1082回目 2022/2/28
ホラー的な雰囲気を出そうとして出し切れなかった感がすごい切れ方です。
一回目
お題『捨てられたマンション』
必須要素(無茶ぶり)『イケメン』
文字数『935文字』 未完
タイトル『B級心霊スポット』
何が悲しくて野郎だけで肝試しなんてせにゃならんのか……。
「なんだ、ここまできて不満そうだな?」
「さてはビビリか? お? こりゃ撮影係も気合が入るってもんよ」
そして連れの野郎はウザイし! 本当にやってらんねー!
「不満なのは面子だよ。肝試しなら普通女子誘うだろ。夜なのにクソ暑いわ虫飛ぶわ真っ暗だわ、男だけでくる場所じゃねぇだろ」
「えー、楽しそうって先に言ったのはお前だろ?」
「そうそう。三日前の飲み屋で威勢よく」
「酒に飲まれて覚えてねーんだよこっちは!」
それなのに律儀に実現させようとすんなっつの! わざわざレンタカーまで借りる手間かけやがって!
「まあまあ。イベントがあるだけマシだろ。ここまできたら楽しんだもん勝ちだぜ?」
「立ち入り禁止の廃マンションで何を楽しめと?」
「噂でも検証してみるか? いろいろ逸話があるんだろ?」
撮影役を買って出た、ノリで生きてる方の友達の言葉でスマホを取り出す。
ここの幽霊マンションは地元で有名だが全国区レベルかと聞かれれば微妙。
そのくせ、やたらと心霊エピソードに事欠かない出る系スポットなので、検索エンジンでキーワードをちょっと工夫するとわんさか出てくるのだ。
「えーと、定番の噂として昔墓地だったとか戦場跡だったとか、後付けでも割りかしあり得そうな前提がチラホラ」
「初めから嘘って決めつけんなよ、冷めるから」
「出所不明の噂なんてほぼ嘘だよ。他は体験談が多いな。イケメンとデートに使ったら心霊写真撮れて霊障起こりまくりで、お祓いしてもどうにもならなかったとか」
「女の霊でもいるのか? っつかそのイケメンはどうなったんだよ? 同じように呪われたのか?」
「そこまで書いてねーな。あとは……ポルターガイストも起こるらしいぞここ」
「え? 物動かせんのかよ。危なくないか?」
「さあ? その場に落ちてたゴミとかが浮いた、みたいな感じだし、そんな重い物まで動かせはしないだろ。多分」
「適当言うなよ、なぁ……あれ? あいつは?」
カメラ役と長々話していたら、いつの間にか運転役がいなくなっていた。
トイレか? それとも先にマンションに入った?
//(時間切れ)
二回目
お題『奇妙な電車』
必須要素(無茶ぶり)『十二使徒』
文字数『843文字』 未完
タイトル『通勤中の十二使徒』
いつも使っている通学の電車が、今日はちょっと異様な雰囲気になっていた。
「A地区からD地区までの布教は終えたと聞いています」
「H地区は難航、Q地区も神の言葉が届かないようで」
「N地域は元より信仰の死んだ不毛の地。焦らずじっくり教えを説きましょう」
ぶつぶつ呟いてるヤバめのコスプレ集団が椅子に座ってたから。
他の人たちも関わり合いたくないのか、満員に近いのにその集団近くだけぽっかりと人がいなくなっている。
わかる、私も近寄りたくないし。
様子を窺いながら何とか空いているスペースに体を捻じ込ませる。本音は車両を変更したかったけど、駆け込み乗車ギリギリだったからすでに入り口が閉まっちゃったし。
また迷惑なことに、ヤバい集団が陣取ってるのが車両の真ん中にある座席で、向かい合わせに六人ずつ座っている。
そしてここは最後尾の車両で、私が乗った側に連結部分はない。車内から場所を変えることもできなかった。
ぎゅうぎゅう詰めで息が詰まりそうな状態のまま、まだなんかブツブツ言ってる集団に視線を向ける。なんか目を離した瞬間に寄ってきそうで怖かったから。
それにアルファベットで地区やら地域やら言ってるけど、ここら辺にそんなトンチキな名前の地区はない。Aがどの辺でHがどの辺かわからないから、最悪うちの近くでも見かけるかもしれないと思うと余計に怖い。
『この先、急カーブがございます』
「……ぇ、うわっ?!」
意識が変人たちに向けられていたからか、いつもブレーキがかかって体勢が崩れやすい線路に入ったのに、この日に限って足腰に力を入れるのを忘れていた。
とっさに通学カバンは握りなおしたものの、大きく揺れる車体に体が流される。
変人集団は進行方向側に見えて、体は逆向きに倒れていく。それだけなら、問題なかったんだけど。
(嘘、嘘、嘘、嘘?!)
背後に倒れた重心が、今度は思いっきり前に押し倒された。
他の乗客たちが踏ん張った//(時間切れ)
実際、通勤・通学時に宗教色バリバリな格好をした集団と電車内でバッティングしたら怖そうですよね。意味不明な事言ってたら余計に。




