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212回目 2019/10/13

 久しぶりのラノベネタですが、内容は同じのをやったことあるかもです。


 時間を見計らってたまりにたまったラノベを消化している中、ちょっと思うところがある作品があった。


 内容は八割ファンタジーで二割SF、みたいな小説で個人的には面白かった……のだが、『ちょっとわかりにくかった』のが心に引っかかっている。


 少し脱線するが、私が長らく保有していたラノベ群はいわゆる『なろう系』が広まる直前、2010年以前の作品が主になる。ぶっちゃけ、私が『なろう』に登録する前まで読もうと思っていた小説だろう。


 つまり、死蔵していた本は『なろう系の影響が小さい小説』ばかりになる。流行が大事な要素の一つであるラノベにおいて、もう歴史の変遷(へんせん)を語る上にしか不必要な古さだ。


 気づけばもうすぐ十年か……何やってたんだろう、自分……(黄昏(たそがれ)中)……。


 それはさておき。


 最近読んだその未来系ファンタジーについて、私の読み方としては物語としても展開としても、前述の通り『面白かった』のは間違いない。少なくとも、何か違和感として引っかかるものを覚えたことはなかった。


 しかし、これも前述の通り『わかりにくかった』のだ。それも、かなり作り込まれた『世界観設定』によって……だと思う。


 軽く説明すると、舞台は地球外にある地球と似た環境にある惑星。そこへ何らかの理由(本編ではあかされず)で移り住んだ、名前からして日本人らしき子孫たちが暮らす『塔(建造物のコロニーのようなもの?)』が存在した。


 そして、『塔』以外の地域は砂漠で覆われており、原住民(現地語として『沖縄弁』を使用)といわれている人々も生活している。彼らは砂漠を泳ぐ『鯨(に近い特殊な生物)』をヨロイと呼ばれる外装骨格(ロボっぽい有機パワードスーツっぽい)を用いて狩猟し、肉や外殻(かたい皮膚)などを資源として生活している。


 ただ、『塔』に住む塔住人(だったと思う)はある特殊な人形(名前は忘れた……)を使って、原住民と同じ『鯨狩り』を『娯楽』として楽しんでいた。その特殊な人形は、操作者の意識と一時的に接続して思うままに操ることができる――簡単に言えばVRゲームのアバターみたいな理屈で動かせる。


 で、地球の文明を維持したまま生活する『塔』と、砂の惑星を長らく続く知恵と力で切り抜ける『原住民』との間にある軋轢(あつれき)を抱えつつ、一応の共存関係にある世界……なのだが。


 正直、いろんな要素をミックスさせた世界観で、把握するのも説明するのも少し骨が折れる。


 私が読んだ時点でも、惑星航行や『塔』の建設・維持に類する『SF』要素、『ヨロイ』や『人形』を主とする戦闘に必要な『ロボ』的な要素、人形を動かす理屈の『VRMMO』的な要素、沖縄っぽい原住民の生活様式や文化である『ファンタジー』要素、『塔』と原住民の間で発生している『環境問題』的要素、主人公と途中で出会った謎の少女が起こすだろうと臭わされた『戦争』要素が見受けられた。多い。


 ちなみに、世間一般では『SF』に分類する物語だろうが、何か『鯨』との狩猟(戦闘)シーンの印象や、原住民の生活を追っていくと『ファンタジー』と言いたくなる内容だった。これは個人的な意見だが。


 それはおいておくとしても、ちょっとざっくり分解しただけで『なろう』よりも多い物語の構成要素があって、それを『わかりにくい』と思ったのが悩みどころなのだ。


 マイナーな出版社のマイナーな作品だと思うので、認知度はかなり低いとはいえ私が『面白い』と思った小説を『わかりにくい』と感じたのは、私の理解力の問題だろうか?


 ――まあ、読解力や理解力が低いだけならまだいいのだが、もしそうでないとすると『ファンタジー設定の説明の難しさ』を改めて思い知ることとなる。


 いくら自分が『面白い』と思える小説でも、そして自分が『書き方がうまい』と思えた小説でも『わかりにくい』としたら、『オリジナル設定をわかりやすく伝えること』が相当に困難だということではなかろうか?


『わかりにくさ』は『ウケの悪さ』とほぼイコールで結んでいい。特に、普段から小説など読まないような『ライト(なろう)層』においては致命的な欠陥(ハンデ)といっても過言ではない。


 私自身、『なろうテンプレ』という『シェアワールド』を長らく利用していて忘れていたが、本来『世界観を多くの読者に理解させること』が『ファンタジー』においてどれだけ難しいことか……改めて考えさせられる機会になった。


 RPG的設定に依存しすぎると、まともな『ファンタジー』を作れなくなるかもしれない。それくらい便利で簡単なツールが『なろうテンプレ』なのだと、実感を込めて思い知った。


 思えば、【普通】も『なろうテンプレ』の変化球でしかない。たとえ読まれる率が減っても、今度はもう少し独自性を意識した世界観設定を組んだ小説を書いた方がいいかもしれない。


『なろうテンプレ』は『創作者』になるならば、いずれ『卒業』せねばならないツールなのかもしれない。そう思いながら、『なろう』で今後もうごうごしていこう。


 そのラノベについて書いていて、私の処女作もSFの短編だったことを思い出しました。


 題名はずばり『未来』。当時、適当なところのブログでアカウントを取って公開していましたね。すでにブログサイトはつぶれましたし、USBとかにもデータが残っているかは知りませんけど。


 やっぱり、『なろう』より前にラノベから執筆に入ったら、タイトルは短く淡泊になるんでしょうか? 昔書いてたのはだいたい、ネット小説界隈だとやる気ねぇだろ! と怒鳴られそうなタイトルばっかでしたね。


 というか、短編系はほとんど単語ですませることが多かったような……昔から、タイトルのセンスがなかったんでしょうね(泣)。


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