269回目 2019/12/9
前回の分と連続で書いてます。
それはさておき、『量産型ヒロインを出すよりも、一人のヒロインを掘り下げてほしい』と、『(恋愛系)ラノベはヒロイン一択にしないで、ヒロイン戦争をしてほしい』の内容について、もう少し考えてみる。
個人的には、『ヒロインの掘り下げ』や『複数ヒロインの間で戦争勃発』についてやりがちではある。これは『好み』というより、性分といった方がいいかもしれない。
まず『掘り下げ』に注目すると、私の場合だと『書きながら設定を作っている』部分が必ずある。なので、『掘り下げが好き』というよりは『掘り下げなければ書けない』のかもしれない。
私の他に同じ人がいるかは定かではないが、どうも私は『設定で書いた内容』が頭に残りづらいらしい。逆に、本編のつもりで書いた内容は結構時間がたっても覚えていたりする。
ある種、記憶術に通じるのかもしれない。単語や文章の丸暗記だと忘れやすいが、物語になっていたら印象に強く残って覚えやすい、みたいな?
なので、私は『ヒロイン』に限らず『自分が忘れないため』に『掘り下げ』をやりたがる作者といえよう。長編でも、『ヒロイン視点』を挟んでようやく定まった感を覚えたくらいだし。
とはいえ、『掘り下げ』をしない場合のメリットもあるにはある。物語がスピーディーに進みやすいことだ。
詳細を本編に載せないのは、悪い見方をすると『その場その場でキャラを作れる』ことに等しい。あまりやりすぎると『キャラ崩壊』になってしまうが、『改良の余地』を残しているととっさの対応はしやすいだろう。
前述の『キャラ崩壊』を防ぐために『絶対に譲れないもの(信念)』くらいは決めておくべきだが、その他は(腕があれば)ライブ感でキャラを動かしても案外なんとかなるかもしれない。
そこらへんは、どうしても作者の性格とか『好み』に分かれてしまう。どんな手法が自分にとってやりやすいか、いろいろ模索していかないとわからない部分だろうし。
また『ヒロイン同士の衝突』については、隙があればバチバチやらせたい派である。いわゆるハーレム要素を含む物語だと、一人の男性をヒロインが取り合う構図になるのだから、互いに対抗心を燃やしてしかるべきと思うからだ。
『ヒロイン側のハーレム容認』が叩かれがちなのは、女性が抱くはずの『対抗心』や『独占欲』を意図的に消失させているからだろう。男性にとっての『都合の良さ』が前面に出過ぎていれば、それは不快に思う人もいる。
なので『読者への理性的な納得感』を重視するなら、『ヒロイン候補』同士を喧嘩させて決着をつけさせ、晴れて主人公の隣を射止めたとする方が『自然』に映るだろう。
しかし、『感情的な納得感』を優先すると『負けヒロインを作るのがかわいそう』となってしまう。マンガのラブコメだと顕著になりやすい印象だが、『ハーレム要素』が好きな人は『ヒロインが主人公以外の男性とくっつくこと』を嫌いがちだ。
そもそも『ヒロインが(一時的にでも)不幸せになるのはかわいそう』と読者が感じやすい面があるため、『未解決=キープ状態』が続く方が望ましいとなりやすい。
なので、『誰か一人でも主人公にフられる』などの結果が高い確率でマイナス要因になるのが決まっている『ハーレム要素』は、『大団円』を迎えるのが非常に難しいジャンルといえよう。
これは『多彩なヒロインを登場させ、より多くの人から関心を得る』という『ハーレム要素』のメリットと、切っては切れないデメリットである。
『ハーレムもの』をなるべく角を立てずに終わらせるには、『戦いはこれからも続く』的な結論先送りエンドが無難であろう。が、これもこれで『一人に絞れ』などの意見も予想されるので、本当に終わらせ方が難しい要素なのではなかろうか?
まあ、今回取り上げた記事の題名だと『単独ヒロイン』が対立項目に挙げられていたっぽいが、それはそれでありだとは思う。三角とか四角以上の関係も人間関係の広がりがまして面白いが、二人の世界でもがんばれば物語を広げさせられるだろう。
小説だと一般文芸の恋愛ものに多いイメージだが、確定ヒロインとの二者関係を描くのならば『キャラの掘り下げ』は必須だろう。それが軸になっていくはずなのだから。
そう考えると、『キャラの掘り下げ』が得意かどうかが、ある意味『ハーレム』を扱えるかどうかの判断基準になりそうな気がしてきた。『ハーレムヒロイン』全員を『掘り下げ』しても成立はしそうだが、あまり共感を深くしてしまうとよけいに『終わり方』が難しくなるだろうし。
つまり、『ハーレム要素』はそれ単体で『なろうテンプレ系』の問題点(=序盤のインパクトや集客重視で、完結が難しい)を有しているジャンルといえよう。暴論かもしれないけれど。
まあ、小説などの物語を生み出して終わらせるのは、たとえどんなジャンルでも難しいことに変わりはない。うまくなりたいなら、もっともっと書かなければ……。
考える力がなくなった時は、こういう手抜きしてもいいですよね。
ここは『私が自由に書きたいことを書く場所』として設置したのですから。




