1095回目 2022/3/13
イメージ的に人間のとってのディストピア的な話になる予定でした。オチはまったくないままの見切り発車です。
一回目
お題『今日の彼方』
必須要素(無茶ぶり)『テレビ』
文字数『961文字』 未完
タイトル『神の視点』
今日もテレビを見ている。
流れているのは、この世のどこかの雄大な景色。
青空と草原のコントラストが鮮やかで、空を流れる雲が優美で、草の背を倒す風が画面を越えて吹き込んできそう。
でも、ただそれだけだ。
圧倒的な映像美と自然の声は届けても、人の声も体温も届けてはくれない。
ここはテレビ以外には何もない。
壁も天井も空も地面もない。
あるのは何者かわからない自分という自意識と、世界のどこかを映しているテレビだけ。
体も目もどこにあるかわからないのに、首さえ存在するかもわからないのに、自分はずっとテレビを見ながら何もない世界を観察している。
口はない。首もないから声も出ない。自分の声でさえ、人間を知覚できない。人間なのに、圧倒的な孤独に落とされている。
存在しない手でチャンネルを変える。
海だ。白波が立ち、荒れうねる膨大な水は、時化の大雨とともに撹拌されて飛沫を上げる。
存在しない手でチャンネルを変える。
洞窟らしい。真っ暗だが、画面の端に岩肌が見える。光源はほぼなく、撮影しているカメラ側に少しの明かりがあるだけで、どんどん一本道を進んでいる。
存在しない手でチャンネルを変える。
地面がものすごいスピードで近づいてくる。どうやら空中に放り出された映像らしい。バタバタと服がはためく音がうるさい。カメラはまったくブレないまま、ただ地上の一点に固定されて映像を映している。
もう少し観察してみると、地上は地面の色と植物の緑に支配されていた。
人工物がない。そういう場所か? と思ったが、そもそもこの映像の撮影者が人かもわからない。
だからこの映像が現実に撮影されたものかもわからない。作り物かもしれないし、本物かもしれない。
自意識が芽生えて、長い時間を過ごした気がする。人間だった自覚以外、この状況で分かったことはなかった。
脳もないのか、恐怖がないのは幸いだった。自分を観測しているのに自分が存在しないとは、おそらく実感を長くすればするほど恐怖するのではないだろうか。
人間だった自覚とは裏腹に、人間らしさも肉体とともに失った自分は、果たして一体なんなのだろうか?
自分を再定義できるだけの材料はない。あるのはただ、しぜ//(時間切れ)
二回目
お題『3月の螺旋』
必須要素(無茶ぶり)『スケベ人間』
文字数『900文字』 未完
タイトル『三月リープ○週目』
春は不審者が増える季節らしい。
「アヒャヒャヒャヒャ!」
「祭りじゃあ! 裸祭りじゃあ!!」
「うおおぉぉぉ!?!?」
三月一日、家から一歩外に出た瞬間、大勢の全裸男たちに遭遇した。
なぜか俺を見て追いかけてきたので全速力で逃げているが、こいつら足速ぇ!! 変態のくせにアスリート並みの身体能力してやがる!!
「クソ! こんなもん、一秒ごとに、金もらわないと、やってられるか!!」
スーツとグラサンを脱いだ大量のハンターたちに追われている気分で、建物の中に隠れる。こっちは必死なんだ、不法侵入は勘弁してくれ。
「はぁ、はぁ、はぁ……なんなんだあの変態ども」
息を整えるのに時間を要しつつ、建物内を見やると普通の民家だった。
これで俺も犯罪者か……いや、あのストリーキングどもよりマシか。
しかし、この国はいつの間に無法地帯になったんだ? 昨日まではいつも通りだったよな?
ひとまず、情報が出回ってないか調べるか。出かける前にテレビでニュースでも見とけばよかった。
「もう不法侵入なんだから、テレビくらい使っても今さらだよな」
リビングに入り、運良く住人に出会わないままテレビの電源を入れた。
ニュースを見やれば……うわぁ、全国こんな感じか。
速報でどこもかしこも頭がおかしくなった人間のことを報道している。俺が出会ったのは裸ダッシュだったが、完全に強盗行為に及んでいる暴徒もいるらしい。
「集団ヒステリー? にしては同時多発すぎないか?」
コメンテーターの検討外れな解説に呆れながら、しかし俺も原因がわかっているわけじゃない。
っていうか、こんな異常事態の原因がわかる奴がいたら、それこそ異常者だろ。
『現在の状況について、説明が欲しいならしますが』
なんて言っている時に、さっきまでずっと黙ったままだったコメンテーターの一人が口を開いた。
見るからに陰鬱な表情で覇気のない男は、毛色は違うが他の暴れている連中とどこか似ている部分がある気がする。
『現在暴れている人々は、なんらかの力が働いて三月を繰り返しているひとびとて//(時間切れ)
知ってる人は知っている、『涼宮○ルヒ』の『エンドレスエイト』みたいなシチュエーションです。ちなみに、私は『涼宮○ルヒ』の原作もアニメも見たことありません。




