183回目 2019/9/14
言い訳にしたいわけではありませんが、長編の作品を放置してちょっとだけあったメリットについてです。
とはいえ、『設定の深みが増した』というだけで、そう大それたものではない。
特に『世界観』よりも、『キャラクター設定』の方に追加されることが多い。私の書き方としても、『世界観』の方は実際に書いていくうちに決めていくことが多いので、じっくり悩むのは『キャラ』についてが元々多かった。
私が書いている長編の、現在進行形でエタっている【普通】でもちょこちょこやっている。ネタバレになるので詳細は書かないが、ぶっちゃけそこまでそこまで興味がなかったキャラの魅力と強さが大幅強化された。
しかも、後付けで考えた設定でも以外と周囲のキャラと反発することなく、むしろ自然と調和する流れになりそうなのがまた面白い。ノリで書き続けていれば見えなかった部分かもしれない。
まあ、それを理由に長々と時間を犠牲にしたのはよくなかったとは思っているが。新たに思い浮かんだ設定も、活かされるのは作品終盤になりそうだし。
長編と言うこともあり、すでに登場キャラが氾濫する兆しさえ見える【普通】では、全員に同じくらいの愛着をもつのは正直難しい。
作者も人の子であるため、主要登場人物に対する熱量が上がってしまうのはしょうがないのだ。主人公とその周り、ヒロインや味方側へ肩入れしがちになってしまう。
敵キャラに魅力や興味がないとまでは言わないし言いたくないが、作中での登場が遅く実際に動かさないと扱いがなおざりになってしまうのは避けられない。
設定を書くのも楽しいが、設定を書くだけでは物足りない部分は出てくる。【普通】だと序盤で敵認定している【魔王】や『魔族』周辺は、いまだほとんど触れていない状態だし。
加えて、実は『魔族』あたりの詳細な人物設定はまだはっきりしてなかったりする。そこは『世界観』と同じく、作中で動かさないと私の中でイメージを結んでくれないのかもしれない。
設定は『キャラクター』の血肉となってはくれるが、それだけだと『人』になってくれない。『キャラクター』が『人』になるためには、どうしゃべってどう動いてどう考えるか、そうした生のデータが必要だ。
キャラ造形のコツとして、『キャラクターにインタビューする』という方法がある。作者という立場から、そのキャラクターとイメージで話してみて、特徴をさらっていく手法だ。
それを実践すれば『キャラクター』の深堀りはできるだろう。が、どうも私の感覚ではそれだけだと『人』として接することができない感じがする。
何というか、就職面接の受け答えだけで『人間性』を評価するような、どこか味気なさを抱いてしまうからだ。『キャラ』がそれぞれ持つ気質や気取らない態度などの生のデータは、やはり作者の存在を知らない作中でしか得られないと思ってしまう。
やっていることはさほど変わらないはずだが、感じ方が違ってくるのは自分でも不思議だ。共感を得られるかはわからない。何となく、そうとしか言いようがないのだ。
それは『キャラクター』に対して誠実なのか淡泊なのか、自己評価に悩むところだ。興味のさじ加減かもしれないが、目標としてなるべく平等に扱いたいとは思っている。
『キャラクター』への愛と作品の面白さは必ずしも比例しないとしても、自分の作品は自分の心を写す鏡でもある。できることなら、最大限の誠意を持って接したいものである。
早く続き書こう……と思いました。




