305回目 2020/1/14
あまりにも共感度が高い内容だったので、ここに書いておこうと思いました。
まとめ記事を見ていると、Twitterの『小説における女性の話し言葉に、いつも違和感を感じる』という意見から始まっていた。
これは実際に私も大いに思っていたことであり、よく使われている『~わよ、だわ』など『身分が高い・上品な女性の砕けた口語表現』を意識して使わないようにしてきた。
変なところでリアリティを意識してしまう性格上、『いやいや、そんな話し言葉使う人っていねぇだろ』と思ってしまうからだ。小説の舞台が(設定やキャラにもよるけど)『現代』だと特に。
ただし、『話し方をリアルに近づけると、会話になれば男女の区別が付きにくくなる』という問題もある。このツイートを残した人のように、会話を文字に起こすと『個性ってそこまでない』のがわかる。
私も長編を書くとき、かなり悩ましいところではあるのだ。続ければ続けるほど、言い換えれば主要キャラが増えれば増えるほど、しゃべり方が似通ってくるキャラクターが出てきてしまうからだ。
同じ悩みは男性キャラでも言えるかもしれないが、やはり『異性の話し方』になるとよけいに迷いやすくなる。
簡単に言えば、『女性らしさって何?』なんて問題になるからだ。
私は男だ。わかるわきゃねぇ。(白旗)
しかし、老若男女、いろんなキャラクターを小説で登場させなければならないため、泣き言を言ってもいられない。解決策があるなら、なるべく取り入れたいと思うのが人情だ。
で、そのまとめ記事でいろいろ対策というか、工夫の例が乗っていたので、メモ書きついでに記述していくことにする。
まず一つ、『感じを少なめにする=ひらがなを増やして女性っぽさを演出する』というもの。
私自身、意識してやっていたかどうかはわからないが、これは確かに使えそうな工夫だと思った。感じが多いとどうしても視覚的に角張ってしまい、理屈っぽさや男性っぽさが出てしまう。
次に、『共感性を重視した話し運びを意識する』や『表現そのものを柔らかい印象にしてみる』など、女性の一般的な特徴やイメージになぞらえた描写をしてみる、というのも確かに有効だろう。
個人的に変わり種と思ったのは、『体言止めを利用する』という意見。これは洋画の吹き替えや字幕からの考えで、男性の『最高だな』に対して女性は『最高』と表現されることが多い、なんて見方だった。
翻訳者のさじ加減もあるのだろうが、海外映画(特に英語圏)だとセリフの掛け合いの中で『単語一文字』で返答することも多いだろうし、イメージの話で言えば間違いではないのかもしれない……ただ、日本人女性のイメージからは遠そうなので注意が必要だが。
とはいえ、リアリティを意識しすぎる必要はない、と考える人も多く、『多少変な口調でもいいんじゃないか?』とした意見も見られた。
一番わかりやすいラノベにおける例示が、『禁書目録シリーズ』のキャラクターたちだろう。あれはもう、キャラの飽和にあわせて特徴的な口調を創作しているといっても過言ではない。
他にもラノベ特有の口調として『のじゃロリ(見た目は幼女、中身は老獪)』や『方言系(たとえば関西弁=ボケ・ツッコミに敏感で明るいお調子者)』なども挙げられていた。
前者はギャップ、後者は方言を使う地域の人が有するイメージを利用したキャラ付けにあたり、他に類似のキャラがいなければ確かに区別は簡単に付くだろう。
要するに、『リアリティよりも雰囲気重視で書き分けられればそれでいい』みたいな意見も、一定数は存在しているため間違いではないと思っていい。
とはいえ、作家としての欲を言えば『特徴的な口調』を用いたキャラ付けよりも、『発言の内容』で誰が話したか特定できるようになりたいと思う。
上記したように、私の書いているものも『ラノベ』であるためそこまで気にしなくてもいいかもしれないが、やはり『特徴的な口調』でキャラ立ちさせるのは『安易』だと感じてしまう。
その手法が『幼児・児童向け作品』で多く用いられやすい、と思っているからかもしれない。語尾に特定の言葉を必ず入れる(『~にゃ』とか『~ってばよ』とか?)と、よりその印象が際だつ。
なるべくなら、『こんな言い回しをしているから――この発言は○○だな』みたいな読まれ方をしてもらいたいのが理想だ。
まあ、『そうだね』みたいな同意とか『うん』みたいな返事とか、かなり短い言葉しか使えない場合は、地の文で補足するしかなさそうだけど。
私の場合、他にも地の文が長くなりがちなどの問題も抱えているので、なるべくなら一つ一つ解決していきたいところですがね。




