172回目 2019/9/3
悩み、というほどでもありませんが、少々私のバトル物の設定について改めて思うことです。
現在進行形でエタっている【普通】を読んでくださった方は理解してくださるだろうが、私のバトル要素がある作品における『能力』は何かしらの『欠点』を盛り込むようにしている。
それが『なろうテンプレ』にはあまりない特徴ではあるが、『欠点』がないとバトルに緊張感が出ない、というのが持論なので貫き通すつもりではいる。デメリットのない超能力なんて邪道だ。
ただ、どうも私が設定する『欠点』がなんか独特? な感じを覚えるのは気のせいだろうか? 何というか、見方がひねくれすぎているような気がしないでもない。
万が一、拙作の【普通】を未読の方がいらっしゃったら問題なので作中のことは記載しないが、設定の仕方がちょっと変かもしれない。
たとえば、【結合】というユニークスキル(拙作【普通】はステータス・スキルシステムを採用)があったとする。本編には登場しない、適当に思いついた単語だ。
それを能力化するとき、まずは単語の意味を調べて『それっぽい』能力を考えて、もっともしっくりくる内容を軸に能力を拡張していく。【結合】だったら、『二つ以上の異物を合成させる』とかだろうか。
そこから派生能力をちらほら考えるのだが、これはかなり思いつきの要素が強い。本当に何気ない瞬間、あ、こんなものを設定したら面白いかも? というのが基本だ。なので、【結合】ではすぐに例を提示できないが、あえて追加するなら『合成対象の限界はない』とかだろうか。
そうしてある程度の能力として枠が決まったところで、『欠点』を考えていくことになる。この時、私は【能力】への『欠点』と【能力者】における『欠点』、少なくともどちらかを設定するようにしている。
前者は文字通り、【能力】そのものが有する機能的な『欠点』のことだ。【結合】なら、『合成後の物体は分離不可能』とか『能力者の想定した結果になるとは限らない』とかになりそうだ。
後者は少し抜け道みたいな感じで、【能力】に『欠点』を見いだしにくい場合で【能力者】の『性格的な欠点』を考慮するものだ。こちらはキャラクターの性格によって、さらに様々なバリエーションが生まれやすい。
【結合】を例にしてみると、『グロ耐性が極端に低いため、生物同士の合成が心理的に不可能』とか、『合成時に必要な想像力が低く、合成時は必ず一定の時間がかかる上に無防備になる』とかになるだろうか。
このように、『能力』(特に主人公に設定する場合)はどれだけ『特別で強い』かを考えるのと同時に、どれだけ『特殊で難しい』かを考えるのも、実は楽しかったりする。
『なろうテンプレ』で組み込むと『敵キャラの能力』に設定しがちだろうが、これは『味方側』にも設定しておくと主人公たちをイジメられてたのs……もとい、主人公側の『無双状態』を抑制することができる。
作者の見せ方次第の部分こそあれ、明確な『欠点』を抱えているということを認識していれば、『主人公側の行動』をある程度制限させることが可能になる。
人は誰しも、『何をやってもいい! さあ、やれ!』と言われただけでは『何をすればいいのかわからない』という状態になる。いきなり『自由』を与えられても、幅が広すぎて思考が止まるのだ。
しかし、不思議なことに『ある程度の制限』がある中で『自由』を与えられると、人は本当に『自由』な発想を面白がって生み出していく。イヤな見方をすれば、『抜け道』を探すのが上手いとも言う。
これと同じで、物語も面白がって進めるためには『ある程度の制限』が必要だ。それの中で一番設定しやすいものの一つが、『主人公の能力』といえよう。
できないことをできるようになる将来性、今できる範囲で『能力』以上の結果を出す意外性・発想力、ここぞという場面で活躍できる『主人公』らしい突破力・クソ度胸など、設定によって面白くできる演出の幅は一気に広がる。
その点、『最強』や『無双』と呼ばれるジャンルは『主人公が完成されている』という意味では退屈な展開になりやすい、とても玄人向けの作品だといえる。
まだまだアマチュアな私には、とうてい手が出ないジャンルだ。『ワ○パンマン』くらいの人気が出せれば別だが、あれはメインがギャグかコメディだったはずなのでそちらの分野でならワンチャンあるか?
ともかく、『能力』には『欠点』があるとむしろおいしい。それが私の創作持論の一つである。
他にも、『敵キャラを強くしすぎて倒し方がわからない!』というひとり相撲を避けることも可能となります。
『なろう系』を書こうと思われた方の意見に多い印象ですが、なけりゃあ作ればいいんだよ! エントリーシートと同じです。『長所』なんて反対から見れば『短所』になるんですから。
そもそも『完璧な能力の設定』なんて、この世に存在するわけないじゃないですか。『不完全な生物』である『人間』が考えつくような浅知恵なんて、どれもこれも『不完全』に決まっています。
これも一種の開き直りでしょうか? どうなんでしょうね~。




