1153回目 2022/5/10
『穢獣』設定の元ネタは『蟲毒』とか『犬神』とかそこら辺の呪術ネタですね。それが自然発生しバタフライエフェクト並みに大きくなったのが『穢獣』のイメージです。
一回目
お題『不幸な葬式』
必須要素(無茶ぶり)『人間使用不可』
文字数『831文字』 未完
タイトル『穢獣』
この日、一匹の狐が車に轢かれて死んだ。
骸は長い間路上に放置され、別の狐が加えて移動させるまで野ざらしにされていた。
死んだ狐を回収した狐は、所縁があったわけではない。同情したわけでもない。
ただ知っていたからだ。
死の前後に恨みを膨らませた獣の魂のおぞましさを。
「……は? 葬式すんのか? 穢獣だろう?」
「まだなりかけだ。早く鎮魂を行えば、完全な穢獣になる前に抑えられる可能性がある。やるしかない」
「ちっ! 人間の不始末を、どうして我々がやらねばならないんだ!!」
「仕方あるまい。無知蒙昧な生き物に道理を説いたところで、理解できる頭がないのだから」
話し合っているのは狐とタヌキ。人の目から逃れながら長い年月を生き延びた妖怪の類だ。
憤る化けタヌキを宥めつつ、化け狐はくわえてきた穢獣の気配を漂わせる狐の死骸を丁寧に岩の上に置いた。
穢獣はこの世に厄災をもたらす怨念の塊であり、妖怪たちの間でも忌み嫌われる自然災害の一種だ。
かつて自然信仰をしていた人間たちも知っていたはずの存在は、時代の変化により概念ごと忘れ去られてしまって久しい。
一部の動物を使った呪いで穢獣の気配を滲ませる術が後世に残ってはいるが、弱く薄めた穢獣を道具として使っていた事実から穢獣の脅威を正しく知る人間は皆無に等しい。
それこそ、正しく穢獣の脅威を知るのは長く生き残ってきた妖怪やその子孫のみ。さらに正しく穢獣を無力化する術を知っているのもまた、妖怪たちのみであった。
「今回の被害獣は狐だ。我々の一族を一匹でも多く集めるが、他の種族に関しては手が回らないかもしれない。そちらは頼んだぞ」
「ちっ! なんで狐なんぞの言うことを聞かねばならんのか……」
化け狐の指示に文句を言いつつも、化けタヌキはすぐに行動へ移す。
穢獣の災害は人間はもちろんのこと、獣や妖怪たちにも害を及ぼす。それは病気で逢ったりさ//(時間切れ)
二回目
お題『情熱的な結末』
必須要素(無茶ぶり)『バツ印』
文字数『1370文字』 未完
タイトル『友達のバツ印』
「え」
朝、登校したら私の下駄箱にバツ印がつけられていた。
自分で名字を書いたネームプレートに、でかでかと赤ペンで。
「……ハブられてる?」
首を傾げて昨日の行動を思い出してみる。誰とも喋った記憶がない。
そうか! 私は友達がいないんだ! コミュ障だから!
「すごい、私、友達いないのにハブられた」
謎の感動が私の胸に湧き上がる。いや、本当に謎の感動が。
私は友達がいない。というか、作るのがめちゃくちゃ下手だ。初対面の人と喋るのがまず無理で、自分の中でだいぶ長い間慣らし運転が必要になる。
そこからも、自分の気持ちを正直に伝えるまでにしばらく時間がかかるから、予備期間として最低でも半年は心の準備とコミュニケーションアイドリングが必要になる。
だから、高校に進学してから二か月じゃ昔からの友達以外とは話せていないに等しい。まだまだ家族や友達以外の人と話すのは、怖いというか緊張するから。
でもこのバツ印は、私を仲間外れにしようとしている証拠だろう。どうポジティブに考えても、お祝いされている雰囲気は微塵も感じない。
普通なら落ち込みそうなところだけど、今の私からしたらこれは救いのメッセージになる。
仲間外れにされようとしているってことは、逆に考えたら私には仲間がいるってことになる。
つまり、この学校には私の友達になってくれる人の候補がいる!
「――うん、頑張ろう!」
多分、このバツ印は私にいい感情を抱いていない人の仕業だ。逆に私には仲間がいると教えてくれている証拠でもある。
ずっとこのままにしておくのは見た目が悪いけど、自分を応援する意味でもしばらくこのままにしておこう。赤ペンだから、何もしなくても消えないだろうし。
納得したところで、下駄箱から上履きを出して靴を履き替える。そちらには特に何もされていなかった。今度からは何かされるかもしれないし、上履きも外履きも鞄の中に入れて行動しよう。
教室に向かって、自分の席に座る。こっちにも何かされた形跡はなし。ちなみに誰からも話しかけられる気配なし。
大丈夫。今は友達がいなくとも、友達候補がこの学校にいることはすでに分かっている。待つのは得意だ。気長に立候補してくれる時に備える。
……でも、やっぱり友達作りって自分から行動を起こさないとダメだよね。
面と向かってのお喋りはやっぱり難しいから、筆談とか? いやいや、誰かに見られながら何かをやる、っていうシチュエーションだけでも緊張しちゃうし。
あらかじめ私が話したいことをメモしておいて、状況に応じて相手に見せてみるとか? うーん、臨機応変さには欠けるけど、その場で筆談するよりはマシ?
でもでも、そんなことしておしゃべりする人、クラスにいないし。よく考えたら多分私が試さなきゃ学校中で筆談なんてする人いないだろうし、悪目立ちするかな?
今の状況は、私が何もアクションを起こさなさ過ぎて空気みたいなポジションにいるんだろう。そこにいるけど、意識しない人、みたいな。
それがいきなり、長い文章を書いた紙を見せてきたらどう思う? 怖いよね。うん、私が筆談の紙見せられても怖いと思うわ、普通に。
やっぱりダメか……でも、じぶんかr//(時間切れ)
ちゃんとネガティブなものだと理解しつつ、ポジティブ寄りな考えに変換してみました。お題に近づけるには、ここからラブコメの展開に持って行くしかなさそうですけど、時間が足りなかったですね。




