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1238回目 2022/8/3

 それ『つけ麺』っていうより『冷麺』だろ、ってオチを想定していました。前書きに書いたら普通にネタバレですね、これ。


 一回目

 お題『安いアレ』

 必須要素(無茶ぶり)『つけ麺』

 文字数『1139文字』 未完


 タイトル『調味料』


「つけ麺っていえば、アレは欠かせないよな」


「アレ?」


 この日、行列ができるつけ麺を食いに行こうぜと誘われて、マジで営業前に出来上がっていた長蛇の列に並んでいたんだが。


 まだまだ先の方にいる先頭の客が店員からメニューを渡されているのを眺めながら、スマホで店のホームページでメニューを確認していた時に始まった。


「アレってなんだよ?」


「アレだよ、アレ! あー、やべ、名前が全然出てこない」


「おいおい、二十代でもう認知症か? 早めに病院行った方がいいぞ?」


「バッカ、単なるド忘れだよ! いきなり病気にしてんじゃねぇ!!」


 少しからかってみたら割とマジで返された。身内になんかあったのかもしれない。こういう地雷って、いつ誰に湧いてくるかわからねぇよなぁ。


「悪い悪い。で、つけ麺に何かかけるのか?」


「かけるっつうか、つける感じだよ。味変で」


 味変? まぁ、ラーメンでニンニクとか胡椒いれるのも味変だろうから、つけ麺でも同じように言ってもおかしくはないのか?


「俺、正直つけ麺って初めて食うんだけど、味変するくらい調味料にバリエーションがあったりすんの?」


「いや、そこまでじゃない。けどあるんだよ、アレかければ確実に美味くなる、ってやつが」


 あーでもないこーでもないと、頭を抱えてうなりだした友人の奇行の、何たる気持ち悪いこと。可愛く言えばチンアナゴ、ひどくくさせば芋虫の阿波踊りをし始めたこいつと、心なしか距離を取る。


「よくわからないけどさ、欠かせないっていうほどマストな調味料の名前くらい覚えとけよ。それつけたらどうなるんだ?」


 本音を言えばこの話題に全く興味はない。ないんだが、さっき開店したばかりで行列がすぐにはけることもない。


 平たく言えば暇つぶしだ。どうせド忘れなんてすぐに思い出す程度の話なんだから、ギリ付き合ってやってもいいかなと思ったのもある。


「美味くなる! これは確実!」


「だからどううまくなるんだよ? どういう味になるか、ってこと」


「あー、なんというか、味にアクセントがつく」


「……曖昧なこと言いやがって」


 意外と苦戦しそうな気配がするヒントの出し方に、もうすでに苛立ちがこみ上げてきたんだが?


「こう、ピリッとするんだよ。スーパーにも売ってるくらい安いし」


「辛味? 七味のことか?」


「違う違う。そんな毒々しい赤なんて飯に入れたらまずくなるだろ」


 あぁ、そういえばこいつ、辛いの全然だめだったな。なのにピリッとする調味料? ますますわからん。


「赤じゃなくて……そう黄色! 黄色くてちょっと粘っこいんだよ!!」


「――はぁ?」


 ようやくヒントらしいものが出たと//(時間切れ)




 二回目

 お題『限界を超えた町』

 必須要素(無茶ぶり)『ドア』

 文字数『1064文字』 未完


 タイトル『綺麗なドア』


 ここに一つのドアがある。


 立派なドア枠が蝶番と繋がって、しっかりと直立する姿は見ていて頼もしさすら感じる。木目の扉と真鍮の取っ手はどこかシャレた洋風で、本当ならいいところのお屋敷にでも組み込まれていたんだろうなと思わせる。


 装飾もまた細かくて綺麗だ。モチーフはよくわからんが、宗教画のような裸の男が布で局部を隠している様を無数に描いている。というか、彫られている。取っ手以外は扉をキャンパスに、とても細かい彫刻画が展開されていた。


 一度目を離したが、ドア枠も似たような絵が彫り込まれている。仕事が細かくて、凄いを通り越した神経質さすら覚えてしまう。少なくとも、今このドアの目の前に立っている俺からしたら、信じられない作りこみをしているのは間違いない。


 少しの好奇心から、手を伸ばして真鍮製の取っ手を握ろうと手を伸ばす。が、やっぱり直前でやめた。持ち上げていた手を引っ込め、またそのドアを眺めていた。


 どれくらいそうしていただろう? 静かだった町に、異物のような羽音が聞こえてきた。


 視線をドアから空へ移すと、遠くにハエのような形をしたヘリコプターが数機、こちらに近づいて生きているのが見えた。まだ遠いのか、バタバタとうるさいはずのローター音が虫の羽音程度にしか聞こえない。


 真っ青な空に浮かぶ、シミのようなヘリコプターから視線がズレれば、それまで直視していなかった景色も視界に映り込んでくる。


 瓦礫だ。たくさんの。元の形には戻らない。俺の故郷の。爆撃された町の。


 どこかと戦争をしていたわけじゃない。突然こうなった。数日前のことだ。テレビの速報で、聞き覚えのある町が空爆を受けていると、何度も何度も流された。


 最初にそのニュースを見てから、半日ほどの記憶はない。すぐに荷物を纏めて帰郷しようとしたら軍の関係者から足止めを受けた。


 俺が故郷に戻ってこれたのは、ニュースがあってから一週間後。俺の故郷をめちゃくちゃにした隣国の軍隊はもういない。かといって、この町を守ってくれていただろう自国の兵士の姿もない。


 隣国の目的は、俺の故郷じゃなかった。この国の首都。俺が働きに出ていた場所。そこの武力制圧だと、テレビやラジオでは聞かされていた。


 俺の故郷は、隣国から首都までの最短ルートにあった邪魔な障害物でしかなかった。なんの特色もない平和な町だったが、三日も持たずに破壊された。


 この扉は、俺と同じだったのかもしれない。戦火の中、忘れられたように故郷の中に取り残された土馬。//(時間切れ)


 ネタの内容的に不謹慎とか叩かれそうなシチュエーションですが、お題と無茶ぶりで思い浮かんだのがこれだから仕方ないです。


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