1176回目 2022/6/2
歩きスマホは本当に危ないので、外出時は注意していきましょうね。運が悪かったら『アルパカ』に絡まれますよ。
一回目
お題『暗いアルパカ』
必須要素(無茶ぶり)『靴紐』
文字数『1234文字』 未完
タイトル『アルパカにたかられてるなう』
ドンッ!
「いてっ」
「――おい、どこ見て歩いてんだてめぇ」
うわ……よりにもよってヤンキー系かよぶつかったの。歩きスマホしてたバチが当たったか?
「えぇっと、すみま、せ……」
「そっちからぶつかっておいて、ごめんなさいもまともに言えねぇのか、あぁ? ごめんで済んだら警察はいらねぇんだよ!!」
じゃあ素直に謝っていてもどうせ怒鳴られるんじゃ……いや、そんなことはどうでもよくて。
アルパカ? え、学ラン着たアルパカ? 頭がリーゼント風になったアルパカ? マジで俺、何とぶつかったのこれ? UMA?
「んだ、ガンくれやがってよぉ? やんのか、コラ?」
「あ、いえ、その……」
つぶらな瞳が剣呑に光ってらっしゃる。耳が、耳がピコピコ動いているのは、どんな感情表現なんだ? 怒りか? 怒りなのか?
ってか、目を合わせたらケンカを吹っ掛けられるのか。ニホンザルみたいなシステムなんだな、学ランアルパカの世界……学ランアルパカって何?
「す、すみませんでした」
「……はぁ、いって」
「え?」
「これ、折れたかもしれねぇわ。てめぇとぶつかった時だなー、これ」
うわ……なんて古典的な。今どきいるんだ、古き良き当たり屋の手法で因縁つけるヤンキー。
いや、ヤンキーはヤンキーでもアルパカだから、ヤンキーアルパカの世界では最新の手法なのかもしれない。昔のブームが一周してまた流行るとかよく聞くし。ヤンキーアルパカ?
待て待て、落ち着け。俺は今、非現実的な状況に立たされて混乱しているんだ。棒読みで痛がっているヤンキーアルパカの言い分はまだ続きそうだし、少し落ち着いて相手を見てみよう。
……アルパカだよ。二度見しても急いで見てもじっくり見てもアルパカだよ。アルパカが詰襟を着崩して腰パン……腰パン? してわざとらしく痛がってるよ。
しかし、こうして近距離で見ると白色のアルパカでも毛って灰色っぽく汚れてるんだな。詰襟の黒が明暗をよりはっきりさせてるからか、ヤンキーアルパカの体毛がよけい暗い印象を受ける。
動物園から逃げ出した可能性がわんちゃんありそうだが、人語を介するアルパカがニュースにならないはずがない。ってかこの状況、だれか警察に連絡してくれてるよね? ヤンキーじゃなくてもアルパカが町中を歩いているのは普通に事件ですよ。
そうだ、今までアルパカインパクトが強すぎてスルーしてたけど、このアルパカなんで喋ってんの? そしてついでになんで性格がヤンキー仕様? どういう設計思想をしたらこんな怪物が世の中に生まれてくるの?
……あ、今気づいたけどこのアルパカ、四足全部に靴はいてやがる。高原動物のくせに生意気な。
「おい、てめぇ!!」
「――あ、はい!!」
じっくり観察しすぎたらしく、だいぶヤンキーアルパカの話を聞き逃していたみたいだ。
顔を上げると、鬼のような形相? で見下ろすながいk//(時間切れ)
二回目
お題『運命のぷにぷに』
必須要素(無茶ぶり)『イギリス』
文字数『1076文字』 未完
タイトル『ぷにぷにした家族』
「……なんだこれ?」
イギリスに単身赴任していた親父から荷物が届いたと思ったら、冷凍便でジェルクッションが届いた。
多分、ジェルクッションだと思う。両手で抱える大きさの段ボールいっぱいに詰め込まれた丸っこくてブルー色をしたそれは、控えめに言ってゲームに出てくるスライムのようだから。
にしても、何故ジェルクッション? しかも冷凍して? 熱に弱いんだったら冷蔵便でもいいんじゃ? なんて首をひねりながら漬物石みたいに固まって冷えたジェルクッションを取り出す。
と、そこの方に手紙らしきものが同封されていた。ジェルクッションをわきに置き、手紙を拾うと俺宛てで、筆跡も親父の物に似ている。ってか親父だろう。昔から変な癖字があったからな。
「なになに……『これを連れて逃げろ』?」
あからさまに意味深な手紙だな、おい。めっちゃ走り書きできったないし、それ以外の説明一切書いてないし、『持って』じゃなくて『連れて』ってすでに親父の中で愛着わいてるし。
何なの? このクッションがそんなに大事? なら自分で抱えて逃げればいいじゃん。
昔から変な研究に没頭する仕事人間だったし、家族を顧みるような殊勝な心掛けなんかないと思っていたけど、っつかないから母さんに三下り半を突きつけられたわけだけど。
久しぶりに連絡を取る一人息子に送りつける荷物が厄介ごとって……。
「マジであのクソ親父、どういう神経してやがんだ?」
「(ぷにん)」
「あー、いいよ慰めなくて。昔から親父はそういう人間だったから、もう諦めてるし」
「(ぷにょんぷにょん)」
「……別に、期待なんかしてねぇし。むしろ、親父の人間性を再確認できてよかった、っつう、か……」
あれ?
俺は今、何と話して何に慰められてる?
「(ぷるぷるん)」
「――どおおぉぉぉっ?!?!」
あぐらをかいて座っていた俺の膝に、ぷにぷにひんやりとした感触がさっきからしていた。
それから急速に脳が現実を許容していき、思いっきりビビリ散らかして叫ぶ俺。
「え?! ジェルクッション?! 動いて?! ってかさっきまで凍ってたんじゃ?!」
「(ぷにょん?)」
「いや、首……首? かしげられても……」
本体の丸っこいブルーボディから首のように伸ばした突起が、器用に小首を傾げるように傾けられたから思わず突っ込む。
間違いない。俺の目の前で、やけに人間臭く動いている親父からの厄介ごとが、自分の意思? で動いている。
っつか、今までの俺の言葉、わかって//(時間切れ)
お題のせいもあって、洋画ハリウッド並みに壮大な展開を想定しながら書いていた気がします。短編なのに。




