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124回目 2019/7/17

 ぱっと思いついた、私の中の『ハーレムヒロイン』についての意見、だと思います。


『なろう』でよく見かけるシチュエーションやタグ設定などで『ハーレム』があるが、問題点として『ヒロインのキャラの薄さ』が挙げられる場面をよく見る。


 私も『なろう』の利用者として、長年テンプレだいたいランキングを読んできたこともあり、その欠点については同意する。


『ハーレム=多人数ヒロイン』という構図として、作者目線だと『書くのが面倒』などと思ってしまう部分はあるだろう。


 主要キャラが増えれば、その分魅力を演出しないといけない。それがヒロインならばなおさらで、男主人公や読者に好きになってもらえるよう書いていく努力が必要だ。


 だが、ラノベの場合は特に『多人数のヒロイン』はすなわち『多種類の属性』を描くことと同じであり、本来は作者側の高い力量が問われるジャンルである。


『多種類の属性』におけるそれぞれの魅力を理解し、上手に描写し、それぞれのキャラを書き分け、そしてなるべく平等に扱わなければ『ヒロインたち』にとっても『読者』にとってもフェアではなくなる。


 一方、作者も一人の人間であるわけで、『属性の好み』は必ず持っているはずだ。ツンデレ、ヤンデレ、クーデレとか、お姉さん(先輩)、妹(後輩)、バブみ(母性)とか、他にも挙げればキリがないだろう。(私が属性分類にうとい事実はスルー推奨)


 そうした『属性』について、『一定水準以上の描写』を『平等』に描くことは非常に難しい。知らず知らずの内に作者の好みが反映され、『ヒロインの扱い格差』が出てしまうからだ。


 それが読者の好みにも刺さればいいが、問題は『その他の属性を持つヒロイン』と『その他の属性を好む読者』である。


『ハーレム』の利点は『一作品でたくさんのヒロインと出会えること』だ。そして読者も、『たくさんのヒロインが持つそれぞれの個性とかわいさ』を期待している。


 その中で自分の一番好きだと思える『ヒロイン』を見つけ、応援したり言動に注目したりとそれぞれの楽しみ方で物語を追うわけだが、『自分の好きなヒロインの扱いがぞんざい』だとどうなるか?


 当然、読者側から不満の声が出てくるだろう。『ハーレム』においての格差は、作者の分身となりやすい『主人公との接点』や『主人公の態度』に出やすいので、よけいに反発を生みやすい。


 さらに、『ハーレムヒロイン』の人数が多ければ多いほどその軋轢(あつれき)は大きくなり、不満は『作者』と『主人公』に集まっていくことは想像にたやすい。


 ヒロインが四人だと三人分のファンが敵になる事になり、人気がきっちり四等分であれば読者の『四分の三』を怒らせてしまう。安易な計算だが、割合として『多数派を敵に回しやすい状況』となるのは間違いない。


 他にも、『ハーレム』ではよく『自分の推し』を好きになりすぎるあまり、『推し以外』をことさらに敵視する傾向も見られる。そうした過激派なファンへの配慮も考えれば、作者はなるべく『平等』を心がけるべきだとわかる。


 かといって、『平等』の線引きも見極めが難しい。ヒロインの魅力を出すために『キャラの掘り下げ』が必要だが、配分を間違えると作品全体の流れがダレてしまいやすい。


 私の連載などがその状態だ。各章の『ヒロイン』を描くに当たり、主人公視点とヒロイン視点をもうけて進めるため作品内における時間の流れはかなり遅い。なるべくキャラの魅力を伝えようとして、軽快さを完全に犠牲にした形といえよう。


 それは『なろう』においては致命的な欠点になりうる。深く考えずに読めるスピード感が重視されやすい『なろう』において、時に重厚な設定や綿密な関係性は『覚えていられない』から『邪魔』でしかなくなる。


 そうした環境(サイト)の特性も考慮すると、『なろう』における『ハーレム』で『キャラが薄いヒロイン』が乱立するのは、作品の生存戦略として必要な傾向だったのだと思われる。


 展開がサクサク進む作品において、『ヒロインの掘り下げ=スピード感の低下』は致命的な『欠陥』なのだ。テンポを犠牲にするくらいなら、『ヒロイン=トロフィー』の扱いでちょうどいいのだろう。


 幸い、偉大なる先人の作家たちが『ヒロイン属性』を数多く作ってくれたため、我々アマチュアはその上っ面をなぞるだけで『ヒロインの書きわけ』っぽいことは簡単にできてしまう。


 だからよけいに、『とってつけたような魅力の薄いヒロイン』が横行するのだろう。


 作品をどうすべきかは作者の自由なので、読者は不満こそ言えても内容に口を出す権利はない。


 だが、どうせなら読者としても『魅力的なヒロイン』に出会いたいし、作者としても『魅力的なヒロイン』にしてあげたいとは、個人的に思うところだ。


 ふつうに考えて、『ハーレム』ってめちゃくちゃ難しいシチュエーションですよね。人数分の異なるバリエーションで恋の駆け引きを描かなきゃならないわけですから。


『なろう』では『テンプレ』だからと軽視されがちですが、本気で面白い『ハーレム』を書くのであれば、相当頭を使ってキャラクターたちと向き合い描かなければなりません。


 私の連載作品はそれができているか……描写だけが長いだけかもしれないので、自信はないですね~。


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