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127回目 2019/7/20

 勝手にキャラクター論を書いていくと、自分の認識と課題が浮き彫りになりますね。


 あらかたの考察を行ってきたが、私としては無視できない役割でありながら苦手意識があるくらいの役割がある。


 主人公に近い位置にいて、平凡な空気や緊張感を壊してくれるにぎやかし――いわゆる『三枚目キャラ』だ。


 私が主に書きたがる『ダーク・シリアス系』の物語においては、緩急の『緩み』を担当し読者の緊張感を適度にほぐしてくれるキャラクターでもある。


 緊張と緩和は、お笑いにおける基本ともいえる『空気感』の操作である。そうでなくとも、ある程度の時間で『緊張』か『緩和』が長続きすれば、見ている方は単純に飽きて退屈してしまう。


 物語において『波・変化・起伏』などと呼ばれるものは、面白くないと判断されやすい『退屈』を排除するために必要不可欠な要素だ。


 そのうち、興奮を下げる『展開の谷』を作ってくれる『三枚目キャラ』は、とても無視できる存在ではない。


 主に私の好むジャンルである『ダーク・シリアス系』だと『箸休め』という役割になり、主に『コメディ系』だと『物語の主軸』というメイン扱いにもなりえるため、ポテンシャルが高い。


 また、ただふざけるだけだと反感も集めやすいキャラとなるが、おふざけの中に『愛嬌(あいきょう)』のような部分を演出できたら、作品のマスコット的なキャラクターとして認知される可能性がある。


 残念ながら物語そのものにおいては『主役』になり得ないが、『主役』とその周辺にある環境を調整する『サポート役』としての役割はとても重要といえるだろう。


 私の場合、個別に『三枚目キャラ』を用意するのは苦手だ。どちらかというと、『主役』に『三枚目キャラ』を兼任(けんにん)してもらう場合が多い。(無意識にそうしている(ふし)がある)


 これは私の中にある『主人公=未熟・未完成』であるべき、という固定観念もかかわってくる。『なろう』との相性はさておき、最強・無双キャラの『主人公』は『退屈』を排除するためのハードルがあがってしまうため、難易度の問題でも描くことは難しい。


 その考えと、『主人公+三枚目(おふざけ)キャラ』という二足の草鞋(わらじ)はとても相性がいいのだ。


 格好いいけど、どこか間抜け。完璧に見えて、詰めが甘い。とても強いけど、失敗もすれば負けもする。


 そんな『完璧にはなれない人間らしさ』こそが、『主人公』には特に強調すべき要素だと思っているのだ。あくまで、現時点では。


 そうなると、問題は『主人公』とは別に『三枚目キャラ』を用意するのが難しくなる。良くも悪くも『シリアスブレイカー』を『主人公』が担うため、サブキャラとして出す必要性がないのだ。


 たとえるなら、『シティハ○ター』の主人公『冴羽○ョウ(漢字変換できなかった……)』がイメージしやすいかもしれない。やるときはやるが、適度にふざけて場を和ませる、飄々(ひょうひょう)としたキャラクターが好きなのだろう。


 作風が『コメディ系』に力を入れていたら、何の問題もない。一人以上『引き締め(ツッコミ)役』を用意すれば、後は全員『三枚目(おふざけ)キャラ』でも成立しうるジャンルだからだ。


 しかし、私の大好物な『ダーク・シリアス系』だと『三枚目キャラ』は多用すれば世界観・空気感を壊してしまう。


 そも『ダーク・シリアス系』に求められる『笑い』において、シーンにもよるが、重宝されるのは『皮肉』だろう。スパイとかアクション系の洋画で、相手をからかうために使う『ちょっとズレた一言・返し』などがそれだ。


 レベルとしたら『くすっ』とできる程度で、『大笑い』に発展するような秀逸なギャグ展開は盛りすぎになってしまう。当たり前ながら、どんな要素もバランス感覚と適材適所が大事なのだ。


 そんな環境で、『主人公』を含む二人以上の『三枚目キャラ』など、『笑い』要素において過剰でしかない。まして、その二者間でのやりとりにも新たに気を配る必要があって負担が大きくなる。


 だから無意識に『三枚目(おふざけ)のサブキャラ』登場を避けている……と思うのだが、解決策がないわけではない。


『主人公』が一時的に『引き締め(ツッコミ)役』へ回ってもらうことだ。ずっと型破りな言動をしていた『主人公』が、客観的かつ冷静な視点で『三枚目キャラ』にツッコミを入れれば、『常識人』としての一面を演出する一助にもなる。


『主人公』の魅力を引き出しつつ、『三枚目(おふざけ)のサブキャラ』も目立たせる――あれ? 問題解決? いや、『三枚目(おふざけ)センス』も必要なので、必ずしもオールクリアではない、よな?


 ……と、とにかく、『三枚目(おふざけ)キャラ』の運用にも、ノリや勢いの他にある程度の計算も必要だと思われる。


 キャラの本能のまま場をひっかき回すようなキャラも面白いが、やはり作者が制御できるのが望ましい。


 いろいろ書いたところで、それが私の『やりやすい書き方』なだけかもしれませんけどね。


 やはり、人それぞれ個性があるように、小説の運び方にもまた個性があります。


 自分の好き・やりやすい書き方は、他人が助言するよりも実際にやってみないとわからない部分もあります。


 なので、他人のやり方はあくまで参考にとどめ、実践が一番の勉強になりますよ――という身も蓋もないことを言ってみました。


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