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284回目 2019/12/24

 気づけば今夜はクリスマス・イブなんですね。


 この世に存在するすべてのカップルへ最大限の怨嗟(えんさ)を!! ……というのは冗談で。


 今回はまとめ記事の中にあったネタを少し考えてみる。


 内容としては、『案外、世の中の人は『伏線』なんて気にしちゃいないし、気づかないもの』という趣旨でなされたツイッターのやりとりがまとめられたものだった。


 これは映画やアニメなどの映像媒体を中心に書かれていたが、『物語』に対する『慣れ』という言葉を用いていたので小説でも当てはまるかもしれない。


 例に挙がっていたのはアニメ映画の『君の名は』だった。あの作品には叙述(じょじゅつ)トリックが施されており、理解できれば『なるほど~』とすっきり感を味わえる作品でもある。


 私は映画館で上映された頃に見ないどころか、地上波において二回目の放送でようやく見た口である。本当に流行を追うのが苦手な自分……。


 その際いちおう、作品に関する多少の知識は仕入れてしまっていたので、叙述(じょじゅつ)トリックがあることは視聴前に知っていた(ネタバレされていた)ので、一度で状況を把握できていた。


 まあ、SF的な時間差のズレは台詞や描写の状況からしてもわかりやすい部類だったので、おそらく初見でも理解できていたかもしれない。実際はどうだったか不明だけど。


 ただ、この記事によると『初回視聴で時間差が生じていたことを理解できなかった人』が一定数いるという

事実から、『物語慣れしていないと『伏線』に気づけないのでは?』とのことらしい。


 それでも『君の名は』がヒットしたのは、叙述(じょじゅつ)トリックの理解がなくとも『雰囲気で笑えたり泣けたりするわかりやすいシーンがあったから』と推測されている。


 この作品で音楽が注目されたのも理由の一つだろうけど、『ここが笑えるところ!』とか『ここが泣けるところ!』とかを『BGM・劇中歌』で明示していたから、『雰囲気でも楽しめる作品』だったと思われている。


 その方(いわ)く、『君の名は』を単純化すると『最初はケンカしたり馬鹿にしあってた二人がだんだん()かれ合ってるのになかなか会えなくて困ってたけど何とか再会できた』となるらしい。


 この流れは大勢の人が理解できても、『なかなか会えなくて』の部分に使われた障害としての叙述(じょじゅつ)トリックをすぐに理解するには、今までのストーリーに出てきた状況証拠を集めて頭の中で整理する『物語慣れ』ができていないと難しい、と考えを述べていた。


 私も納得する部分はあれど、たぶんネタバレなしでも初回視聴で『なかなか会えなかった理由』を気づけただろう身としては、『伏線の気づき』ってそんなに難しいものなのだろうか? とも思ってしまう。


 私の畑が小説ラノベなので意見としては微妙にずれているかもしれないが、『君の名は』に限って言えば『伏線』としてはかなりわかりやすい部類だったと思う。(ツイート元の人もそのように書かれていた)


 まあ確かに、『ケムリクサ』みたいな『物語をより楽しめる要素としての伏線』が膨大に散らばってるような作品もあるので、一概に『伏線』=『全部回収可能』とは言えない。(『ケムリクサ』は一シーンに込められた情報量が多すぎる気がする……)


 ただ最近の商業作品は(ツイートのやりとりでも言われていたが)『布石』として明確に示している場合も多いし、回収時には丁寧(ていねい)に『あのときの台詞(あれ)は、そういう意味だったのか!』みたいな答え合わせ描写も入ることが多いので、『伏線にぜんぜん気づけない』という作品は少ないと思う。


 思うのだが、やはり『物語慣れ』していない人が多くいたから、『君の名は』のヒットの裏で『これはどういう物語だったんだ?』という結末迷子がいたのも事実だろう。


 となると、小説でもなるべく『伏線』を入れない(入れてもわかりやすい『布石』にとどめる)方が、『物語慣れしていない人』も含めた大人数に読んでもらえるかもしれない、となるのだろうか?


 それか『君の名は』を見習って、『伏線』を理解されなくても『雰囲気』で感情を揺さぶられるような構成・演出を目指すべきなのだろうか?


 もしかして、『なろう』が多くの読者を集められたのも、『伏線』とかを気にしなくてもいい『布石』の多用による『物語の明快さ』が関係しているのだろうか?


 とにもかくにも、『自作をより多くの人に読んでもらう』ためには、本当にいろんなところを意識しないといけないのだな、と思った。


 私はただただ、一年がもうすぐ終わることに恐怖しかありません……。


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