1091回目 2022/3/9
お題も無茶ぶりも割とシンプルだったので逆に難しかったです。ちょっとファンタジー的な要素を入れないと、と思ったのはもうそういう病気なのかもしれません。
一回目
お題『嘘の沈黙』
必須要素(無茶ぶり)『恋愛』
文字数『846文字』 未完
タイトル『沈黙の答え』
好きと言われて、嬉しくないわけがない。
だけど私には、その気持ちの応えるだけの資格がなかった。
「……ごめん。迷惑だったかな」
まともに顔を見れなくて、勇気を振り絞って告白してくれた男の子の顔も見れなくなっている。
お腹のあたりで握りしめた両手が痛い。
この人が感じている痛みの方が、何倍も強いはずなのに。
「でも、俺は諦めてないから」
「え?」
てっきり離れていくものだと思っていたから、予想外の言葉に思わず顔をあげる。
彼は、笑っていた。
少し寂しそうだけど、それよりも強い挑戦的な、というより好戦的な? とにかく、前向きな表情だと思ってしまった。
「イエスでもノーでもないなら、俺はまだ告白に成功したわけでも失敗したわけでもない。新木さんの口から直接いやだと聞かない限り、俺はこの気持ちを諦めたりしないから」
そして、彼は――古川くんは、少しだけ顔を近づけてきて。
「悪いけど、俺がフラれるまで付き合ってよ。それが、黙ったままでいた新木さんの責任でもあるからさ」
ドキリ、とすることを言われて、行ってしまった。
「……はぁ」
まだ心臓がうるさい気がする。もう古川くんは帰ってしまったというのに。
学校の近くにある橋の下、河川敷でされた告白は、嵐のように私の心を乱していった。
嬉しかった。本当はすごく、嬉しかった。
古川くんは、私もずっと気になっていた人で、この人となら恋ができるかもと夢想した人だった。
でも、私には人を好きになる資格も、人に好かれる資格もない。
「『嘘がつけない』、なんて、言っても信じてもらえないだろうし……」
普段から癖になってしまったため息は、今日は一段と重くなった気がした。
私は『嘘がつけない』。心構えとか親の教育とかそういうのじゃなくて、本当に『嘘がつけない』身体なのだ。そうとしか言いようがない。
まるで呪いみたいで、実際それと似たようなものがついているらしい。前に//(時間切れ)
二回目
お題『最後の人々』
必須要素(無茶ぶり)『ソーセージ』
文字数『934文字』 未完
タイトル『宇宙漂流』
名誉の宇宙開拓民が最後の人類になるなんて、皮肉が効いていると思ってしまった。
「まあ、それで宇宙を漂流する羽目になったんだから笑うに笑えないけどな」
「仕方ないでしょ。まさかロケットを打ち上げたその日に地球に巨大隕石が落下するなんて、普通思わないじゃない?」
仮の宿だった宇宙ステーションごと放り出されて、ひと月は経っただろうか。
保存できる宇宙食も少ないのにここまで生き延びられたのは、研究用らしい食料栽培プラントがくっついていたからだった。
正直助かった。少し一人頭の食事量は節約せざるを得ないが、それでも数十人が生きていられるほどの食料を確保できるのは大きい。
ただ、最大の問題は水だった。
「あ、これソーセージじゃん! また貴重な水を蒸発させたな!?」
「別にいいだろ! これが最後の加工肉食品なんだぞ!? それも保存期間ギリギリのやつ! 食料が少ないのは変わらないんだから、黙って食え!!」
成人したばかりの俺より少し年上の、元宇宙ステーションクルーが喧嘩をしているのを見ながら、実際どうしたらいいのかとため息を隠せない。
地球が隕石によって一気に死の星になってしまってから、居住区を広めに確保された宇宙ステーションとはいえ備蓄の水には限りがあった。
飲用水はもちろん生活用水も施設に積める限界はあって、食料プラントにも少なくない水を使用する。
かといって、本来この宇宙ステーションが受けていた水の補給は地球からの支援物資が主で、さすがに何もないところから水を生成できるだけの施設は存在しなかった。
最先端の科学で作られたとしても、無から有を生み出せるわけではない。
これまでごまかしがきいたのは、汚い話、自分たちから代謝されて出た水分をめちゃくちゃろ過して再利用してきたからだ。
しかし、それももう心もとなくなってきている。せめてSF創作で見たような、氷の塊みたいなものがデブリの中に紛れ込んでいたらいいんだけど、そう都合よく水を確保できるわけもない。
漂流した元宇宙開拓民たちを乗せた宇宙ステーションは、今日も何もない場所をひたすら慣性だけで進んでいる。隕石が衝突した衝撃が強すぎたのか、だいb//(時間切れ)
もう少し自分がやりやすい設定でやればよかったと思いますが、最初に思いついたのがこれだったので諦めました。SF系は専用の知識が求められるので手を出しづらいんですけどね。




