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251回目 2019/11/21

 最近になってめっきり寒くなって参りました。


●オレオレ詐欺

 日本中で話題になった特殊詐欺への警鐘からインスピレーションを受けて始まった、コンセプト型カフェ。


 いわゆる『メイドカフェ』や『執事喫茶』と同系統の飲食店であり、メニューは一般的な喫茶店とそこまで違いはない。


 しかし、注意しなければならないのがメニューの大半が『注文通りにこない』ということ。


 たとえばコーヒーを注文すれば必ずカフェオレになり、紅茶はミルクティーに、フルーツジュースはフルーツオレになって配膳される。


 さらに軽食も、トースト類は(サンドイッチなども含め)決まってフレンチトーストになって配膳され、スパゲティもほとんどカルボナーラになり、ライスはミルク粥になって出てくる始末。


 つまり、『オレオレ詐欺』系列店はメニューに必ずと言っていいほどオレ(牛乳)を混ぜて出してくる、というかなりイカレた独自色を押し出す店だった。


 他にも接客マニュアルも独特で、『いらっしゃいませ』が『おかえり』、ネームプレートは男性なら『オレオレ』で女性なら『ウチウチ』に固定、レジ接客の時に『実は事故って~』という説明を加えるそうだ。


 キャッチフレーズは『なにもかも詐欺ですが、合法です!』であり、きちんと営業許可も下りているし値段設定はお手頃なので、リアル詐欺とは無縁であることは熱を上げて宣伝している。


 開店当初からあらゆる世代に『不謹慎だ』とか『被害にあったことを思い出す』などの苦情が殺到したが、意外にも主要客層は高齢者が多くそこそこ繁盛しているとのこと。


 というのも、身内のような気安い接客が『孫と話しているみたいで楽しい』という声が一定以上あり、特に子供世代と別居している高齢者に人気があるのだとか。


 ただ、高齢者の一部でもやはり反発する声はあり、ネットでいう『老害』に近いクレーマー高齢者も訪れることは少なくない。


 通常の店舗であればクレーム対策のマニュアルが存在するが、『オレオレ詐欺』では基本的に暴力を用いなければスタッフの対応に一任されており、店によってかなり対応の幅が違うのも特徴といえる。


 たとえば、客のクレーマーとガチで口げんかをしまくる店もあれば、やる気のない謝罪と相づちを繰り返してあおり倒す店もあり、基本的に『相手にしない』というスタンスで一貫している。


 この『コンセプトを生かしたクレーマー対処法』を映した動画がSNSに載せられると大炎上。いい意味でも悪い意味でも、世間から注目を集めるきっかけになった。


 クレームの電話やメールなどが殺到し、窓口での対応は丁寧そのものだったが寄せられた『コンセプト変更』の要望は一切無視して営業を続けており、かなり図太い経営方針だとしても有名になる。


 こうして、頻繁に騒ぎを起こしながらもなんだかんだで生き残り、現在では全国にまでフランチャイズ店舗を広げるチェーン店となった。


 なお、乳製品にアレルギーを持つ人は注文の際に一言添えれば、対応可能メニューが限定されるものの普通のオーダーもできるとのこと。


 これを機会に、是非訪れてみたいコンセプトカフェが『オレオレ詐欺』である。


 ちなみに、この記事は完全なるフィクションであり、実際にそのような名前のカフェは存在しないことをここに明記する。


 たまに用事があって外へ出かけると暖かいのに、室内でじっとしていると手足が冷えてきます。


 日光浴くらいはしないと……と真剣に思うくらいの出不精なのが原因かもしれませんね~。


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