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1178回目 2022/6/4

 作中作にあたる小説については、主人公のモノローグが語る内容から想像してください。私も再現は出来ませんので。


 一回目

 お題『彼女と即興小説』

 必須要素(無茶ぶり)『SF』

 文字数『1198文字』 未完


 タイトル『作られた彼女』


「彼女欲しいから作ってみた」


「……これでか?」


 教えられたURLを開いて、簡素なレイアウトに並ぶ文章の羅列を見た後で聞いてみると、そいつは自信満々に頷いてみせた。


「どうだ、かわいいだろう!!」


「そーだな。少なくともお前の理想は全部かなってるんじゃないか?」


 なんてったって、こいつの頭の中から出てきた二次元の彼女だしな。しかも絵じゃなくて文章の。


 四時間いっぱい2万文字フルで書き上げた力作を突きつけられて、もはやこっちはすでにお腹いっぱいだ。


「っつか、何で世界観がSFっぽいんだよ? 彼女作りたくて恋愛したいだけなら、普通に現代のここで作ればよかったじゃねぇか」


「お前、わかってないな。学園ラブコメって、書いてみたら意外と難しいんだぞ? 俺の場合、SFの方がしっくりきたから消さずに残してるんだし」


「え。こんなもんを何作も書いたのか?」


「完成品のSF風の他に、学園ラブコメ、オフィスラブ、歴史もの、ファンタジーも書いたっけな? まぁ、SF以外はあんまり理想のお付き合いが出来なかったから全部消したが」


「理想って……お前の彼女、完成品の中で爆散してんじゃねぇか」


「アンドロイドの恋人って、最後は爆発するもんだろ?」


「偏見か特殊な価値観か知らんが、自分の彼女を粉々にしてやるなよ……」


 いや、最後まで読まされてビビったよ。終盤ギリギリまで中身がないいちゃラブしてたのに、ラストで急展開からの自爆オチだもんな。


 ただの未来世界でできた彼女との疑似恋愛を楽しんでたのかと思えば、最後の最後でアンドロイド設定だして主人公=自分を守るために爆散させるのが理想って……そりゃリアルの女は無理だわ。


「つまり何か? お前の理想の女って、自分の危機を捨て身で守ってくれて最後は散り散りの肉片になってくれる女の子、ってことか? 引くわ」


「失礼な!! さすがに生身の子に爆死してくれなんて望んでいるわけないだろ!!」


 生身じゃなかったら爆死もアリなのか……理想ってか性癖がやべぇ。


「お前さ、書くならせめてもっとノーマルで純愛的な物はできないのかよ? 途中までは高校生の妄想っぽかったのに、最後で台無しになってたぞ。物語的にも妄想的にも」


「失礼な! 俺はちゃんと理想の最後を迎えていたじゃないか! 死が二人を分かつまで、って奴を!」


「一人だけ生き残って別の女に慰められてたアレが理想かよ」


 コイツの即興小説だとヒロインは爆死したアンドロイドだけだったが、他にも名ありのキャラクターが複数いて、手作りの墓の前で主人公=コイツと一緒にそれまで出てきた全女キャラが勢ぞろいして泣くシーンがあって、俺はドン引いた。


 何が引いたかって、男キャラも複数いたはずなのにヒロイン爆死から影も形もいなくなったところだよ。友達多い設定だったのに、//(時間切れ)




 二回目

 お題『不思議な善』

 必須要素(無茶ぶり)『ヨーヨー』

 文字数『896文字』 未完


 タイトル『愚かで善いこと』


 善行ってなんだろう?


 お人好しのせいで何人もの大人に騙され、何人もの大人に助けられてきた父親を見続けて、いつも私は考えていた。


「お父さんは優しいけど、バカだからなぁ」


「危なっかしくて、ついつい手助けしちゃうんだよ。これもまた人徳って奴じゃないかな? あ、人徳ってわかる? 俺もわからないから、後で辞書でも引いてね」


 助けてくれた大人に聞いてみたら、ほとんど――全員が不格好に笑って答えてくれた。


 私の父親は優しくてバカで、人の助けがないと死んでしまうほどダメ人間らしい。それでも、私が生まれてくるまで生きていて、お母さんと結婚して、私がこんなことを考えられる年齢になるまで死んでいない。


 人徳……そういうものなのだろうか? 私にはよくわからない。父親は他人には優しいかもしれないけれど、家族にはあまり構ってくれる人ではなかった。


「由奈ちゃん、一人で遊んでるのか? あー、息子のおさがりだけど、使うか?」


「いっつも同じ服じゃ不便だろ。俺んところの娘の服、今度持ってきてやるよ」


 その分、父親を助けてくれる人に私も助けてもらっていた。


 トランプとかヨーヨーとかけん玉とか、アナログなおもちゃが多かったけど遊ぶものももらっていたし、他人の臭いと消臭剤の臭いがいっぱいだったけど服も色々もらえた。


 嬉しかったかと言われれば、ちょっと微妙だったと思う。もらった分だけ、奪われるのも早かったから。


「すまん、またやっちまった……」


「――ふざけんな!!」


 父親とお母さんのケンカは何回も見てきた。子どもの頃は意味が分からなかったけど、少し年を取れば『連帯保証人』の意味がわかって、ほとほと呆れたのは忘れられない。


 父親が騙されるのは、そのほとんどが借金の『連帯保証人』になるケースだった。他人の借金を押し付けられて、他人は逃げたのに父親は逃げずに他人の金を返していた。


 そのうち、借金取りの人とも知り合いになってしまった。数日前に借金を返済したと思ったら、また同じ家に借金取りに来たオジサンたちの苦労がしのばれたし、私の苦労も察してくれた。//(時間切れ)


 お題からしてまともな『善』っぽいことは書けなかったので、ひねったことをやらないとと変に頭を使いました。正解はいまだわかっていません。


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