1233回目 2022/7/29
流れとしては『次の日に主人公が笑おうとすると、顔が思いっきりかゆくなる症状に見舞われる』、というファンタジーひとつまみを加えたコメディを想定していました。
一回目
お題『かゆくなる笑顔』
必須要素(無茶ぶり)『挽き肉』
文字数『1004文字』 未完
タイトル『料理の極意は深く鋭く』
「明日の一日、ずっと笑顔でいるか笑顔でいられないか。どっちがいい?」
「……罰ゲームの話だよな?」
不覚にも試験結果で賭けをしてしまったばっかりに、得意げな笑顔で俺を見下ろしてくる幼馴染へ疑問をぶつける。
自分の席に座ったまま自分と幼馴染の答案用紙を見比べていた時にかけられた台詞で、いやに楽しそうな声音のまま幼馴染は自らの答案用紙を回収していく。
「そのままの意味だよ。明日は強制的に笑顔でいるか笑顔になれないかを選んでもらう。それによって今日の晩御飯の味付けが変わるんだ」
「待て、それがすでに罰ゲームなんだが?」
「それちょっと失礼じゃない? でもまぁ安心して。君以外に食べさせる料理はちゃんとまともになるくらいには上達してるからさ」
「要するに俺の時だけは常に全力で調理するってことだろ不安しかねぇ」
この女は昔から料理が下手だった。家系もあったとは思う。だってこいつのお袋さんも料理がド下手だったし。旦那さんが料理上手だったからこそ、こいつはまともに成長できたといっても過言ではない。
そんな遺伝子レベルでミュータント製造スキルを有する怪物料理人は、どうやら俺に地獄の創作料理を振る舞うことで手打ちにしようとしているらしい。
前に顔が青白くなって救急車に運ばれて以来、ずっと拒否してきたってのに……どうしてこんなことに。『私に勝ったらなんでもいうこと聞いてあげる』、って台詞を真に受けるんじゃなかった。一生料理すんな、って要求しようとした罰が当たったのかもしれない。
「それじゃあ、帰り道のスーパーで食材の買い出し行こうか。当然、荷物持ちとして付き合ってもらうよ?」
「……最後の晩餐を自分で用意するとか、どんだけ残酷な罰ゲームなんだよ」
「本当に酷い言い草だね? 味だけはまともなものを用意してあげようと思っていたけど、いらない配慮だったかな?」
「慎んで荷物持ちを拝命させていただきます」
「よろしい」
危なかった……顔が笑ってたのに目が全然笑ってなかった。ああいう時の幼馴染は冗談が一切通用しない。経験則と原始時代の野性的本能がそう言ってる。
「うーん、牛と豚、どっちがいい? それとも合い挽き?」
「ミンチ肉ってことは、ハンバーグか何かか? 俺は別にこだわりねぇけど」
「じゃあ合い挽きでいっか」
下校中と買い物中は、とにかく幼馴染を//(時間切れ)
二回目
お題『ワイルドなドア』
必須要素(無茶ぶり)『哲学的な思想』
文字数『1005文字』 未完
タイトル『野性的な出入り口』
ドアは本来、隔離された場所へ入るための出入り口として作られる。
四方に床と天井と、壁に囲まれた空間に閉じ込められた時、たとえカギがかかっていたとしてもドアがあるだけで幾分か安心するのは、人がドアの用途を理解しているためだ。
内と外とをつなぐ通り道。ドアとは門でありながら道なのだ。
「だからこそ、○こでもドアは果たして本当にドアとして分類していいのか迷うわけだが」
「何言ってんの? いい加減覚悟決めれば?」
延々と語っていた時間稼ぎは、あっけなく右斜め後方で腕組をしていたギャルによって強制終了の憂き目にあった。
このギャルとはさっき知り合ったばかりである。名前すら聞いていないし、俺自身ギャルに名乗ってもいない。そもそも、名乗るだけの余裕がない。
「……本当に触るのか? 動物のはく製からできたようなドアを?」
「見た目えぐいけど、ドアノブは金属っしょ? さっさと開ければ?」
「残念ながら、ドアノブもまるで骨のような材質で出来ているんだ」
「きもっ! あーし絶対触んないから!!」
だから俺が代わりに開けろと? 俺だって嫌だぞ、こんな悪趣味なドアに触るのなんて。
自分の身体を抱きしめてドアと俺から距離を取り出したギャルを放置し、改めて目の前のはく製扉に視線を戻す。
長方形の板みたいなドアは、まるで○こでもドアのように自立した状態でたたずんでいた。横にも上にも、ドアを支える壁などの建材はない。ついでに言えば、俺とギャルの周りにも物質的な物は何もなかった。
気づけばここにいた。着た方法も帰る方法も――俺が元居た場所もわからない。
あるのはミディアムカットの金髪に、だいぶ厚めに盛った化粧で俺を睨みつけるギャルと、このドアくらい。
ドアの装飾は異様の一言に尽きる。ドアノブはもとより、外枠や足の部分も含めて完全に動物の骨を加工して作られている。カルシウムをよくとる動物だったのだろう。見た目からして骨粗しょう症のようなスカスカ感は見られなかった。
骨枠の内側に収まったドアはというと、ワイルドになめした毛皮がべったり張り付けられていて、見た目からしてゴワゴワしている。これをモフモフという度胸は俺にはなかった。
少し触れてみたところ、かなり硬くて針のような質感の毛だった。遭遇したことはないが、イノシシとかの毛なのだろうか? 少なくともy//(時間切れ)
お題の『ワイルドなドア』の描写で頭がいっぱいだったので、その後のストーリーは全く白紙のまま終わりました。どうしたんだろう、これ?




