出会ったのが、まえがきで記載した本である。
タイトルは『新版 安売りするな! 「価値」を売れ!』(著:藤村正宏 日本経済新聞出版社)。パラパラーっと目次をのぞき、興味深かったので購入した。
510円(税込)で落書き(文章に横線)つきなら安いものだ。
で、『面白そう』という興味が冷めないうちに読み始め、先ほど読了したこの本だが……とても勉強になった。今後の作家活動において、大いに参考になったかもしれない。
おそらくメインターゲットは『経営者』とか『営業担当』とかに向けられた内容だと思うが、ウェブ作家に当てはめても十分通用する情報だった。
もう一度言おう。510円(税込)で落書き(文章に横線、太字の重要情報の上に☆マーク)つきなら安いものだ。
2017年に初版とあり、2012年? に書かれた書籍を改稿した本のようで、古本のため情報が少々古いとしても許容範囲の誤差だろう。
で、その本では『各種SNSなどを利用した人と人との関係性』をかなり重視しており、『売れる商品(=小説)』などなく『売れる売り方』ならあると言い切っている。
他にも『会社(=作家)の個性を売り出す』ことが大事などと書かれていて、詳しくは記載しないが終始『なるほど~』と感心しながら読み進めた。
特に衝撃的だったのが、『いくら優れた商品(=作品)でも、消費者(=読者)に知られていなければ存在しないのと同じ』、といったニュアンスの言葉だろうか。
私は宣伝が苦手で、特に何もしないまま作品を書いたりたまに投稿したりするだけだったのだが、『宣伝する』のではなく『存在を知ってもらう』という観点に目から鱗が落ちる思いだった。
宣伝に対する苦手意識は『自分をよく見せなければ』という思いこみがあったからで、『自分という作家がいると知ってもらう』意識でいいのなら、と精神的に楽になったのだ。
『面白い作品』がたくさん存在するネットおよび『なろう』の中で、『質の高い小説』を書くだけではもう誰も読んではくれない。
しかし、『この人の書いた小説だから読みたい』と思わせられるような『価値』を『自分』につけられれば、読みたい人が自然と集まってきてくれる。
そういう考えから、『自社(=自分)の価値』をどう形成していくかを考えさせてくれる本だった。
何度でも言おう。510円(税込)で落書き(文章に横線、太字の重要情報の上に☆マーク、ページ右上に記載された謎の『キューティーハニー』の文字)つきなら安いものだ。
前の購入者がどういう意図で『キューティーハニー』と書き込んだのか……それは誰にもわかりません。
ですが、書籍内に引かれた横線の数からして本気度は伝わってきたので、前の所持者は『価値』を売れたのかもしれませんね……知らんけど。




