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316回目 2020/1/25

 夢ってなんだろうなぁ……みたいな話でしょうか。


 私はもうすっかりおっさんになってしまったが、アニメのジャンルとして『青春もの』は今でも好きでよく見ている。


 というか、おっさんになってから『青春もの』に()かれるようになった、が正確なところだ。


 個人的には黒よりの灰色な青春を過ごしてきた反動か、物語の中だけでも自分たちの夢に向かって一生懸命な若者の姿を見守ることで、『自分もがんばろう』と思えるのだろう。


 今期でいえば、『ランウェイで笑って』を楽しく視聴している。夢を叶えるためには大きなハンディキャップを背負った二人の高校生が、逆境の真正面から立ち向かう様子を描いたストーリーになる。


 この日はちょうど私の住む地域で三話が放送されていたが、ちょうどその中でのモノローグで『とある小説家の話』として、『何のために筆をとるのか?』みたいな語りがあった。


 浅学なためいったい誰の言葉なのかはわからないが、いわく『誰かの反応に応えるためではなく、自分の理想の姿に近づくために書いている』、といったニュアンスの内容だった。


 要は『読者なんか知ったこっちゃねぇ。自分のなりたい理想のために書いてんだよ』ということだが、ある種の職業人としての模範的な姿勢なのでは、と感じた。


『自分が掲げた理想のため』――私も最初は、描くことができない曖昧な形を目指して、小説を書いていたはずだった。自分のことも『職人気質(かたぎ)』だと思っていたくらいだし。


 しかし、今はもう、『理想』にすべきものが何も見えない。おぼろげながらあったはずの光景が、真っ暗に閉ざされてしまったような気さえする。


 そう考えてしまったら、今度は最近の無気力感は『夢を持てなくなったからではないか?』と思ってしまった。


 どんなことでもそうだろうが、達成したい目標がなければ『どうしていいか』がわからなくなる。『やる気』うんぬんは置いておくとしても、進みたい先がないと将来の指針もクソもない。


 何か明確な目標があれば、ただ無為(むい)に時間を過ごしてしまうような()をさらさずにすむだろうか? でも、何を目指そうか?


 とても漠然な目標として昔抱いていたのは、『プロ作家』になることだった。あとは、私が書けると思うのが『ラノベ』系だったので、そっち方面かな? くらい。


『理想』と呼ぶにはとてもふわふわしていて、正直、今の学生だってもう少し将来を考えているだろうと思えるほど、ぼんやりしたイメージしか持っていなかった。


 それに、『プロ』になるにはどうすればいいか? みたいな道順も計画も何も立てていなかった。『小説投稿サイトからデビュー』みたいに、今では門戸(もんこ)が広がったものの出版業界全体の先行きは暗い。


 私が生きたい道は『小説(これ)』しかない。しかし、生き残れる保証がない道でもある。


 人は『理想』だけでは生きていけない。だけど、『理想』がなければ生きているとは言えない。


 そういう気持ちを思い出させてくれるから、『青春もの』のストーリーを好んでいるのかもしれない。


 良くも悪くも『人からの影響を受けやすい』のは代わりありませんが、前向きに物事をとらえられるきっかけになるのであれば何でもいいんですよね。


 漫然と日々を過ごさないよう、私も何か新しい『目標』を探してみようと思います。


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