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1109回目 2022/3/27

 前にやった『《算数のたかし》』みたいに、小学校の文章題風な形で出そうかとも思ったのですが、最初の路線が違ったのでこうなりました。


 一回目

 お題『凛とした海』

 必須要素(無茶ぶり)『《英語のクミ》』

 文字数『1065文字』 未完


 タイトル『クミ先生の実践的英語教育』


「『それは、波も寝静まる凪いだ海だった……』」


 英語を担当するクミ先生が、教科書片手に俺たちを見渡す。


「『星々は夜空を明るく装飾し、水平線に人口物が入る隙もない。両の裸足を受け止める砂浜は目が細かく、わずかに沈んで体重を受け止めている』」


 朗々と朗読する先生の声を真剣に聞く。周りの様子はうかがえないが、たぶん同じクラスの生徒は皆、俺と同じくらい真剣に話を聞いているだろう。


「『背後には鬱蒼とした森林が広がっていて、少しの先も見えはしない。夜の闇は降り注ぐ月光をものともせず、影が落とす先には絵の具のように真っ黒な場所を作り出していた』」


 同時に、机に広げたノートには乱雑な文字で埋め尽くされていく。この先生の授業において、速記は必須技能だ。録音機器を禁止された以上、これが使えないとまともに授業すら受けられない。


「『もう一度、はっきりとした輪郭を描く水平線に視線を投げる。ふと、上の方に見慣れないきらめきが走った。流れ星だ。それが、何度も何度も流れる。流星群というやつだろう。初めて目にした光景に感動を覚える』」


 まだか……まだ終わらないのか。


 真顔で話を聞きつつ、内心では絶望に近いあきらめを抱えて、クミ先生の朗読が終わるのを待つ。


「『あまりの美しさに涙があふれた。そして、こう思う。遭難していなければ、どれほどよかっただろうに――と』……はい、今の文章を英訳できる人~?」


『できるかぁっ!!』


 学習塾の英語クラスに所属する全員が立ち上がって叫んだ言葉だ。


 信じられないことに、今長々と話していた内容すべて、先生と生徒全員が持っている教科書に『記載されていない』。


 すべてクミ先生が即興で考えた文章、というかシーンを、一回の朗読で覚えた上で英訳しろというのだ。それも毎回の授業で行わせる。鬼畜かと言いたい。


「先生! いい加減にしてくださいよ!! 俺たちは大学受験用の勉強をしたいんであって、通訳を目指しているわけじゃないんです!!」


「バイリンガル養成所ですかここは?! そもそもどうやってそんな文章を思いついてるんですか?! 迷惑なんで教科書から抜粋してくださいよせめて!!」


「えー? でもみんな、英語の成績は上がったでしょ?」


『否応なくあげさせられたんですよ!!』


 これも絶叫と共に先生にぶつけられる。


 毎日のようにこんな授業形態で、かつ誰も答えられなかったら謎の英訳で授業が終わるという悲劇しか待っていない。


 そのくせ、この何行が終わったら//(時間切れ)




 二回目

 お題『勇敢な視力』

 必須要素(無茶ぶり)『複雑なストーリー展開』

 文字数『1095文字』 未完


 タイトル『見え過ぎる目』


 昔から視力はいい方だった。


 具体的には、マサイ族っていう民族と比較されるくらい。俺はよく知らないが、両親の世代では有名なめちゃくちゃ目がいい人たちらしい。


 他の人は点にしか見えないという距離でも、顔の形や目の色まではっきりわかるくらい、視力には自信があった。まぁ、近くの物が若干見えづらいって欠点はあったけど。


 そんな俺の目は、時に見えなくていいものも見えてしまう。


「……ぁ」


 高校からの帰り道。道路のずっと先の方で、人が轢かれる瞬間を見てしまった。


 轢かれたのはスーツを着た男の人で、カバンから何枚も書類が散らばった。会議とかに使うものだろうか? グラフや数字がたくさん書かれていて、意味はよくわからない。


 轢いた方の車には、少なくとも二人が乗車していた。運転席に中年くらいの男と、助手席には若い女。ゾッとするのは、被害者を轢く前も後も、表情を一切変えていなかったこと。


 まるで人じゃなくてゴミ箱を倒してしまった、くらいのリアクションにしか見えない。後部座席の窓はすりガラスになっていて中までは見えなかったけど、人影らしきものがちらっと見えた。


 そして、そのまま車は通りを走り去っていく。ひき逃げだった。


「待っ……」


 思わず叫びそうなって、寸前で止める。


 何百メートルも先の事故なのに、俺が今声をあげてどうする? 向こうの車は当然、事故現場にいる人にだって気づいてもらえない。


 俺がやれることは、今見たことを警察に通報することくらいだ。残念なことに、車体を側面から見ていたのでナンバープレートはわからなかった。それがわかれば、一発で犯人を特定できたのに。


『はい? もう一度お願いできますか?』


「ですから、交通事故を目撃したんです! 場所は今いる場所から数百メートルは離れているので、ちょっとわからないですけど!」


『すみませんが、110番で悪戯をするのは控えていただきたいのですが』


「イタズラじゃないですってば!!」


 あぁ、これは何度も経験があることだった。


 俺はなまじ目が良すぎるために色んな事件、事故を目にしてしまう。


 しかし、それがあまりにも現実離れした距離から目撃してしまうので、通報しても信じてもらえないのだ。俺の説明が下手なのもあって、まともに通じたためしがない。


 俺自身が冷静になって時間をかければ、捜査に必要な情報も警察が拾ってくれるんだけど、事件や事故直後だと俺も気が動転していてうまく説明ができない。


 じれったいことこの上ないが、こういう状況はいくら経験してもなれることがなく、//(時間切れ)


 少し時間をかけるなら、ここから通報した車の色や車種、乗車していた人の特徴に合致する候補が複数現れて推理パートにいくんでしょうけど、もちろんそんなの書く技量も時間もありません。


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