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1121回目 2022/4/8

 音楽ジャンルの中でロックはあまり聞かない方ですので、イメージだけで書いてます。あと世界観もイメージだけで作ってます。結果、幻想しか残らないストーリーを書いてました。


 一回目

 お題『彼女が愛したあそこ』

 必須要素(無茶ぶり)『ギター』

 文字数『1308文字』 未完


 タイトル『魂にくすぶるビート』


 懐かしい場所にきた。


「あーあ、こんなに寂れちゃってまぁ」


 地下へ続く階段の前には規制線が張られている。建物の老朽化とか言われてたけど、実際はどうなんだろうね?


 もうすぐここは建物ごと壊されてなくなる。躊躇なく規制線をまたいで、少し湿気た空気もそのままな階段を下りた。


「おっひさー」


 朽ちかけた扉を開くと、ギシギシうるさい錆び音が耳をついた。ついでに鼻にはかびのツンとした臭い。おまけに埃まみれで空気も汚い。


 でも、安心感だけは変わらなかった。


「ここでよくライブ、見たりやったりしたなー」


 小さなライブハウスだったココは、もうすぐこの世から消えてしまう。無骨なステージも、誰かが遊び半分で描いたスプレーアートも、座る度にギシギシうるさかった椅子も、全部全部壊される。


 ここはロックミュージックが主に歌われてきた。堕落した音楽とか政府批判の根源とか、まぁ色々言われてたっけ。私は今でもロックはやってるけど、表立ってはできなくなったから腕は落ちてるかも。


「あれ、ユアじゃん」


「ケイゴ? わー、懐かしい場所に懐かしい顔が来た!」


 少し遅れて、一人の男がさび付いた扉を開けてきた。


 ケイゴも私と同じ、このライブハウスを中心に活動してきたアーティスト。ギターがバカみたいうまくて、一音でファンを作るような天才だった。


 残念ながら私と一緒にやってたメンバーじゃないけど、交流はそこそこしてきたつもり。


 ロックが国に潰されてからは、一度も連絡を取っていない。


「お前も見に来たのか? 明日だもんな、解体予定日」


「まーねー。原点回帰、ってやつ?」


「お前、そんな難しい言葉知ってたのか?」


「馬鹿にし過ぎ。……まぁ、ここ入り浸ってた時は普通にバカだったけどさ」


「ついでにガキだった。小学一年からアンダーグラウンドに首ツッコむとか、どんだけバカだったんだよ?」


「でもロックじゃん? そういう生き方の方が、あとあと伝説になったりするもんだよ」


「はっ……十代女子が憧れる歌姫が、聞いてあきれるセリフだな」


「そっちこそ。まだやってんの? 謎の覆面ストリートアーティスト」


「仕方ねーだろ。一回、路上でロック披露したらお尋ね者になったんだから」


「ははっ! あんたの方がバカじゃん!」


 ここは変わってないのに、私たちはずいぶん様変わりしてしまった。


 私は会社と社会に作られた歌姫の仮面をかぶって、たいして好きでもないラブソングを歌っている。若い子たちが好きになってくれたのは嬉しいけど、私が届けたい音楽はそこにはない。


 ケイゴの方は、一応ロックを捨ててないみたいだけど最近はもっぱらギター一本の弾き語りで満足してるみたい。バンドやってた時が一番かっこよかったのに、バラードで聴衆を泣かせるだけのケイゴは、私の知ってる暴れん坊と全然違っている。


「次、またこの近くでやるの?」


「あー、どうだろうな。ここに来たのは、お前とたぶん同じ理由だ」


「感傷に浸りに?」


「暴走音姫がそんな大人しいタマかよ」


 うっさいハゲ。


「または」//(時間切れ)




 二回目

 お題『あいつと血液』

 必須要素(無茶ぶり)『お盆』

 文字数『1062文字』 未完


 タイトル『他人と家族』


 家庭の事情って、うちではよく使われる言葉な気がしてならない。


「じゃあ、私とお母さんは自分の家のお墓行くから」


「こっちも親父と実家の墓に参ってくるよ」


「帰ってきた方が家事担当だからね」


「そのルールも慣れてきたのが嫌なところだ……」


 まぁ、再婚同士の親と連れ子同士の兄妹なんだから、色々と気を遣わないといけないのは仕方ないことなんだろう。


「由奈、あんたまた正樹君に突っかかったんじゃないでしょうね?」


「別にケンカするのは私のせいじゃないし」


 家で別れてから、仕事の都合でお盆の直前まで会社にいたお母さんと車で合流する。そのまま準備したお参りセットで、お母さんの実家の墓参りに行く。


 向こうも大体同じ。再婚しても変わらないところもあるけど、うちの場合は変わらな過ぎて逆に戸惑う。


「なんかまだ違和感……お母さんが再婚したら、お父さんの家とはちょっと疎遠になるかも、って思ってたし」


「まぁ、ね。でも、竜彦さんも似たような境遇だから意気投合したんだし、案外同じような事思ってたんじゃない?」


 竜彦さんが、私の新しいお父さん。まだ父とは呼べないその人は、義兄と違って穏やかで優しい人。


 素直に呼べないのは私の心の整理がまだついていないから。竜彦さんの前の奥さんも、私のお父さんと同じ時期に亡くなったって聞いたけど。


「よかったの? 同じ事故の遺族同士で、こんなこと」


「どうだろうね……でも、悪い人じゃないのは確かでしょ」


 うちはかなり特殊な家族だ。


 義父とお母さんに愛はない。だけど、一年前の電車事故でそれぞれ奥さんと旦那さんを失った、被害者の会を通じて出会った遺族だから、連帯感は強い。


 私もいい人だとは思うけど、いきなり『再婚する』って聞かされた時は驚いたし反対した。お父さんのことを忘れるつもりか、って怒鳴ったりもした。


 でも、現実はもっと切実だった。


 うちも竜彦さんのところも、最初から共働きだったとはいえ給料はそこまで高くなかったし、子どもが両方とも私学の進学校に通っていたから経済的な負担も大きい。


 生命保険や補助金で一時的なお金は入ってきたけど、それだけで食べていけるほどの余裕はなくて。


 だから竜彦さんとお母さんは、契約的な結婚をしたって言ってた。あくまで私たちに、経済的な余裕のある暮らしをさせるための契約だ、って。


「それで、正樹くんとはどうなの? うまくやるに越したことはないんだけど」


「配慮してもらってる、ところはあ」//(時間切れ)


 お題から真っ先に連想したのが義理の家族だったのですが、なんか思ってたのと違うストーリーが出来てて不思議でした。ラブコメかヒューマンドラマか、どっちに転びそうだろう?


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