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246回目 2019/11/16

 今回は今までと比べてテイストが違うかもです。


●サラダ

 厳密には『サ・ラダ』と音が分割され、インド神話において『人界を滅ぼす光』という異名で知られる神様の持物の一つ。


 シヴァ神が所有している持物として知られ、由来は暇つぶしにいろんな物を集めていじくってたらできた、という由緒正しき偶然の産物である。


『サ・ラダ』を直訳すると『死の国』であるが、異名の『人界を滅ぼす光』というのは実際にこの持物が使用されたことにより世界が崩壊しかけた、という神話があるからだ。


 その回数、実に三度。いずれも壮絶なエピソードが存在し、シヴァ神の妻とされる女神・パールヴァティーとも関係が深いことでも有名である。


 一度目の使用はシヴァ神が『サ・ラダ』を作り上げた直後のこと。


 自分で作っておきながら原理も何もわからない謎の物体に頭を傾げつつ、『これってどう使う物なんだ?』と頭をひねりながらあっちゃこっちゃいじくり回していたシヴァ神。


 すると、自ら取り付けたかどうか定かではない突起を押したところ、棒状である『サ・ラダ』の片方先端部から漆黒の光があふれ出した。


『やっべ、なんか出てきた!』と焦りに焦るシヴァ神。しかし、意図して『サ・ラダ』を起動させたわけではないため、どうやって光を収めたらいいのかわからない。


 そのとき、家事で忙しかったパールヴァティーがあたふたしているシヴァ神を目撃し、『遊んでる暇があったら少しは家のことも手伝いな!!』と激怒。


 鬼嫁(ドゥルガー)化し、手に持っていた『サ・ラダ』を取り上げ庭の方へぶん投げたところ、これまた偶然に転がる途中で突起が再度押され、黒い光の放出は収まった。


 その後、シヴァ神は鬼嫁(ドゥルガー)化した奥さんに平謝りしつつ、家の掃除を手伝って機嫌を直したとされる。


 このときの影響で起こったとされる歴史上の出来事として、計算上はちょうど恐竜の滅亡と同時期にあたるとされており、火山噴火による気候変動か隕石の衝突など、何かしら地球環境が激変する力が降り注がれたと考えられている。


 二度目の使用は、シヴァ神と女神・パールヴァティーの夕食時のこと。


 いつものようにパールヴァティーが作った美味しい晩御飯を食べていたところ、シヴァ神はふと手に取ったスープカレーを飲んで少し眉間にしわを寄せる。


『どうかした?』と(たず)ねるパールヴァティーに、何気なくシヴァ神はぼそっと口にしてしまう。『いや、いつもよりちょっとしょっぱいと思って……』と。


 瞬間、旦那が家事に一切の関心を払わない態度に鬱憤(うっぷん)をためていたパールヴァティーの怒りが爆発。再び鬼嫁(ドゥルガー)化し、シヴァ神へ問答無用に殴りかかった。


 それに驚いたシヴァ神は、理由もわからず平謝りしながら妻の怒りを静めようと言葉を重ねるも、薄っぺらい口先だけの謝罪で鬼嫁(ドゥルガー)の心を鎮めることなどできず、むしろ悪化する。


 食事をよそっていた食器はすべてひっくり返され、逃げ回るシヴァ神へ飛んでくるのは一度(ひとたび)振るえば必殺の武器になりうる持物コレクション。


 その中にたまたま『サ・ラダ』も紛れ込んでおり、シヴァ神があわててはたき落とした時にまたも黒い光が漏れ出てしまう。


 しかし、シヴァ神も鬼嫁(ドゥルガー)もそれに気づくことなく、七日七晩謝罪と説得をし続けてようやく夫婦喧嘩に幕を下ろしたのだった。


 そのときに起こったとされる出来事が、かの有名な『ノアの方舟(はこぶね)』で有名な世界を洗い流したといわれた大洪水である。このことから、どうやら『サ・ラダ』の影響はその時々によってランダムに発生するらしい、と目されている。


 三度目の使用は、完全なるアクシデントであった。


 ある日の昼下がり、昼寝をしていたシヴァ神が微睡(まどろ)みから目覚め、『あー、久しぶりに経典でも読むかー』とその場を立ち上がる。


 その際、自室の掃除を怠っていたためにシヴァ神の私物がいろんな場所に散らばっており、足の踏み場がない状態であった。


 寝ぼけ眼で部屋を出ようとしたそのとき、謝って床に転がっていた持物の一つ『サ・ラダ』を蹴っ飛ばしてしまう。


『あっちゃ~』と思いながらシヴァ神はすぐさま『サ・ラダ』を拾い、二度の使用によってさすがに使い方がわかっていたため、バンバン出ていた黒い光をさっさと消す。


 しかし、その光に気づいたパールヴァティーがシヴァ神の部屋を訪れてしまった! シヴァ神は日頃『自分の部屋は自分で掃除するから』と妻の入室を断っていたのだが、ここでついに半ゴミ屋敷化していたことがバレてしまう。


 当然のことながら、パールヴァティーは大激怒。たまたま虫の居所が悪かったことも重なり、鬼嫁(ドゥルガー)化を通り越して恐妻(カーリー)化し、そのまま長時間のお説教コースに入ってしまったという。


 そのときに起こったとされる出来事が、幻の大陸『アトランティス』の水没であるとされている。今回は黒い光の放出時間が比較的短かったため、被害が軽かったのではないか? という説がインド神話の専門家の間では濃厚となっている。


 いずれにせよ、『サ・ラダ』は時代の節目に解放された破滅への引き金であり、次にいつ黒い光が世界を包むかの予想もできないため、信心深い人々の間ではとてもおそれられている持物であることは間違いない。


 ちなみに、『サ・ラダ』の見た目は今でいう『懐中電灯』に酷似しており、一部では『オワタライト』や『うっかり破滅光線』などと呼ばれ親しまれて(?)いる。


 なお、『サ・ラダ』は野菜嫌いの人々にとっても忌避の存在とされているが、菜食主義者(ヴィーガン)の間では新しい時代の幕開けを告げる福音とされ、解釈が明確に分かれているのも興味深い。


 ただ、相容れない価値観の相違から宗教対立が長く続いていることも事実であり、互いの思想を邪教扱いしてたびたび紛争を引き起こしていることが、世界平和の妨げとなる大きな社会問題として認知されている。


 ただし、この解説はすべてまるっきりのフィクションであり、実在する宗教・神名・歴史・事件・紛争などとはぜんっぜん関係ないためあしからず。


 自分でやってて気づいたのですが、コレを書くために知らない知識を埋めようとするため、地味に興味の範囲と知識量が広がっている気がします。


 書いている内容がきわめてくだらないだけに、ちょっと得したと思ったとか思わなかったとか。


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