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1198回目 2022/6/24

 この話から『直腸』はかなり無理があるのではないかと思わずにはいられません。トイレシーンでも入れればよかっただろうか?


 一回目

 お題『灰色の孤島』

 必須要素(無茶ぶり)『直腸』

 文字数『1086文字』 未完


 タイトル『灰色に塗りつぶされた島』


 灰色に染まった島を見た時、この世の終わりだと思った。


 ――言ってしまえば、運が悪かったんだろう。それだけですませてはいけない状況だったと思うけど、それでも、運が悪かったとしか言いようがなかったんだ。


 あの日、本当なら修学旅行で沖縄に行くはずだった。飛行機の中ではしゃぐ同級生を見ながら、俺はどことなくテンションに置いて行かれて少し席を離れていた。


 その時だった――頭と腹に響く爆発音が、下から上ってきたのは。


 そこからのことはよく覚えていない。気が付けば俺は地面に倒れていて、顔を上げれば灰色の世界が広がっていた。


 周りには誰もいない。クラスメイトも引率の教師も、他の飛行機の乗客もいなかった。それどころか、飛行機の姿も見られない。破片すら見つからない。


 俺がどうしてこんな場所にいるのか、訳が分からなかった。


 ただ、海水で全身がずぶ濡れになっていたことで、沖から海流に流されてきたのだと察せられた。


「だれか……ほかに、せいぞんしゃは……?」


 不思議と、海水まみれだった以外に不調はなかった。どれだけ上空を飛んでいたか知らないけど、墜落した飛行機から放り出されたのなら、それなりに重傷を負っていてもおかしくなかったのに。


 細かい疑問はどうでもよかった。今はただ、あの瞬間に居合わせた自分以外の誰かの姿を確認したかった。


 俺が独りぼっちじゃないって、実感したかった。


 そのために歩いた灰色の世界は、幻想的ではあったけど、どうしようもない現実だとすぐに理解させられた。


「――うわっ!?」


 しばらく灰色の島を歩いていたけど、結局何も見つからず誰にも会えなかった。


 途方に暮れてどうしようか棒立ちしていたところで、海の方からまた、聞こえてきたんだ。


 世界を一変させた爆発音が。


「なにが……?」


 最初は下から突き上げるように、今度は背後から追い立てるように。


 その爆発は全身を振るわせるような振動を伴って、俺と世界に叫びたてた。


 振り返ると、海面から噴煙が立ち上っていた。爆発はあそこからなのだと、嫌でも察せられた。


 そして、灰色の世界の正体も同時に知ることになった。


「まさか……海底火山の噴火?」


 灰色の化粧は細かな粒子となった火山灰。


 空を覆い尽くす鼠色の雲もまた、遠くで溶岩を吐きだす火山から噴き出た火山灰の塊なんだろう。


 火山が海の底にあるおかげで溶岩が迫ってくることはなさそうだが、代わりに細かな火山灰が呼吸の度に肺に積もっていくのだとわかり、口を手で押さえる。


 //(時間切れ)




 二回目

 お題『地獄の小説家たち』

 必須要素(無茶ぶり)『スニーカー』

 文字数『1195文字』 未完


 タイトル『地獄はきっとネタの宝庫』


 そろそろネタが尽きかけて次の仕事どうしようかな、と思っていた時だ。


 乗っていたバスが交通事故を起こして、多分自分が死んじまったのは。


「うわぁ……なんかいいネタ拾えそう!!」


 死後の世界は生きていた時に聞いたような話通りで、少しうら寂しいというか心霊スポットっぽいというか、とにかく雰囲気バリバリなところだった。


 そういえばホラーを書いたことなかったな、と記憶をさらった俺に渦巻いた衝動は、取材したい、という純粋な知的好奇心だった。


「おら、亡者ども!! 後がつかえてるんださっさと並べ!!」


「あの! 少しお話うかがっても大丈夫ですか!?」


「あぁ?! なんだてめぇは?!」


 地面はかなり歩きづらい砂利の平原で、スニーカーを履いたままでよかったと思うし、遠くにおどろおどろしい山々が立ち並ぶ光景は写真に残して描写の参考にしたい。


 だがそれよりもまず、地獄一歩手前な環境を平然と受け入れている異形の人間っぽい方からのお話を聞いてみたい!


 もう見るからに現世からやってきた感じではない、手慣れた空気を醸し出すこの人は、もしや鬼というやつではなかろうか?! 日本の妖怪の定番中の定番! エンタメ小説だとよく題材にされる不思議存在のメジャーリーガー!


 空想の中でしか存在しないとされた鬼が、今俺の目の前で動いて喋って眉間にしわを寄せている! こんな機会を逃して小説家が勤まるだろうか?! いや、こんな大チャンスを逃すやつがいたら作家なんてやめちまえ!!


「色々聞きたいことがあって迷うんですけど、特にあなたのことが非常に興味深いところではあるんですけども!! まず確認しておきたいのですが、俺はもう死んだのでしょうか!? 亡者って奴なんでしょうか!?」


「そうだよ! っつかやけに生き生きしてる亡者だな、死んでるくせに」


「うぉっふぉぉ!! 亡者!! 俺今マジ亡者!! ウケる!! ツボに入る!!」


「……なんだこいつ?」


 俺が書いてきたのってほとんどサスペンス物がほとんどだったけど、今ならファンタジー系の作品も手を出せそうな気がしてきた! 死人を経験した作家なんて早々いないぞ!! これはネタになる!!


「そ、それでそれで!! もしかしてとは思ったのですが、あなたはかの有名な鬼というやつでしょうか!?」


「……そうだけど」


「いょっほぉ!! 生!! 生鬼!! 絵とか想像図以外で初めて見た!! 和製UMAここにあり!!」


「…………誰か担当、変わってくれねぇかな?」


 何故か鬼との距離が離れていくのですかさず距離を詰める。逃がさない、こんな取材がいのある人(?)滅多にいない!! 絶対逃がすもんか!!


「俺、こう見えて物書きをしていまして、知らない事や不思議なことは調べたり見聞きしたりして小説に落とし込みたいんですけど、」//(時間切れ)


 もし仮死状態とかになって『地獄』にお試しでいけたら、すっごい貴重な体験としてネタになりそうですよね。大昔に小野(おのの)(たかむら)って人は地獄を行ったり来たりした経験があるらしいですが、実際はどうだったんでしょうね?


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