1102回目 2022/3/20
絶対に昔、どこかで見たアニメか『○にも奇妙な物語』系の話でやってたと思うんですよね。アイテムは適当に作っただけですけどね。
元ネタなんだっけな? 出てきそうで出てこないんですよ。
一回目
お題『闇の靴』
必須要素(無茶ぶり)『TOEIC』
文字数『1432文字』 未完
タイトル『闇夜のスニーカー』
「あんた、いいところに来たね」
就職対策に受けたTOEIC試験からの帰り道、近道しようと路地裏に入ってすぐのところで、怪しい露店を開いているばあさんに声をかけられた。
詐欺だ、無視しよう。
「この商品、買っていかないかい?」
「は?」
あ、やべ。反応しちゃった。
まさかマジで商売っ気出してくるとは思わず、つい振り向いてしまったばあさんの前には、黒っぽい敷物の上にスニーカーが一足だけ乗せられていた。
値段は、画用紙で折り曲げて作ったような三角のプレートに、¥2,980と書いてある。意外と良心的? いや、履いてみないと靴はわからん。数歩使っただけで靴底がべろーんってなる粗悪品もネットで出回ってるらしいしな。
「あー、悪いけどばあさん。俺、そんなにお金ないんだわ」
「これは『闇夜のスニーカー』って言ってね。履くだけで他の人から姿が見えなくなる代物だよ」
「いや、セールストークも聞いてねぇんだわ」
勝手に話し出したばあさんは、もしかして痴呆でも入ってんのか? それより、路地裏で物売ってるだけでも怪しいのに、たかだかスニーカーにつけるキャッチコピーまでもが胡散臭いのなんの。
もうちょっと購買意欲がそそられる説明をしてくれないもんかね? こんなのに食いついて引っかかるの、病気こじらせてる中二くらいだろ。
「はーっ。ばあさん、悪いことは言わねぇから、もっとまともな商売に鞍替えした方がいいぞ? こんな怪しい場所で露店なんて出してたら、それこそ怖い兄ちゃんに目をつけられて海に沈められるかもしれないだろ?」
「ほっほっほ。ご忠告、ありがとうねぇ。でも、わたしゃ大丈夫だよ」
何を根拠に……と呑気なばあさんに呆れていると、おもむろに商品の靴に足を通しだした。
「ばあさん、商品を店主が使うとこ見せて、お客が買いたいと、思うわけ……」
交番にでも連れて行けば、家族と連絡つくかなー、なんて考えながらちょっと目を離した瞬間だった。
ばあさんが、いなくなっていた。
「は? おい、ばあさん? どこ行ったんだよ?」
まさか、これが徘徊? 認知症って自分がいる場所も時間もわからなくなって、無意識にふらふらと歩いて行っちまうって聞いたことがあるけど、マジだったのか。
「やっべ、今から探して見つかるかな?」
「なんだい? どっか行っちまうのかい?」
「うぉっほい?!」
っくりしたぁ!! 急に人の声がするから心臓止まるかと思ったわ!!
「って、ばあさんの声じゃん? どっか隠れてんの? ちょっと、趣味悪いよー!」
「ほっほっほ。わたしゃずっとここにいたよ?」
「へ? うぉっ?!」
声を頼りに目をこらせば、いきなり何もない場所からばあさんが出現した!
「え、なに?! イリュージョン?! それとも、これが噂の瞬間移動?!」
「あんた、反応が大きくて面白いなぁ。さっきも言ったろ? この靴のおかげだよ」
怪しげな笑みは変わらず、ばあさんが下を指させば片方だけ履いた怪しげなスニーカーがあるだけだった。もう片方は脱いだらしく、靴下のない皮だけの筋張った裸足がシートの上に乗っている。
「『闇夜のスニーカー』は、夜の間だけ履くと自分の姿を消してくれるのさ。さっきあんたがわたしの姿を見逃したようにね」
「……ははっ、おいおい、マジかよ」
「マジだよ。面白いだろう? これをつかえば」//(時間切れ)
二回目
お題『8月の発言』
必須要素(無茶ぶり)『ハッピーエンド』
文字数『1143文字』 未完
タイトル『夏休み告白大作戦』
「決めた! 俺、夏休み中に海野に告白する!!」
『おおーっ!!』
八月の頭。中学の同級生とファミレスでだべっていた時、流れで好きな子に告白すると宣言してしまった俺。
なんでこんなこと言っちゃったんだろう? お盆過ぎてから期限がじわじわと迫ってきて、マジで後悔している。
っつーか海野ってクラスメイトだけど連絡先とか知らねーし。家も知らねーし。呼び出す手段ねーし、男友達に当たっても誰も連絡先知らねーし!!
女子に友達が入ればワンチャンあったかもしれないけど、俺女子に友達いねーし! いたら入学式で好きになった子相手に一年ちょっとの間で話しかけたりくらいはしてるし!!
「あー、やべ。マジでどーしよ」
学校の課題はさっさと全部終わらせたのに、何だこの絶望感は?
カレンダーを見れば、八月もあっという間に下旬。あいつらに啖呵切って自分で自分を追い込んじまった日が、ギロチンまでの階段みたいに一歩一歩と迫ってきている。
「海野が好きなのはマジなのに、伝える手段がねーとか終わってる……うちの中学、今年登校日なかったの忘れてたのが痛かった……」
告白する気はあった。言い訳じゃなく、あの時も今も本気で告る気で拳を掲げたことに偽りはない。
海野告白大作戦の計画を練るため、今日も今日とてファミレスでドリンクバーをおともにノートを広げているが、もう一時間も白紙のままだ。クーラー涼しい。
「無謀なのはわかってるし、フラれるのも前提だけど、いいよな別に。気持ち伝えるだけでも経験になる」
俺の告白が成功する可能性は限りなくゼロだ。だって男子どもに威勢よく宣言したのが、海野への想いを周囲に漏らした初めてのことだったのだから。
わかりやすいアプローチとかまったくせず、そもそも二年生で同じクラスになったのに事務連絡以外で話をしたこともない。
六月なんて、廊下でハンカチ落としたのを気づいていたのに、あまつさえ拾ったのに、結局職員室に届け出て落とし物ボックスに手渡しするという失態を犯している。
フラれるのがわかっているから告るのは怖い。でもフラれなければ、俺の海野に対する気持ちは諦めきれない。
「めっちゃかわいいもんなー、海野」
はぁ、とため息がこぼれる。
ただまぁ、俺の認識が周囲とも一致しているかというと、そうでもなさそうで。
惚れた弱みというやつか、俺が宣言した後『海野かわいいじゃん』と理由を言ったら、『そうか?』とか『普通じゃね?』とか『むしろ地味』とか返しやがったからな。友達甲斐のない奴らめ。
たしかにうちのクラスには他に派手な美人がいる。早乙女って名字までお高く留まってそうな女子は、実際に家もおかねも
//(時間切れ)
こういう、思い付きを書き出してから周辺の設定とか固めながら書くのが無性に楽しくなるの、なんなんでしょうね? 短編に必要ないメインストーリーのバックボーンを埋めてくの、楽しくてしょうがないです。




