1065回目 2022/2/11
お題から連想したのがXジェンダーでした。興味がある人は調べてみてください。たぶん、当事者じゃないとちょっと複雑なので。
一回目
お題『昨日の僕』
必須要素(無茶ぶり)『男使用不可』
文字数『886文字』 未完
タイトル『昨日は僕と言っていたけど』
昨日の僕は今日も僕とは限らない。
肉体の性別は女だけど、僕は自分を女だと確信したことが一度もない。ましてや、男だと思ったこともない。
Xジェンダー、と言うらしい。ネットは便利だ。検索ワードのチョイスさえ間違えなければ、欲しい情報があっさり手元に落ちてくる。
いわゆる性的マイノリティの一種で、よく言うLGBTのT以外のような性的嗜好とはまた別ジャンルのマイノリティになる。
トランスジェンダーが近いかな。性自認の話なんだから。
でも、トランスジェンダーは男か女か、自分がどちらの性別だってはっきりしている。トランスジェンダーなんて呼ばれるのは、自分の感じている性別と肉体の性別が違っているから、マイノリティ扱いされているだけだ。
僕の場合は、Xジェンダーの中でも『男でもないし女でもない』と感じている方だ。ややこしいことに、Xジェンダーの中でも感じ方が異なるらしく、簡単に一括りにはできない事情があった。
中には『男でもあるし女でもある』と思っている人もいるらしい。さすがに、同じXジェンダーと呼ばれていても、そういう人とは話が合わないんじゃないだろうか? まぁ、会ったことはないんだけど。
伊達に性的マイノリティなんて言われていない。男と女、肉体と心が一致している人間が多数を占める社会で、マイノリティに出会うことは稀だ。
さらにマイノリティだからこそ、自らそのことを人に話せる人も少ない。自分が社会の異物であると、生活の中で思い知らされていくから、口は余計に重くなる。
マイノリティだからこそコミュニティができたら強くなりそうだけど、僕のようなXジェンダーだとそれも難しい。大雑把な括りをされてしまえば、より細かく分類された集まりでないと素直になれないし。
まぁいろいろ自分について考えてきたけど、僕はいつか自分の性別について、軸足を定めないといけないとは思っている。
どちらでもないと言い張れる期間は、そこまで長くないのだ。社会に出たら、無理やりにでも白黒をつけないと話が進まなくなる。
//(時間切れ)
二回目
お題『凛とした表情』
必須要素(無茶ぶり)『桃太郎のストーリーを自分流にアレンジ』
文字数『713文字』 未完
タイトル『そうして鬼が全てを奪った』
この世に因果応報が本当にあるなら、それは他人と天運に任せるべきじゃない。
「原因と結果があって、報復に応じる。だからこそ、自分の行いには責任を持つべきだ」
今までたくさんの無辜なる命を切り裂いてきた剣で、俺はかつての略奪者を組み敷き見下ろした。
「ふざけるな! 何が責任! 何が報復! これが、この有り様が、貴様の罪でなくて何だと言うのだ!!」
この町で動く人間は数少ない。動ける人間がいたとしても、ほとんどが軽くない傷を負って動ける状態でもない。
俺がやった。俺たちがやった。
こいつを含めた復讐対象以外は、どんなやつでも皆殺しにすると決めていた。
「自己紹介がまだだったな」
「この気狂いめ! 貴様のような悪魔が、いつかこの地獄よりも凄惨な死を、」
「俺は国境を挟んだルイン領で育った。この土地の飢餓を救うためにと、派遣された領主の私兵によって滅ぼされた、今はなき故郷の生き残りだよ」
「……な、に?」
さっきまで命の危機を前にしても、凛とした顔で噛み付いてきた男が、無様にも間の抜けた表情をさらしている。
あぁ、俺もかつては、こんな表情をしていただろうか?
「知っているか? かつては善政を敷いていたルイン領は、今では隣国の侵略によってアンデッドが跋扈する地獄になった。侵略者どもが資源を奪うだけ奪い、男や老人を殺すだけ殺し、女や子どもを無理やり連れ去って、悲しみと怨嗟が渦巻く忌地になった」
「し、知らない……そんなこと私は!」
「貴様の父親が犯した罪だ。目を背けることは許さない」
今知ったか、既に知っていたかなどどうでもいい。
俺は憂さ晴らしをしにきたわけでも//(時間切れ)
構図としては略奪者=鬼、生き残り=桃太郎に見立てた上で、鬼退治を完全な復讐に置き換えました。タイトルの『鬼』は短編中で奪われた被害者であり、復讐を誓った桃太郎役の殺戮者でもあります。




