1113回目 2022/3/31
せめて『ギター』を引っこ抜くまでは描写したかったです。少し時間が足りなかった……。
一回目
お題『どす黒い川』
必須要素(無茶ぶり)『ギター』
文字数『1188文字』 未完
タイトル『忌川から獲れるモノ』
「いってきまーす」
誰もいない家に告げて、今日も忌川に一人で行く。
山の中で木と川と野生動物ばかりの場所に、めちゃくちゃ目立つ真っ黒な川が一本だけある。昔から村の皆は忌川と呼んでいて、動物が腐ったようなキツイ臭いがするから誰も近づかない。
お父さんもお母さんも農作業に出ているし、他の大人も大体そう。農作業じゃなかったら狩りの罠を確かめているだろうし、そもそも臭い場所に近づいたりしない。
忌川にわざわざ足を運ぶなんて、僕みたいな変人くらいだ。あんまり同世代の子もいないからか、誘っても誰も一緒にきてくれないし。
「到着!」
走って少ししたら、一目でおどろおどろしい雰囲気の川が地面を横断していた。
他の普通の川と違って、忌川は色がどす黒くて臭いがキッツいだけじゃなく、動きもめちゃくちゃ遅い。自分から触りたくもないけど、すっごいドロドロしてて粘土みたいな水だからだ。
まぁ、僕はしょっちゅう忌川の水に手を突っ込んでいるんだけど。感触はうねうねドロドロで気持ち悪いけど、たまに面白いものが拾えるから忌川は嫌いじゃない。
「さぁ、今日はどんなものが拾えるかな?」
服を汚すと忌川の色と臭いが染みついちゃうから、準備として上の服をさっさと脱いでおく。念のため、忌川から距離があるところまで離して脱ぎ捨てた。重し代わりに近くの岩を置いて、っと。
次に忌川に入れる方の腕にドロドロの川の水をつけて馴染ませる。なんの準備もしないで腕を川に入れてしまうと、なんか言葉にできない気持ち悪さを覚えるからだ。
前に一回やった時は、目の前がぐるぐる回って忌川の中に落ちそうになった。今みたいに一人だったら、頭から顔を川につけて死んでいたかもしれない。
忌川での遊びを教えてくれた年上の子たちはもういない。みんな村を出て、山を下りて出稼ぎに行ってしまった。あんまり帰ってこないけど、元気でやってればいいなと思う。
「よーし、やるぞー!」
黒いドロドロの水が腕に馴染んだと判断した僕は、そのまま肩まで沈ませる勢いで腕を川に突き入れた。
今よりも子どもだった最初と同じで、僕の腕はまったく川底につく気配がない。忌川は底なしだ、なんて言われているくらいだから、余計に恐れられているんだろう。
それに忌川の水は人間に攻撃的なのか、長い間触れているとかゆくなったりじんじんしたり痛くなったりする。あまり悠長にしてもいられない。
「ん~、と~? おっ!」
しばらく忌川を腕でかき混ぜていると、不意に固いものが指先に触れた。
落とさないようにがっちりつかむと、何か棒状のものらしい。重さは……結構重い。
「んっ! っしょ、っと!!」
片手じゃ難しかったので、掴んだものが水面まで出てから両手で持ち直し一気に引き抜く。
「なんだk」//(時間切れ)
二回目
お題『凛とした曲』
必須要素(無茶ぶり)『お湯』
文字数『1293文字』 未完
タイトル『相応しいBGMとは?』
「いやー、久しぶりじゃん。小学校卒業以来だから、四カ月ぶりくらい?」
「もうそれくらいになるかー。お、サンキュ。悪いな、お茶まで出してもらって」
「気にしないで。それ白湯だから」
「え、なに、もしかして私、歓迎されてない感じ? さっさと帰れって暗喩の飲み物版?」
「まっさかー。ブブ漬けなんて今どき流行らないよー。たまたまお茶っ葉切らしてたからお湯だけでも出そうかと思っただけ」
「あせったー、なんか昔にやらかしたかと思ったわー」
でも普通、久しぶりに会う同級生に白湯出すか? お茶の葉とかコーヒーがなくても、牛乳くらいで手を打つもんじゃねぇの? あれ、これ私が変なのか?
「それよりどしたの? 用事がないのに来るタイプじゃないじゃん」
「あー、それな。実はちょっと相談して欲しいことがあってさー」
「ごめん、今月お小遣いピンチなんだ」
「誰が同級生に金借りに来るって言った? そこまで深刻じゃないやつ」
本格的に私がこの子にどう思われているのか不安になってきたところで、中学校でもらったプリントを差し出す。
「文化祭? え、今から準備してんの? まだ夏休みじゃん?」
「そりゃあ実際の準備は二学期入ってからだけど、企画の発案は夏休みの課題代わりに出されたの。うちの中学は毎年そうらしくて、ちゃんとした企画を最低一つは考えておけって」
「うわー、面倒臭そう。私は公立の中学校でよかったわー。多分適当に掲示物作って終わりだろうし」
「私立だと予算が多くてイベントごとが盛り上がるのはいいけど、その分生徒側の負担も大きいみたいでさー。で、なんか面白そうなの一緒に考えて欲しいなーって」
新しい中学校の友達とも相談したんだけど、これといって決定打がなかった。
なので昔の縁を頼って家を訪ねてみたんだが、果たしていい案が出てくるかどうか。
「文化祭ねぇ……先輩とかはどんなのやってたの?」
「プリントにも載ってるけど、今までやってた企画の一例と、よく提出されるけど没食らってるNG企画が一覧にされてる」
「なになに? ……あれ、食べ物を提供するようなのは軒並みダメなんだ?」
「食品衛生法とかで、結構条件厳しいからあきらめた方がいいらしいよ。先生が言うには、警察の厄介になる可能性が高いから基本的に許可しないんだってさ」
「基本的に?」
「前例は少ないけどあるみたい。親が飲食店やってて手伝いやらされてノウハウがある子がいたクラスとかは、厳しい審査を潜り抜けて屋台をやるみたいだよ」
「気持ちはわかるけど、学校の文化祭でどうしてそこまで力を入れられるんだろうか?」
「青春だからじゃない? まだ中一だからよくわからんけど」
実際、食べ物屋台をやりたがるのは三年生が多いらしいし。思い出作りとしては人気があるんだろう。学校で食べ物を作って売るって、確かに記憶に残りそうだし楽しそうではあるけど。
「うーん、あんまりよくわかんないなー。ん? BGM選曲ってのは?」
「文化祭の間、放送室で流すんだって。一般の来場者もいるらしくt」//(時間切れ)
普段はクラシックなんてほとんど聞かないのに、このお題を見た瞬間に頭をよぎったのは『くるみ割り人形』でした。なぜ?




