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353回目 2020/3/2

『なろう』のエッセイを読んで、普通に感心したことです。


 私が目を通したとき割とエッセイランキングの上位にきていた作品で、『なぜ主人公は最強なのか?なぜストレス展開が嫌われると言われるのか→完結しないからじゃね……?』を見つけた。


 タイトル的に作家向けかも、と思って何気なく目を通していたのだが、なるほど~その考えは思い浮かばなかったかも、と思わされた。


 まあ、要点をまとめれば『公開する媒体の特徴によっても、作品における評価は変わってくる』という話だった。


 大きく二分すると『プロか・アマか』、細かく三分割すると『週刊雑誌か・単行本か・ウェブ上か』によって、作品評価の質が異なってくる。


 まず『プロか・アマか』における違いとして、当たり前だが『金銭が発生するか否か』が挙げられる。もっと言えば、『期限厳守の締め切りがあるか否か』の話だ。


『プロ』は『金銭』を得るためにきちんとした『納期』が存在し、報酬を得るための義務として『締め切り』が設定されている。これは会社側の利益やブランドを維持するためにも『厳守』しなければならないものだ。


 そうして世に出てくる作品は『(週刊・月刊などの)雑誌』や『単行本(文庫本)』などとして市場に出回り、読み手へ広まっていく。


 このとき、『プロ』の作品は例外はあるものの『(打ち切りも含めた)完結を保証された媒体』によって発表されている。上述したように、『期限厳守の締め切り』が存在するからだ。


 これは読み手からしたら、よほどのことがない限り『作品の全体(連載ものならば『次の話』)は絶対に発表されるもの』として見てもらえるため、その後の展開における『期待感』が持続しやすい。


 つまり『一話単体における評価』だけですべてが決まらない場合が多く、『プロ』が発表する形での作品における評価は、『発表媒体ごとの品質』によって上下することになる。


『(週刊・月刊などの)雑誌』系ならば『(展開の予想と期待感を含む)掲載された内容の数話分』が、『単行本(文庫本)』系ならば『一冊全体の内容』が、読み手によって評価されることになる。


 まあ、『(週刊・月刊などの)雑誌』系は次号への『期待感』を維持するため、『一話の終わらせ方・引きの()せ方』を毎回かなり意識しないと厳しそうだけど。


 一方、『アマ』の主な活動の場として定着した『ウェブ』における作品は、ほとんどの場合『更新停止・未完結』のまま放置されている状態にある。


 それは『アマ』にとって創作活動はあくまで『趣味の一環』でしかなく、会社など自分以外の要因で決まる『厳守すべき締め切り』が『存在しない』のが大きな原因の一つだ。


 いってしまえば『趣味人の手慰み』である『アマ作品』は、作り手の心情や取り巻く環境の変化などによって『制作速度』や『納品期日』が『不定期になりやすい』。これは他のエッセイでもよく目にしていて、作家側も納得の意見である。


 だが、やっぱり読み手側からすれば『未完結が前提の作品群』であることから、次の内容が発表される『保証がない』ため、その分『期待感』が得られにくくなってしまう。


 すると『公開された内容』でしか評価が難しい『アマ』の発表する形での作品は、『一話単体における評価』を重視する傾向が強くなってしまう。


『いつ『更新停止・未完結』になるかわからない作品』の前提があるため、『アマ』の作品は『話の整合性』よりも『一話の爽快感(カタルシス)』や『不快要素の排除』が求められやすいのだ。


 そうした『プロ』と『アマ』の違いによって生じてくるのが、『ストレス展開』の扱いになる。


 要するに、『期待感』が維持される『プロ』の作品だと『ストレス展開=必ず解消される踏み台』でしかないが、『期待感』が薄い『アマ』の作品は『ストレス展開=解消されるかわからない不安要素』なのだ。


 ただし、『アマ』の作品でも『完結済み(もしくは毎日執筆した)作品を毎日更新』や『過去に完結の実績がある作者の作品』など、読み手の『期待感』を高める手法で公開した作品は例外だ。


『完結もしくは切りのいいところまで公開してくれる』という信頼感があるため、たとえ『ウェブ上のアマ作品』であっても『ストレス展開=解消される踏み台』として読み手が扱ってくれる。


 以上から、『ウェブ』で公開されている作品は『主人公が最強・無双』の話が求められているというより、『ストレス展開がない』方がまだ『安心して読みやすい』だけ――みたいな内容だった。


 ここまでの説明は私が作品を読んだ上での解釈になるため、エッセイ本編とは若干ニュアンスが異なる可能性がある。そこはご了承いただきたい。


 ともあれ、やっぱり『アマ作家』として『ウェブ』で活動するには、『作品が完結する/章などある程度まとまった範囲の内容を終わらせてくれる』という『信頼』と『期待感』を得られるように投稿しなければ支持を得られない――という当たり前のことを再認識できた。


 私の場合、長編となるとものっそい長くなる傾向にあるので、せめて『章』単位で終わらせられるようなスケジュールを組む必要がありそうだ。


 拙作(せっさく)の【普通】が過分な評価をいただけたのも、一章・二章までの話を毎日更新していたから、という部分が大きいのでしょうね。


 ま、四章で読者様の『信頼』と『期待感』を裏切ってしまったわけですが……とりあえず、『ストレス展開』を残してエタるような半端な更新だけはしないようにしたいです。


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