1237回目 2022/8/2
……これはどういうジャンルの物語になるんでしょうか? 自分でもよくわからないまま、日常のシーンを切り取っただけな気がします。
一回目
お題『安い傘』
必須要素(無茶ぶり)『志賀直哉』
文字数『1036文字』 未完
タイトル『コンビニまで徒歩五分』
ありきたりなシチュエーションに身をさらした時、自分の真価が問われている気がする。
単なる気のせいかもしれない。ただの考えすぎだろう。わかっている。
でも少なくとも俺は、誰もが悩みもしない些細な日常のつまづきを前に、人より長く考えてまうタチではあった。
「……最悪」
コンビニで買い物を済ませて外に出た時だ。
ぽつぽつと小雨が降りだしている。傘なんて持っていない。朝の天気予報では一日晴れだったんだから持ってきているはずがない。
自動ドアから少し横にずれて、店内を確認してみる。客が他に数人、商品を選んでいたり雑誌コーナーで立ち読みをしていたりしている。店員も暇そうにレジの中で突っ立っていた。
「この程度でビニール傘なんか買いたくねぇしなぁ」
がさり、と右手にぶら下がる袋が鳴る。空は当たり前のように曇天だが、時間帯的にその向こうにはきれいな星空が広がっていたに違いない。
……暗夜行路、ってなんだっけ? 志賀直哉? 読んだことないからどんな話かも分からないけど、ぱっと浮かんだワードがまた雨の音ともに溶けていく。
「かといって、濡れたくねぇし」
スポーツで汗をかくのを嫌がるのと同じように、体に水がつくのは昔から嫌いだった。風呂は全然気にならないのに、服を着て外にいる時に体に水がつくのがすごく気持ち悪く感じてしまう。
大したことのない小雨でも打たれたくない。家から歩いてコンビニまで来てしまったから、このままだと小雨の嫌悪感を我慢しながら走って帰るしかない。
……いやまぁ、選択肢がそれ以外にないかといえば、そうでもないんだけど。
「……」
無言で見るのは、ゴミ箱の隣に置いてあった傘スタンド。そこに誰のものかわからない傘が二本、無造作に突っ込まれている。
さっき中を確認した時にいた客の物だろうか? それとも別の客が忘れて行ったものが放置されている? どっちでもいいけど、他人の物だというのは確定している。
悩んでいることは何か? もちろん、無断で傘を持っていくかどうか、だ。
調査すれば結構な割合でやったことがあるだろうと思う傘パクを、この切羽詰まった状態で断行するか否か。
自慢じゃないが、俺は清廉潔白を信念に生きてきた。社会のルールは必ず守るようにしたし、実際に守ってきた。
傘パクは普通に窃盗罪。逮捕・起訴されるかは別にして、自分の経歴に小さな汚点を作るのは間違いない。
それを//(時間切れ)
二回目
お題『誰かと猫』
必須要素(無茶ぶり)『フォロワー達が○し合い』
文字数『792文字』 未完
タイトル『フォロワーの方舟』
『人類は増え過ぎました』
街で一斉になりだしたスマホの呼び出し音に驚きつつ、通話ボタンを押して聞こえた第一声がそれだった。
機械音声? にしてはイントネーションが自然で流暢。かといって肉声にしては感情が欠けている。いるかどうかは別にして、神様ムーブをかましたらこんな声が出るんじゃないだろうか?
『これから世界総人口を半分以下にするためのルールを伝えます』
誰だか知らないがコイツやばいな……。警察に通報しようと考えたが、ふと周りの光景が目に入ってくる。
休日の昼間、都会は人がごった返していて長くいたら酔いそうなくらいなんだが、普段人酔いの原因でしかない他の人々も俺と同じようにスマホを見つめている。
まさかとは思うが、このメッセージって携帯電話持っているやつ全員に届いてる? 実際、通話ボタンを押す直前の呼び出し音は色んな音楽がまじりあって騒音レベルだった。
すし詰め状態に近い大通りにいた人間全員が、機械音声に近い異常者の声を聞いている。もしかしたら警察にも同じ内容の電話がかかっているかもしれない。
『人類は偶像を愛し、偶像に執着する生き物でしょう』
偶像? どういう意味だ?
『自身がたたえる偶像を守ってください。他人がたたえる偶像を壊してください。偶像が壊れた瞬間、信者たちは偶像と共に崩壊します』
待て待て、言葉の意味が分からんうちからルール説明に入るんじゃねぇ。
『偶像を支える信者――フォロワーというのでしたか。フォロワーが行うのは偶像の守護と破壊。今後、人類はその数を半減させるまで、偶像と共に生き偶像と共に死ぬのです』
偶像ってなんだよ……フォロワー、ってことはインフルエンサーとかそういうやつらのことか?
で、そいつらを守るか壊せ? どういう意味だよ? 共に生きて死ぬ? ますます意味が分からん。
『偶像は』//(時間切れ)
イメージは人類全体を巻き込んだデスゲーム物、ってところでしょうか。声の主は神様っぽい雰囲気の運営と思ってください。これでどうしたかったかは私もよくわかりません。




