1107回目 2022/3/25
この話のオチは『名古屋』にするつもりでした。先に書いておきますが、私個人としては別に愛知県名古屋に恨みは一切ありません。
一回目
お題『哀れな失敗』
必須要素(無茶ぶり)『大阪』
文字数『1392文字』 未完
タイトル『迷子の悲劇』
東京じゃないんだし、電車の乗り換えで迷うはずがない。
そう思っていた時期もありました……。
「ここはどこだ……?」
県境は越えたから、大阪であることは確かなんだ。それ以外の情報がわからないだけで。
地図を見てもさっぱりわからんし、路線図なんて余計にわからん。今はどこにいる? テレビで見た大阪の景色と違いすぎる。
「こういう時は、交番に行けば教えてくれるはず」
自分を鼓舞する意味で独り言をこぼし、大きく頷いて顔を上げる。
「交番はどこにあるんだ?」
…………詰んだ。
いや、諦めるのは早い。たぶんきっと。
目的地にたどり着くためのステップが増えただけだ。最終的にゴールにたどり着くように世界は出来ている。これは人生を使ったすごろくゲームだ。多少道に迷ったところで、終着点は決まっている。
だから大丈夫。俺は迷子じゃない。迷っていない。迷わず進もう、行けばわかるさ。
「すみません、交番ってどこにあります?」
「あー、すみません。私ここら辺に詳しくなくて」
「あの、交番までの道を教えて欲しいのですが?」
「今忙しいんだ、別の人に聞いてくれ」
「えっと、交番の場所を」
「スマホで調べればいいんじゃないっすか? あと、遅れて連れがくるんで」
……都会の人は、みんな冷たい。
人に聞けば確実だと思ったのに。っていうかスマホで出た地図でわかるんだったら人に道なんて聞いていない。俺のスマホはすでに地図モードだよ。わからんけど。
自分と同じ同世代の人に聞いたから悪かったのかもしれない。もう少し年齢を重ねた、親切そうな人に声をかけてみよう。
「すみません」
「はい、今から資料をお持ちしますので、もう少々お待ちいただければと――」
「あの~」
「ごめんなさい。ポケットティッシュは間に合ってます」
「ちょっといいですか?」
「よくないです」
……都会の人は、本当に冷たい。
中高年くらいの人に声をかけ続けても、なしのつぶてとか誰が想像できる? 一人くらい気のいいおじさん・おばさんがいてもいいじゃないか。
こうなったら、ターゲットをおじいさん・おばあさんに絞るか? いや、同じ轍を踏む未来しか見えない。俺、人を見る目がないかもしれない。
こうなったら、自分で探すしかっ!!
「ねぇねぇ」
「うん?」
服の裾を引っ張られてそちらを見ると、小学生くらいの男の子が首を傾げていた。
「おにいちゃん、まいご?」
純粋無垢な言葉の暴力が心臓に突き刺さる!!
「そ、そうなんだよ~」
プライドがガラガラと崩れる音が聞こえるけど、そうも言ってられない。この子なら、小学生なら憐れんでくれるはず!!
むしろ年齢一ケタの子に憐れんでもらおうとしている俺の頭がすでに哀れだ!!
「おまわりさん、さがしてるの?」
「うん。君、交番までの道、わかるかな? できれば、お兄ちゃんに教えてくれない?」
「わかるよ! こっち!」
この町は小学生しか頼れる人間がいなかった。
ともかく、歩幅は小さいが一生懸命案内しようとしてくれている子についていき、ようやく念願の交番までたどり着くことが出来た。
「すみません!!」
「はい? どうかしましたか? まさか迷子ですか?」
「うん、そう」//(時間切れ)
二回目
お題『犯人は怒り』
必須要素(無茶ぶり)『囚人』
文字数『1199文字』 未完
タイトル『司法への怨恨』
「こんにちは」
そう言って笑った人は、授業中の先生の首にナイフを突き立てた。
「悪いけど、今からいう人、ちょっと人質になってもらっていいかな?」
選択肢は、最初からなかったのだろうけれど、なんてことのない顔で返り血を浴びながら言うその人を、心底から怖いと思った。
「加納さんと、班目さんと、守山さん。別のクラスとか学年だったら、今教えて欲しいかな。大丈夫。それ以外の人はどうでもいいから、帰っていいよ」
加納は私だけど、残りの二人については知らない。少なくとも友達じゃない。さん、ってことはみんな女子? でも、何で私たち三人なんだろう?
「加納は、私、ですけど……」
「あ、名乗り出てくれるんだ。助かるよ。黙っているとか言われたら、もうニ、三人はやらないとって思ってたから」
とにかく、他の人だけでもこの異常を外に知らせてもらえれば、と安易に考えて名乗り出てしまったことを、凄く後悔した。
こちらを射すくめるような目が、背筋が凍りそうになるほど冷たく恐ろしい印象を受けたから。
恨まれている。視線だけで、そう感じてしまった。心当たりなんてないのに。
「ちなみに、班目さんと守山さんって知ってる?」
「し、知らない、です……私の、友達に、そんな人、いないので……」
「ふぅん。横のつながりがあった方が楽なんだけど、そういうのはないんだね。子どもの世代は」
子どもの、世代?
「じゃあ、このクラスで知っている人は? いない? じゃあ、他のクラスに聞いて回るしかないかな」
どうやらうちのクラスに知り合いはいなかったらしく、全員が首を横に振って固まっていた。先生は、犯人の足元に倒れたまま動かない。水たまりのように血が広がっている。最前列の机にいたクラスメイトは、男子も女子も泣きそうになっている。
「加納さん。ちょっと一緒についてきてくれる? 人質だから」
「……はい」
逆らったら何をされるかわからない。
ひとまず要求を飲んで、これ以上の犠牲者を出さないようにしないと。
「ありがとう。大人しく従ってくれて、こちらも助かるよ」
「……いいえ」
「さすが、警視総監の娘さんだ」
「――っ?!」
耳元で呟かれた言葉に息を呑む。
あぁ、そうか……私は父の仕事に巻き込まれたのだと察するには、それだけで十分だった。
「さて、じゃあどうやって探そうかな?」
「考えて、なかったんですか?」
「調べたのは同じ学校にまとまってる、ってことだけだよ。他はあんまり。じゃあ、探そうか。最高裁判所長官の子どもと、検察庁トップの子ども」
まさか同じ学校に集まってるなんて、とは思わない。
一応、ここはお金持ちが集まると言われている私立の高校。単純にお金持ちってだけじゃなくて、社会的地位の高い家の子どもも通っている。
各ぶsy//(時間切れ)
ありがちな設定で、身内が冤罪で捕まって実刑食らい服役中に死亡したから、敵を討つために子供を人質に取って復讐しようとした、みたいな感じで進めようとしました。
で、前置きが長すぎて短編に収まらず。相変わらずです。




