12回目 2019/3/27
ここまで読まれた方々へ真剣なお願い。
世の中には粛正すべき絶対悪が存在する。
生きているだけで罪であり、存在そのものが許されない生き物。
俺は日夜、そういう奴らを消すために訓練している秘密結社の一員だ。
まだまだひよっこだが、他の誰にも真似できない特技を持っている。
それが、奴らの急所を的確に突く呪いの一撃だ。
これまで数多くの粛正対象に地獄を味わわせてきたそれが、俺の唯一にして最大の武器。
この特殊能力があったおかげで、闇の中に生きる秘密結社への勧誘を受けられたと言ってもいいだろう。
しかし、世界は広い。
世の中には、俺の想像もつかないような力を持った猛者たちがいる。
それを、この組織に所属して初めて痛感した。
最強だと思っていた俺の必殺技がまるで児戯のように思える絶技の数々。
それを磨いてきた先達の、何と偉大なことか。
腐ってばかりもいられないと、今日も今日とて訓練の日々だが、いまだ彼らのような高みへ手をかける兆しすら見えない。
「おい、何を一人でたそがれてんだ、タンスの」
はっ!
貴方は、己の肉体だけで奴らの命を次々と絶ってきたレジェンド……絹ごしさん!!
「よせよ……あんなのはただの偶然だ。まさか、俺の角っちょにぶつかって死ぬバカがいるなんて、誰も思わねぇさ」
それでも貴方は我々『角っちょ』の中でも群を抜いて優秀な、奴らを一撃でしとめるタイトルホルダーじゃないですか!
やっぱり、今年も狙っていくんですか?
「バカ野郎。殺しにいいも悪いもねぇ。それに、人殺しは狙うもんじゃねぇぞ」
と、いうと?
「待って、待ち続けて、チャンスを逃さない。それが、漢の角っちょ道だ。違うか?」
さ、さすがです絹ごしさん!
俺の『足の小指つぶし』なんて、まだまだだな。
いつか俺も、絹ごしさんみたいな『豆腐の角っちょに頭をぶつけて死ぬ』って伝説を、残せますか!?
「……お前は新人だが、いい技は持ってる。焦らず、じっくりやれば、いずれは俺を越えることもできるだろうさ」
お、俺が?
そんな、絹ごしさんを越えるなんて、組織の二位にいる木綿さんくらいでしょう?
「はっ……あいつも俺も、年とプライドだけを重ねちまった。次代を担うのは、お前みてぇな若い力だよ」
絹ごしさん……。
世の中には粛正すべき絶対悪が存在する。
生きているだけで罪であり、存在そのものが許されない生き物。
俺は日夜、そういう奴らを消すために訓練している秘密結社の一員だ。
まだまだひよっこだが、他の誰にも真似できない特技を持っている。
それが、奴らの急所を的確に突く呪いの一撃だ。
これまで数多くの粛正対象に地獄を味わわせてきたそれが、俺の唯一にして最大の武器。
この特殊能力があったおかげで、闇の中に生きる秘密結社への勧誘を受けられたと言ってもいいだろう。
しかし、世界は広い。
世の中には、俺の想像もつかないような力を持った猛者たちがいる。
それを、この組織に所属して初めて痛感した。
最強だと思っていた俺の必殺技がまるで児戯のように思える絶技の数々。
それを磨いてきた先達の、何と偉大なことか。
腐ってばかりもいられないと、今日も今日とて訓練の日々だが、いまだ彼らのような高みへ手をかける兆しすら見えない。
「おい、何を一人でたそがれてんだ、タンスの」
はっ!
貴方は、己の肉体だけで奴らの命を次々と絶ってきたレジェンド……絹ごしさん!!
「よせよ……あんなのはただの偶然だ。まさか、俺の角っちょにぶつかって死ぬバカがいるなんて、誰も思わねぇさ」
それでも貴方は我々『角っちょ』の中でも群を抜いて優秀な、奴らを一撃でしとめるタイトルホルダーじゃないですか!
やっぱり、今年も狙っていくんですか?
「バカ野郎。殺しにいいも悪いもねぇ。それに、人殺しは狙うもんじゃねぇぞ」
と、いうと?
「待って、待ち続けて、チャンスを逃さない。それが、漢の角っちょ道だ。違うか?」
さ、さすがです絹ごしさん!
俺の『足の小指つぶし』なんて、まだまだだな。
いつか俺も、絹ごしさんみたいな『豆腐の角っちょに頭をぶつけて死ぬ』って伝説を、残せますか!?
「……お前は新人だが、いい技は持ってる。焦らず、じっくりやれば、いずれは俺を越えることもできるだろうさ」
お、俺が?
そんな、絹ごしさんを越えるなんて、組織の二位にいる木綿さんくらいでしょう?
「はっ……あいつも俺も、年とプライドだけを重ねちまった。次代を担うのは、お前みてぇな若い力だよ」
絹ごしさん……。
人類に仇なす秘密結社『角っちょ』について詮索しないでください。
もちろん、私に聞いてもわかりませんのであしからず。




