1180回目 2022/6/6
お題を『レーザー治療の保険』として書きました。他にも逆まつげ修正とかワキガ治療(ただしせん除法のみ)なども保険が適応されるそうですよ。
一回目
お題『光の保険』
必須要素(無茶ぶり)『美容整形』
文字数『871文字』 未完
タイトル『美容整形の保険』
「おはよー」
「おはよう……あれ、なんか美紀、雰囲気変わった?」
「わかるー? 実は整形してみた」
「ええっ?!」
朝、登校してきた隣の席の美紀に何気なく話を振ってみたら、とんでもないカミングアウトをされてしまった。
中学生で美容整形? な、なんてリッチな……。
「だ、大丈夫だった? お金とか、費用とか、診察代とか!」
「それ全部お金じゃん。まぁ、一応は何とかなったかな。保険きいたし」
「保険きくんだ!?」
衝撃の事実! だったら私も、脂肪吸引とかしたい! 特にお腹周りとか二の腕周りとか!!
「って言っても、私の場合たまたま相談したら保険適応内だった、ってだけだからね。美容整形で保険がきく施術って、そんなにないからって先生も言ってた」
「あ、そうなんだ……残念」
「だよねー。私も最初聞いた時は期待したんだよ? 二重まぶたにしたいとか、鼻を少し高くしたいとかね」
冗談めかしていう美紀の顔を、もう一度じっくり観察してみる。
前から明るかった美紀だけど、整形してきたと語った美紀はもっと明るくなったと思う。綺麗になった、って素直に言っていいんだろう。それくらい、雰囲気が良くなった。
でも、具体的にどこが変わったのか、まだ私は気づけていない。どこだろう、違和感みたいなものはずっと感じてるはずなのに……あ。
「美紀。整形って、ほくろ?」
「ようやく気付いた? そうだよ、ほくろの除去。レーザーで焼いてもらったんだ」
上機嫌で自分の顔を指さす美紀は、まるで長年のつかえがとれたように笑みを深めた。
言われてみれば、どうしてすぐに気づかなかったんだろう? 美紀は中学から知り合った友達だけど、顔にいっぱいあるほくろがコンプレックスだ、って常々ぼやいていたのに。
美紀自身の明るい気質でほくろなんて気にならないくらいかわいい子だったから、気づけなかったのだろうか? 何度も指さす先に、出会った当初はあったほくろは一つもなかった。
「さすがに全部除去するのは時間がかかるから、って」//(時間切れ)
二回目
お題『軽いテロリスト』
必須要素(無茶ぶり)『出会い系サイト』
文字数『875文字』 未完
タイトル『ネテロリスト』
「――あああっ!! またやられた!!」
「どったの?」
「見てよこれ!!」
日曜日の午後にカフェで突きつけられたのはスマホ画面に映るメッセージ。
なになに……『ごめん、その日はもう予定いれちゃってて。別の日にできない?』か。なるほど、男からの誘いを断られた、と。
でも、メッセージアプリにしては何かデザインが変な――あぁ、出会い系サイトで用意された掲示板みたいなものか。
「相手に予定があったんじゃしょうがないじゃん。こういうのって女の方が割安で使えるんだから、次のチャンス狙ってけば?」
「これで五回目!! しかも決まって同じ断り文句なんだけど!!」
あー、それは脈ないんじゃないだろうか?
わざわざ出会い系サイト使っといてリアルで顔合わせするのを拒む男なんて、業者かヤリモクですらない遊び人の道楽くらいじゃないの?
「絶対カナだ! あいつ、一体どういう嗅覚してれば出会い系サイトで横取りなんてできるわけ?!」
と思っていたけど、どうやら事情がもうちょっと複雑らしい。
「は? カナ、って誰?」
「このサイトにいっつも顔を出してる暇で鬱陶しい女アカのこと!! ほらコイツ!!」
検索したのか、要注意人物としてブクマしていたのか。
さっさとカナというアカウントの自己紹介ページを見せてくれたが、まず目を引いたのがあざといを通り越して下品な写真だった。
「うわ、男狙いすぎてて引くわ……」
「でしょ?! コイツもコイツだけど、引っかかる男も男だし!!」
トップに表示されたのは胸元がばっくり開いたタンクトップと、膝上丈の黒いスパッツで運動中らしい女の写真。
顔はスタンプで下半分を消していて、スクワットの途中で止まったショットは胸もお尻も強調されている。
他にも肌色が多い写真が多く、最後にはビキニの自撮りまで載せていて肉食具合に引いてしまった。
「写真だけでも気に食わない系だけど、こいつと今回のことと何か関係してんの?」
「この女、どんな手を使ってんのか知らないけど、べつのおな」//(時間切れ)
タイトルは『ネトリ』と『テロリスト』を合成させた造語です。他の女性会員がやりとり中の男性会員にのみ介入して、出会いを横取りしまくるアカウント、という設定でした。ちょっとした超能力ですけど。




