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1144回目 2022/5/1

 原始時代っぽいファンタジー世界をイメージしつつ、『初めての宗教』が発明されるまでを書こうとした結果です。もちろん、『15分』じゃ無理がありましたね。


 一回目

 お題『初めての宗教』

 必須要素(無茶ぶり)『5000字以上』

 文字数『1353文字』 未完


 タイトル『二足歩行で複雑な鳴き声を出す獣』


 人間と獣の違いは何か?


 集団で獲物を追い詰め殺して食らう仲間を見ながら、いつからかそんなことばかり考えるようになった。


「はぁ? そんなこと聞いて、腹が膨れるのか?」


「くだらないことに頭を使うんなら、新しい罠の一つでも作り出したらどうだい?」


「赤毛の二十なんかすごいぞ! 槍の先にこう、尖った部分を作って獲物に刺した後なかなか抜けない武器を作り出したんだ! あいつは天才だよ!!」


 俺がその問いを投げかけると、仲間は決まって『腹の足しになるのか?』と聞いてくる。仲間には食欲と睡眠欲と性欲しかないように見えた。


 だったら獣と人間は何が違う? 武器を使うことか? 武器を生み出すことか? 集団でコミュニケーションを取って獲物を殺す知恵があることか?


 いや。それだけなら他の獣にも同じことが出来る動物は存在する。獣らしくない人間らしさがそこにはない。


 食料も、寝床も、異性も、全部力づくで奪うしか知らないケダモノ。そこに獣との境界線はあるのか?


 どこにもない。ただ頭を使うことが上手いだけの獣だ。


 人間は獣だ。


 それ以上でも以下でもない。


「……はぁ」


 狩りをサボって、近くの平原に寝ころびながら空を流れる雲を見る。


 俺の中で結論は出た。人間は獣。言葉をしゃべるだけのケダモノ。


 答えが出たら、もっとすっきりするものだと思っていた。逆だった。もやもやはもっと深く濃くなるばかり。


 納得できないのか? まぁ、納得できていないんだろう。


 獣から話を聞けないのがどうにも悔やまれる。獣ともコミュニケーションを取れたら、もしかしたら人間との違いがわかるかもしれないのに。


 それに、俺は自分が獣の仲間だと思いたくなかった。同じ体と言葉を持つ獣の集団に身を置いているのだと理解したら、途端に疎外感を覚えたんだ。


 多分、俺は自分のことを人間だと思いたいんだ。だから、獣の中に身を置いている人間である俺が異端に思えるし、仲間がいない自分が寂しい存在に思えてしまう。


 獣だって、集団で暮らしている種族もいる。人間だって集団を形成して狩りをして、子どもをなして、安全な場所を確保できている。


 俺にだけ、『人間』の仲間がいない。姿かたちを似せた獣の中に放り込まれた俺に、世界でたった一人しかいない『人間』に、何ができるというのか?


 考えても考えても、俺の頭じゃ答えも何も浮かんでこない。そうしていると、俺自身の無力さに押しつぶされてしまいそうになって、何もやる気が起きなくなるんだ。


 狩りをサボったのも、この言葉にできない気持ちのせいだ。俺は『人間』で、あいつらは獣だから、あいつらに合わせたら獣になっちまうって心配もあったかもしれない。


 俺は『人間』になりたい。


 でも、いくら考えたところで『人間らしさ』を持つための手段が、俺にはわからなかった。


「ぐうっ!?」


「おい、クソ毛の十八。てめぇ、今日の狩りをサボったな!?」


 集落に帰ってきた直後、赤毛の二十から呼び出されて殴られた。新しい武器を作り出した天才だともてはやされて、すっかりリーダー気取りでいるらしい。


 クソ毛、ってのは俺のこげ茶色を指しているんだろう。に//(時間切れ)




 二回目

 お題『箱の中のあそこ』

 必須要素(無茶ぶり)『スキンケア』

 文字数『1249文字』 未完


 タイトル『祖母の形見のオルゴール』


 オルゴールだと聞かされて祖母から持たされたのは、ちょっとした小物入れ程度の箱だった。


 女ならともかく男孫にオルゴール? と疑問に思いながらも、特に反発もせず受け取った。箱の見た目がシンプルで、男の俺が持っているのに抵抗感が少なかったのもある。


 それに何より、もう長くないと医者から言い聞かされて訪れたお見舞いの病床で渡されたら、嫌だとか言えないだろう。親からの圧力が強い視線もあったし、もらうだけもらっておいた形だ。


 小学生のころだったけど、当時の俺にとっちゃものすごい空気読みレベルを叩きだせたと思う。実際、祖母が亡くなってからも勉強机の隅に置いておいただけで、一度も触っていないオルゴールは単なる飾りでしかなかった。


「それさぁ、何が入ってんの?」


 正直、そのまま何もなかったら押し入れの肥やしになっていたか、大掃除のついでにゴミ袋の中に紛れ込んでいただろう。


 でも、祖母から渡されてから初めて日の目を見たのは、スキンケア用のパックを顔面にくっつけていた姉の言葉からだった。


「それ?」


「おばあちゃんからもらったオルゴール。あんた一回も開けたことなかったでしょ? だから本当にオルゴールかどうかもわかんないじゃん。もしかしたら、なんか高価な宝石とか入ってるかもしれないし」


「……だとしても姉ちゃんにはやらねぇよ」


「はぁー? 大事なお姉さまに貢ぐ気さえないのかねこの弟は!」


「全国の弟が姉に貢ぐの前提で話進めんなよ……」


 下心全開で貴重品を寄越せと迫ってきた姉に、当時からこんな性格だったからばあちゃんが俺に渡したんじゃねぇのか? と内心ぼやいてしまう。


 ちょうど高校の課題をしていたところでの発言だったのも、俺の姉ながら空気読めてねぇなぁと思ってしまった。常日頃から疑問に思っていたとしても、勉強中に話しかけんなよと言いたい。


 自分はさっさと大学に進学して合コンに忙しいかもしれないが、こちとら来年受験が迫ってるんだ。ある程度の有名大学は目指してるんだから邪魔すんなと言いたい。


「で? 開けないの?」


「まだオルゴールの話続けんのかよ」


「おばあちゃんから直々に渡されたものをいつまでも放置してたアンタが悪いんでしょうが。一回気になったら夜しか寝れないんだから、さっさと開けちゃいなよ」


「むしろ姉ちゃんが健康になっていい気がするから、一生ブラックボックスのままでいい気がしてきた」


 つい昨日だぞ、合コン明けの講義はかったるくて爆睡したわ、って聞いたの。姉ちゃんを目の当たりにしてしまうと、女子大生ってこんなんばっかかと幻滅してしまうからやめて欲しい。


 こちとらバリバリの思春期なんだ。まだまだ女に幻想を抱いていたい年頃なんだよ。


「屁理屈はんたーい。ってか、そんなじらしたり引っ張ったりするもんでもないんだし、さっさと開けちゃいなよ。私がすっきりしたいから」


「本当、自分勝手だよな……まぁいいけど」


 そこまで//(時間切れ)


 ちょっとファンタジー風な感じにしようと思っていましたが、主人公と姉とのやりとりで制限時間全部持って行かれました。こういう何気ない会話とか好きなのかもしれません。


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