1187回目 2022/6/13
自分で無理やりお題と無茶ぶりを繋げておきながらなんですが、『正月』ってなんだっけ? と思ってしまいました。何だコレ?
一回目
お題『簡単な正月』
必須要素(無茶ぶり)『くさや』
文字数『902文字』 未完
タイトル『グレードダウン正月』
除夜の鐘が百八つを衝いたころ、我が家では真っ暗で肌が凍り付きそうな空の下、庭に出した七輪を囲んでくさやをあぶっていた。何故だ?
「……親父。うちはいつから怪しい宗教儀式を正月にやるようになったんだ?」
「日付が変わって去年の話になるんだが、ちょっと仕事が少なくなってお給料が減っちまってな」
「毎年用意していた年越しそばもおせち料理も準備できなかったんだよね」
「……お袋、それとくさやと何の関係があるんだよ?」
『年越しそばとおせち料理の代わり?』
「七輪のくさやを庭であぶることが?」
この両親の思考回路が理解できない……。
そばが食えないのもわかる。おせちがないのもわかる。別に今さら説明されなくても、親父が結構な日数家にいたこと知ってるし、秋口あたりから節約志向がひどくなっていったのも肌で感じてはいた。
だからって、くさや? なんでそうなる? ちらっと見たビニールの袋には『高級くさや』って書いてあったが、金をかけるところを間違えてないか?
このデカくて臭い魚を三匹も用意できるんだったら、年越しそばの代わりにカップ麺くらい買えたんじゃないだろうか? 元からおせちなんて贅沢を言うつもりはなかったから、余計にくさやの存在が許せなく思えてしまう。
食ったことないし、臭いし、何より真冬の深夜が寒いし。
ってか俺、なんでこの両親に付き合って庭まで出てるんだ? 火力調整してんの親父だし、うちわで煙を仰いでいるのお袋だし、俺ってただ横で突っ立ってるだけじゃね?
これなら焼けるまで家の中にいてもいいだろ? ってか中に入りたい。暖房で冷えた体を少しでも温め直したい。
「俺、家の中戻ってもいい? っつか戻る」
「ダメだぞ! 何を言っているんだ!」
「そんなことしたらせっかくの正月気分が台無しじゃない!」
「親父とお袋の正月観がさっぱり理解できねぇんだが?」
そもそも俺たちがやっている儀式に正月らしさはゼロだよ。どこをどう言い繕ったところで正月を楽しんでいる様子には見えねぇよ。
「あほらしい……魚が焼けたらまた声かけてくれよ。あとかたづけ」//(時間切れ)
二回目
お題『魅惑の教室』
必須要素(無茶ぶり)『ギャング』
文字数『860文字』 未完
タイトル『夜の臭いが強すぎる』
通信制高校や夜間高校に通う学生は、大なり小なり訳ありなことが多い。
年齢層も意外とばらける。現役高校生と同じ年代の子もいれば、お年寄りや妊婦だって通うことがある。
十代の子だと、だいたいがイジメ問題にぶち当たって全日制に通えなくなった子が多い。反面、六十代以上になると経済的な理由などで高校に進学できなかった人が多くなる。
それでも高校に集まった学生達は皆、高校を卒業したくて入学を希望し、授業を受けている。そこに年齢や性別、もちろん貴賤はない。
学びの機会は誰にでも平等に与えられている。少なくともこの国では、そういうことになっている。
「えー、つまりこの数式は――」
さて、俺はそんな訳ありが多く通う夜間高校の数学教師であるわけだが、ちらりとホワイトボードから振り向くと……何とも言えない濃い生徒たちが机に座っていた。
教卓から見て真正面の最前列に陣取っているのは、どこの組の者ですか? と問いたくなるくらいのこわもてさんだ。年齢は34歳。右手の小指がなく、頬には明らかにヤバイ感じがする大きな切り傷の痕が残っていた。
一番廊下側の列の真ん中には、服装からして色気がすごいキャバ嬢らしき女性が物憂げなため息をこぼしている。年齢は22歳で、いくらお願いしても胸がばっくり開いたドレス以外の服装では登校してきてくれない。学校の前後に仕事を入れているらしく、見逃してくれの一点張りだった。
一番窓側の列の最後尾にも一人いる。真っ黒なスーツで授業中は常にこちらを睨みつけてくる、こわもてさんのお仲間さんらしき人。年齢は45歳で、常に挑発的にガムを噛んで大人しく授業を聞いている。
そして、廊下側から二列目の最後尾には女性にしては大きなカバンを持って登校してくる女性だ。年齢は28歳で、いつもにこやかに接してくれる分気安いところはあるものの、振る舞いがどうしても夜の人特有なのがわかってしまう。
俺が受け持っているクラスはこの四人だけ。ヤクザと風俗関係が一対一の割合という恐ろしい//(時間切れ)
今さらですけど『ヤクザ』っぽいのと『ギャング』って別物ですよね? なんか慣れないことした上にとんだ勘違いをしてしまったみたいで、恥ずかしくなってきました。




