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314回目 2020/1/23

 少々おマヌケな考えが頭をよぎった話? です。

 私は『なろう』では基本的にファンタジーを好んで書いてきた。作品数の話ではなく、単純に今まで費やしてきた執筆時間全体における割合で、だ。


 他方、現代物で書こうとするとなぜか恋愛系に走りがちになる。バトル中心とかになるとファンタジーでやりたがるのに、恋愛ものはファンタジー舞台でのネタを思いつけない。不思議だ。


 まあそれはそれとして、長くファンタジーばかりに集中していると、気まぐれで現代物を書こうと思ったときに奇妙な感覚を覚えることがある。


 それは、物体の名称と描写を考えるときによく起こる。


 たとえば『石版程度の薄さながら地面にたたせるための自立した足を持ち、つるりとした質感が特徴。裏には丸や四角や台形などの形をした穴が複数存在し、表はつるつるの物質で作られた額縁の中に映像を映し出す奇妙な板を絵画の代わりにはめ込んだ物体』なら、『テレビ』と言い換えられる。


 他にも『人間と同じかそれ以上の高さを有し、幅は成人した男の肩幅と同等以上の長さを持つ箱型の物体。背後を見れば黒いひもが伸び、その先は少し膨らんでいて丸い穴がある金属の板状突起が二つつけられている。表には扉や引き出しがいくつか設置されており、どうやら保管庫のような役割を担っているらしい』なら、『冷蔵庫』と言い換えられる。


 上記は『電化製品』で示したが、要するに『ファンタジーになくて現代にあるもの』の描写をこねくり回さなくてすむのが、ちょっと違和感を覚えるのである。


 まあ、現在は『現代日本』の文化や常識を知っている主人公で長編を持っているので、そこまで大きなギャップを覚えたりしないが、少し短編や別のネタを考えるときなどは『見たままの描写』を意識せねばならない。


 ファンタジーの世界観的に『存在しないもの』を描写するなら、地の文であろうがキャラの台詞であろうが『初めて存在を確認した(てい)』で説明しなければならない。


 逆に、現実世界では『存在しないもの』をファンタジー世界で登場させたら、同じように見た目の特徴、機能的特徴、推測される用途など、『初めて存在を確認した物体』として探り探り説明するしかない。


 こういう考えを少しこじらせてしまうと、『あれ? 現実世界の小説で『テレビ』って『テレビ』でいいんだっけ? 便利だなぁ~!』なんて、一瞬でも思ってしまうのだ。


 ……うん、自分で言語化してみて、めちゃくちゃバカみたいなことを考えてるなと再認識した。


 違う例でいえば、『ことわざ』とかでしょうか? ファンタジー世界(※転生・転移などのない、現代要素なしに限る)だと、その土地や文化特有の言い回しとか必要ですもんね。


 テンプレ化した言い回しでいえば、『ゴキブリを一匹見たら百匹はいると思え』の『ゴキブリ→ゴブリン』とかの変換はメジャーですが、そんな感じです。


 たとえば『画竜点睛(がりょうてんせい)(=物事をりっぱに完成させる最後の仕上げ。また、物事の全体を引き立たせる最も肝心なところ)』だと、『即位前の王冠(=ただの人を『王』へ押し上げる装飾品→最後の仕上げ)』や『有意陣への一筆(=魔法陣を発動せしめる核を表す記述→全体を際だたせる重要部分)』みたいに言い換えますかね。


(センスがあるかどうかは別問題ですけど)


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