1217回目 2022/7/13
舞台の設定を書いている間にお題の要素を出しておくの忘れてました。イメージは二階に続く階段の近くでやってる感じです。
一回目
お題『汚れた階段』
必須要素(無茶ぶり)『鍋』
文字数『929文字』 未完
タイトル『冷える場所で鍋パをしよう』
「俺さ、思うんだ」
「何を?」
「お前ってとんでもないバカだけどさ、大物でもあるんだよなぁ、って」
「ははっ。なんだよそれ」
いや、笑い事じゃなくて。
ぐつぐつと煮えたぎった鍋を囲んでいる俺たちの状況、もっとおかしいと思って受け止めて欲しい。
「お前さ。鍋パーティーしようぜ、って言ったよな?」
「おう。してるだろ? そろそろ食い頃かな?」
「そうだな。してるな。で、なんで心霊スポットでやる必要があったんだ?」
「そりゃあ決まってんだろ。涼しいところで食った方が鍋は美味いからだ」
「だったら冬場に誘えよてめぇ!!」
思わず組み立て式の椅子から立ち上がって叫ぶと、俺の声がボロボロの廃墟にこだまする。こいつはこいつで呑気に取り皿へ鍋をよそってやがるし、どういう神経してんだよ!?
ここは昔、かなり流行っていた旅館だったところで、山奥って立地の悪さながらサービスがよく価格帯もリーズナブルだってんで、連日多くの宿泊客でにぎわっていたそうだ。
中でも海外の観光ミシュランに記載されたことが大きく、半分くらいは外国からの宿泊客で埋まっていたらしい。ぶっちゃけ市内観光には向かない場所だったが、旅館目当ての客が予想以上に多かったようだ。
だが、十数年ほど前に宿泊客の不注意で深夜に火事が起こって旅館は全焼。宿泊客や従業員を含めて逃げ遅れた百人以上が犠牲になってしまった。
それからというもの、廃墟となった旅館には幽霊が出るってんで地元じゃあっという間にいわくつきの場所として知られちまった。目撃例が多かったのもそうだし、バリエーションが豊かだったのもある。
外国からの観光客が多かった影響か、幽霊の目撃情報だと外人が多かったのが特徴だ。霊障もポルターガイストが頻発して、物理的な被害を受けたやつも少なくない。
廃墟を壊そうにも工事中に霊障が起きまくったため、結局は国から立ち入り禁止区域に指定されて放置されているのが現状だ。
「ふぅー、あつあつ……うん、美味い!」
が、目の前で鍋を美味そうに食ってるバカみたいに、心霊スポットと聞いてテンションを上げるバカは世の中に一定数いるようで。
封鎖された今も//(時間切れ)
二回目
お題『馬鹿な遭難』
必須要素(無茶ぶり)『ナン』
文字数『1089文字』 未完
タイトル『そう、ナンです!』
どうしよう……俺、生きて帰れるのかな?
「そう落ち込むなって。大丈夫、きっとそのうち帰れるさ」
「そうだな。どっかのバカが獣道ばっかり進まなきゃ、今日は楽しいハイキングになるはずだったのにな」
隣でお気楽に笑っているバカが、この度の遭難の主犯である。何が楽しいというのか。食料なんて山頂で食う予定だった弁当と水筒くらいしかなく、ガッツリ山の中を下山できる装備なんてないってのに。
加えて雨まで降りだして、マジで詰んだ状況としか言いようがない。危険を承知でクマが巣を作ってそうな洞窟に避難しているが、いつ危険が襲ってくるかわからないのは神経もすり減ってくる。
「にしても、腹減ったな。飯でも食うか?」
「おい。わかってるだろうがバカすか食うなよ? 長期戦を覚悟して節約しながら食うんだ。じゃないと本気で死ぬぞ?」
「えー。でも俺、持ってきた弁当ってカレーとナンだぜ?」
「頭っからつま先までどういう神経してんだてめぇ!!」
全然日持ちしそうにないもん持ってきやがってよぉ!! いや、常温でどれくらい消費期限があるのか知らねぇけどさぁ!!
「まぁまぁ。だったら俺の弁当をお前と分け合って食べてさ、翌日以降にお前の弁当をつつけばいいじゃん」
「野宿前提で話進めるの止めろや。ただでさえ精神が参ってんだよこっちはよぉ……」
建設的な話のはずなのに、なんでこんなに気分が暗くなるんだろう? あぁ、わかってるよ。全部コイツが原因だからだよ。
「あぁ……なんで俺がこんな目に」
「なんでってお前――親友だからだろ?」
「遭難の道連れにしたお前が言うんじゃねぇ!!」
ずうずうしく肩を組んできたコイツの腕を払いのける! 今は触るな、癪に障るから!!
ただ、別にコイツは俺の腕をつかんで無理やり獣道へ引きずり込んだ、というわけではない。ハイキングルートを勝手に外れていく馬鹿を心配し、連れ戻そうと勝手についてきた結果がこれだ。
まさに『ミイラ取りがミイラになる』を自分から実践した形になっちまった。コイツは大馬鹿だが、俺も俺でバカなのは否定できない。
「どうどう。カッカすると体力を無駄に消耗するだけだぞ?」
「誰の! せいだと! 思ってんだ!!」
「だからさ、カレーでも食って落ち着こうぜ。それでさっさと寝るに限る。それからのことは、起きてから考えようぜ!」
「クマがいるかもしれない場所で呑気に寝てられるかボケぇ!!」
真面目に言ってんのか冗談で言ってんのかわからねぇのが怖ぇよ! 頭おかしいんじゃねぇの!?
「んじゃ、と」//(時間切れ)
我ながらくっだらないダジャレだと思いますよ。でも最初に浮かんだタイトルがこれだったんだから仕方ないじゃないですか。これだと『ナン』がお題っぽく見えるのもミスかもしれませんね。




