1083回目 2022/3/1
どうせならタイトル通りに落としてあげたかったです。
一回目
お題『誰かと恋』
必須要素(無茶ぶり)『自殺エンド』
文字数『887文字』 未完
タイトル『君と落ちる先』
命をかけた恋だった。
「……誰だ、お前?」
「誰でもいいよ。それより君、綺麗な目をしてるね」
「はぁ?」
一目惚れ、に近いんだと思う。
街中ですれ違って、こっそり後を追っかけて、路地裏で一人になったところで声をかけた。
服はボロボロ。髪も脂ぎってて汚いし、お風呂にも入ってないのがわかるくらい汗臭い。
靴は泥だらけで、持ち物なんてポケットの中に入る程度の量しかない。
体型だってガリガリで、もう何日もまともにご飯を食べていないのがわかる。見た目の年齢だって、中学生の私よりずっと上だろう。
人として、女の子として見ても、この人は最底辺な男の人だとわかる。背景は知らないけど、どん底を知って抜け出せないのがすぐにわかった。
「好きになっちゃったかも。私と付き合ってよ」
「……頭おかしいんじゃねぇの、お前?」
だから、私は惹かれたんだ。
「うん! 私、変なんだ!」
特にその、真っ黒なヘドロを詰めたような眼差しが、とっても素敵。
「行こう! 最後まで付き合うよ!」
「あ、待てこら!」
「待たない!」
それから、私は彼を色んなところに連れ回した。
服、は興味なさそうだったから避けて、ハンバーガーを食べに行ったり、公園で歩き回ったり、クレープ買ったり、ゲーセンで遊んだり。
とにかく私が知る楽しいことに連れ回して、学校をサボって一日中連れ回した。
「あー、楽しかった!」
「……つかれた」
最後に、街を一望できる展望台が公開された県庁の最上階に来ていた。
朝から遊んですっかり夕暮れ。私はまだまだ遊び足りないけど、彼は途中からほとんど話さなくなった。
疲れてたのはわかってるけど、あえて知らないフリして連れ回していた。
「お前、もう気は済んだろ。さっさと家に帰れ」
「いやだ」
「……おい、いい加減に」
「まだ最後に君がしたかったこと、やれてないじゃん」
窓の外を眺めていたところから、背後のベンチを振り返って見れば、彼が濁った瞳をまん丸にして私を見ていた。好き。
「いつからきつ//(時間切れ)
二回目
お題『優秀な排泄』
必須要素(無茶ぶり)『フォロワーの誰かに○される』
文字数『815文字』 未完
タイトル『ストーカーの傷跡』
痩せたら人生が変わると思っていた。
それは少し正解で、ほとんどが間違っていた。
『私、あなたのことが好きになりました』
「私、あなたのことを好きにならなければよかった」
同じ人に、同じ場所で、告白してくれた口から別れを告げられた。
「……うん、本当にごめん」
謝って済む問題じゃないのはわかっている。でも、僕からは謝罪の言葉しか出てこなかった。
「っ、あなたが、あいつらみたいにクズだったら、どれだけよかったか!!」
罵声のような悲鳴に、僕はただ頭を下げることしかできない。
すべては僕の軽率な行動が原因だったから。
「これ」
「……なに?」
涙目で今にも去ろうとしていた彼女を引き留め、封筒を差し出す。
「気休めにしかならないだろうけど、使って欲しい」
「……っ!」
たぶん、何も考えないで受け取ったんだろう。
中身を見た彼女は、目を思いっきり吊り上げて床に叩きつけた。
「ふざけないで! 私の気持ちをお金なんかに換えられたくない!!」
「わかってる」
それでも僕は、封筒を拾って差し出した。
「君への侮辱だとわかっていて、渡すんだ。僕はもう、君に何もしてやらないだろうから」
「なに、それ……」
「僕のSNSアカウントからストーキングしてた人が、君や君の家族のことをネットに晒して、引っ越ししなきゃならなくなったんた。間接的な原因は僕にある。少ないけど、慰謝料と迷惑料のつもり」
「そんなの、いらない……」
「それでも、君にはお金が必要だ。根拠のない誹謗中傷で、ご両親も職を失ったと聞かされた。犯人が逮捕されてるなんて、気休めにもならないだろうし、先立つものはどうしても必要だろう?」
「う、ううぅ……」
「こんな形で別れるのは辛いけど、僕を初めて好きになってくれた人だから。僕が初めて好きになった人だから。せめて、僕のことを忘れて、しあわせになってほし//(時間切れ)
『フォロワーの誰かに晒される』って解釈してやってみました。お題の方は『排泄=新陳代謝』ということで、ダイエットに成功しすぎたみたいな流れで書いたと思います。




