1199回目 2022/6/25
主人公が拳銃か何かで『弾丸』をぶっぱする予定でした。が、過去の因縁を『15分』で練り上げるにはお題がわかりづらかったように思います。
一回目
お題『おいでよ葬式』
必須要素(無茶ぶり)『弾丸』
文字数『880文字』 未完
タイトル『惜しまれない葬式』
人間の徳って、死んだ後に試されるんだなと教えてくれた人がいた。
その人は今、棺桶の中で青白い顔をして鼻や口に綿を詰められ静かに眠っている。
「おーい、たりぃぞ! 飯とか出てこねーの? 飯!!」
「はぁ? 香典袋? 知らねーし、家にあったの祝儀袋だけだからこれでいいじゃん、もう!」
「あっれー? 君、がっつり私服で来てんじゃん。葬式なんだから礼服くらい来たらー?」
「そういうあんたも、黒要素ゼロの服で何言ってんの? まぁ、あのクソ野郎の死にざまをバカにするためなんだから、礼服なんていらないでしょ?」
「その通り!!」
対して、葬式の会場は故人の年齢からして若すぎる出席者たちが、あちらこちらで大騒ぎしていた。礼服をきちんと来ているのは遺族くらいのもので、棺の前にきては死者に罵詈雑言を浴びせたり棺桶を蹴り飛ばしたりと、やりたい放題である。
これも故人の徳なのだから仕方ないのだろう。かく言う俺も、死んだ後であのクソ教師に一言二言、文句でも言ってやらないと気が済まなかったから。
「ようやくくたばったかクソジジイ! てめぇのせいで安藤は自殺しちまったんだぞ!! てめぇみたいなヤクザ教師が病気で死んで、なんであいつは自分で命を絶たなきゃならなかったんだよ!!」
俺の前で棺を殴りつけているのは、俺と同級生の新島だった。安藤は俺たちがまだ学生時代の頃の同級生で、気が弱くても優しいやつで友達も多かった。
そんな安藤を、このクソ教師は積極的にイジメていた。同級生がやり始めたのに便乗した、なんてレベルじゃない。教師が主導で一人の生徒を心身ともに追い詰めていたのだ。
当時中坊だった俺たちは、安藤を慰めこそすれ代わってやろうとはしなかった。親身になっていたかというとそれも違うし、むしろクソ教師の標的が自分以外の人間に移ったことで安心していた。
あのヤクザ教師は、世間体を気にして学校内部の情報を秘匿し続けた校長の方針に便乗し、体罰も生徒指導って名目でいろんな生徒に課していた。
多分、理由はストレス発散とかだろう。//(時間切れ)
二回目
お題『あいつと友人』
必須要素(無茶ぶり)『衝撃の展開』
文字数『872文字』 未完
タイトル『友人の友人は』
「――おい、長谷川!」
「清水!? 何、どうした!?」
「ちょっと聞きたいことあるから、こっち来てくんね?!」
「わかった!! ――悪い、八島。清水んとこ行ってくるわ」
八島、というらしい誰かに手を振り、小走りで近づいてきた長谷川の手を取ってその場から離れていく。
「ちょっ?! おい!? 何だよ清水!! 足速いって!!」
「いいから、こっち来いお前!!」
早歩きになっていた自覚はあるが、歩幅の違いみたいな気遣いが出来る余裕がない。とにかく、他に誰もいないだろう場所まで行かないとと、学校の廊下をずんずん進んで化学室に長谷川を放り込んだ。
勢いが強すぎたのか、たたらを踏んでこけそうになった長谷川は苛立ちのこもった視線と唾を飛ばしてくる。
「いきなり何すんだよ! 何回か転びそうになったぞ、マジで! 怪我でもしたらどうしてくれるんだ?!」
「お前、さっき誰と喋ってたかわかってんのか!?」
長谷川にとっては俺の行動が理不尽に映ったのだろうが、こっちはこっちで怒鳴られる様な事をしたなんて思っていない。
むしろ助け舟を出した側として感謝されてもいいくらいだ。後で飯でもおごってもらわないと割に合わない。
「はぁ? 誰って、八島だろうが。同い年のクラス委員だったバカ真面目な奴。それがどうした?」
「どうした? どうしたっつったか? 逆にこっちが聞きてぇよ。お前、どうしちまったんだよ?」
「あのさぁ、さっきから変だぞ清水。もしかして、あいつとなんかやらかしたのか? だったら一緒に謝ってやるから、とりあえず八島のところに戻ろうぜ」
「――絶対にダメだ!!」
無理やり連れて行こうとしたのか、俺の手を握ろうとしていた長谷川の手から逃げ、またこちらが手首をつかみ返して力を込める。
「いっ!? ってぇな!! 何すんだよ!!」
「もう会話が通じないなら黙ってついてこい! 帰るぞ! 今すぐに!!」
「帰るって……おい! 八島はどうすんだよ!?」
「知るか!! ほら、さっさとこい!!」
それ//(時間切れ)
この短編は時間帯が『深夜』で、清水・長谷川の二人で肝試しに訪れていた心霊スポットの『廃校』で行われていた、ホラー系の流れにする予定の話でした。無茶ぶりを入れようと思ったらこういうのしか思い浮かばなかったので。




