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384回目 2020/4/2

 一種の気づき、ですかね。


 そろそろ春アニメが始まりだして、あ~また季節が変わっちまったなと遠い目になりつつある今日この頃。


 相変わらず夜型生活が続いており、深夜アニメもリアルタイムで見てしまう日常を送っているダメ人間だが、ふと目にしたアニメがある。


 昨年、理不尽な放火によって大きな被害を受けた京都アニメーションが制作した『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の再放送だった。


 最初に放送されたときも私は視聴していて、今でも特定の回で酒を飲みながら号泣し、素面(しらふ)でも何度か泣かされそうになった記憶のある作品だ。


 なのでまあ、ある程度の内容や流れは覚えているため、ぶっちゃけコンテンツとしての真新しさはない。まず懐かしいな~、とは思うくらいだ。


 しかし、一話を見直してみて、初見では感じなかった懐かしさ以外の感覚が芽生えていた――『切なさ』だ。


 正直、私はアニメ作品を何度も見直すほど熱心な視聴者ではない。むしろ、制作側の方々には申し訳ないが、『ファスト(もしくはインスタント)コンテンツ』として扱っている。


 制作に時間がかかることを承知で、手軽にかつ大量に消費できる娯楽、という意識が抜けきらないままだ。(ワンシーズンに数多くの作品を放送しすぎでは? という疑問はさておき)


 それに、ガンダム以外のアニメをほとんど視聴してこなかった頃からすれば、ある程度コンテンツを見慣れてきたため『一話切り』なるスキルも体得したためか、じっくり見る機会も減っているように思える。


 そんなアニメに関してはライトユーザーである私だが、かの作品に過去泣かされた経験があるためか、何も知らない無垢だった頃の主人公を見ただけで心が『きゅっ』と締め付けられる気持ちになった。


 そこでようやく、私はこの作品に魅了されていたのだな、と気づいたのである。


 映像がめちゃくちゃ綺麗なのは京アニブランドのなせる業であるが、私が感動したのはやはりストーリー面だ。


 この作品は『主人公の心の成長』がじっくりと、しかし大きな振れ幅を(もう)けて描写されているのが、私のツボにはまったのだと思われる。


 あとは、主人公の就職先である『手紙の代筆業』という仕事から、『いろんな人の想いを託す』シーンがメインになっており、それもまた私の感動のスイッチを押してくる。


 故人が大切な人に残した最後のメッセージ、的なものにとことん弱くなってしまったため、この作品がさらにストライクゾーンの真ん中を通るようになってしまったのだろう。


 そんな風に感じたのは、創作において『自分の個性』を知るために『感動のツボ』を理解すること、と創作論で見かけたからだ。


『感動するポイント』が『自分が表現したいこと』にかなり近くなるらしいので、自分を理解するためにも過去に視聴した作品の何に感銘を受けたのか、機会があれば洗い出しておくのも悪くない。


 ……まあ、今のところ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』的な『感動』主体の物語を書ける気はしないけど。人を感動させるのって、やっぱ難しいって。


『感動系』は書く側に技量が求められるので、当分は『見る専』で楽しむしかできませんね。


 かといって、『君膵』みたいな『病気などによる命のタイムリミットまで精一杯生きる系』の話は、なんか私としては手を出しにくいんですよね。『テンプレ臭』がするからかな?(失礼)


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