1165回目 2022/5/22
リアルな『ダンス』か、ファンタジー寄りの世界で『ダンス』か迷いましたが、『くさや』を出されたら日本でやるしかないでしょうが。
一回目
お題『君とダンス』
必須要素(無茶ぶり)『くさや』
文字数『975文字』 未完
タイトル『パートナーは一人だけ』
……う~~~~ん。
「お土産、これでいいかな?」
「やめときなさい。相手次第じゃ絶交ものだから、それ」
せっかく遠くの町まで来たんだからと、土産物屋に足を運んで見つけたくさやを見せたら秒で却下された。美味しいって聞いたことあるのに、ダメなのか。
「そういう香苗は何を見てるんだよ?」
「深海魚の干物だって。美味しいのかな?」
「センスは俺とどっこいどっこいじゃねぇの?」
「失礼な。正樹よりはマシでしょ」
たぶんだけど、どんぐりの背比べじゃね?
「っつうか俺ら余裕だな。練習とかしなくていいの?」
「誰かさんが日時を間違えて前乗り出来ていたら、空いているダンススタジオを探して練習もできたかもね」
「……だからってもう土産選びとか、余裕出し過ぎじゃね?」
「余裕なんじゃなくて達観してるだけ。今さらじたばたあがいたところで手遅れでしょうに」
「はー、俺のパートナーは豪気なことで」
「私のパートナーは奔放すぎてどうしようもないけどね」
うるさいなー。
「で、結局お土産、どうすんの?」
「干物でいいんじゃない?」
そうして俺たちは深海魚の干物を買った。
「さて、ちゃっちゃと終わらせて美味しいグルメでも食べに行こうぜ」
「大会を無事に終わらせてから言いなさいっての」
ワックスで髪を撫でつけ、衣装をかっちり着こなした俺と、同じようにおめかしした特注ドレスを着た香苗。
一応、俺たち正樹・香苗ペアは今の社交ダンス界では日本でトップに立っている。簡単に抜かされるつもりはないが、かといってトップに執着する気もない。
お互いたまたま親が社交ダンスやってて、同じダンスクラブに通い、入会した時期が同じだったからペアを組んだだけだった。
まさかこの年齢までペアを解消せずに続けられるとは思ってなかったけど。
「そんじゃま、今日も楽しんで踊ろうぜ」
「格好つけてるところ悪いけど、そろそろ私をうまいことリードしてよね」
「手厳しいなぁ……香苗はステップ早すぎんだよ」
他の出場ペアと共にダンスフロアへ入場する。飽きるほどエスコートした手は、相変わらず細くてたくましい。
「勝つか?」
「当然」
そうして香苗は、強気な目をして俺を見返し、音楽が鳴ると同時にプロの顔になった。//(時間切れ)
二回目
お題『求めていたのはあの人』
必須要素(無茶ぶり)『100字以内』
文字数『100文字』 完結
タイトル『父』
母子家庭で育った私は、いつも父親の姿を求めていた。
「私たち、結婚しようと思うの」
突然のことに戸惑ったが、精一杯笑って見せた。
「おめでとう、お父さん」
二人目の父は、オネエだった。
もっとうまくやれたんじゃないか? 私は今でもそう思います。




