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217回目 2019/10/18

 いつものサイトから、目を疑うような事例が紹介されていたので書いてみます。


 おそらく、書籍化されたことがあったり、同人活動などで名が知れている作家にある話なのだろうが、ツイッターでものすごく呆れるような事件の存在を知った。


 とある作家の方に、ある日DMダイレクトメールが届いたそうなのだが、その内容が『僕(私)が作ったプロットです! それを元に小説を書いて、書籍化したら印税を折半してください! 自分にはプロット(これ)を長文にして物語にする能力がないので』ということが書かれていたそうだ。


 正直、アマチュアかつ零細(れいさい)とはいえ作家として活動をしている身からすれば、『はぁ? なめとんのか?』と思ってしまう話である。というか創作活動をしていない方でも、程度の差はあれ意味不明な言い分だとは理解していただけると思う。


 しかも、その方が発言した時点で三件も届いたことがある、というのにさらに驚いた。んなバカみたいに一方的な要求を、恥ずかしげもなく他人にぶん投げる神経の持ち主が複数いることに、カルチャーショックを受けている。


 その方も続く発言で、『それほどまでに熱意があるなら自分で書いて?』と言葉柔らかにたしなめられていた通り、やりたきゃ自分でやれ、って話でしかない。


 で、どうやら小説家だけではなく漫画家にも似たような要求はあるらしく、まとめられていたツイッターの内容がすべて事実だとしたら、『創作』を何だと思っているのかと真剣に問いたい。


 私のように木っ端作家にとっては無縁な話ではあるが、それでも『創作において一番苦しく、一番楽しい部分』を他人任せにする根性が直截(ちょくさい)に言って気に入らない。


 そもそも内容量にもよるが、プロット程度の情報量だったらすでに世に出ている出版物の中に類似作品は必ず存在するだろうし、他人にアイディアを渡したからといって自分が思い描くものができあがる保証なんてない。


 プロットは言ってしまえば『骨組み』でしかない。そこからどんな『創作物』ができるかは、『設定』をしっかり作り上げてイメージを補強し、組み立てるときにも『個性』が表れるものだから、他人の手にゆだねてしまった瞬間から『プロット(それ)』は『自分の(アイディア)』からは外れた作品になってしまうのは当然だ。


 それなのに、苦労や努力らしいことをほとんどしないまま利益だけは寄越せ、なんて厚顔無恥も(はなは)だしい。他人のふんどしで相撲を取る、虎の威を()る狐などという言葉もあるが、本気で言っているのならせめて『もっと真剣にだまそうとする姿勢』を見せて欲しいものだ。


 もちろん、上記の考えがあるからといって『著作権』等を無視して『他人のプロット』を勝手に拝借してもいい、とか、『作家をだませたら問題ない』、などの暴論を主張したいわけではない。


 明らかに『楽して稼ぎたい』という本音をダダ漏れにしながら雑に仕事を丸投げする態度が、たまたま真っ先に注目してしまい不快に思っただけだ。


 かといって、この行為を擁護(ようご)するつもりがわずかもないのも事実。『そんなに面白いもんができたんなら、自分でがんばって書け』以外に言うことがないし。


 ともかく、『創作物』が『アイディア』だけでできるなら苦労はしない。


 特に小説は『文字が書ければ誰でも作れる』から誤解されがちだが、『誰でも面白い物語が作れる』わけではない。


『創作』を侮辱するな、とツイッターの発言を見て私は思った。


 以前取り上げた『ゆるパク』関連の話では、『作品をパクられるのはむしろ歓迎!』みたいに書いたことのある、ちょっと頭のネジがズレた作者の自覚はありますが、これにはなぜか素直にムカつきましたね。


 私の中でも明確な基準がないのでうまく説明できませんが、どうも『楽しようとする態度』がもっとも気にくわないと感じるようです。


 読者側が1秒未満の時間で読み飛ばすような文章に、こっちがどれだけ神経使ってると思ってんだ! と衝動的に叫びたくなりましたね。自分の情緒がちょっと心配です。


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