1063回目 2022/2/9
勘違いがちょっと入った不良モノ? みたいな雰囲気です。
一回目
お題『昼間の教室』
必須要素(無茶ぶり)『東京湾』
文字数『972文字』 未完
タイトル『仲良し四天王?』
「あー、東京湾行きてぇ!」
「何しに?」
「泳ぎに」
「釣りだろ」
「もしくは誰かを沈めに」
『えっ……』
昼休み、弁当も食い終わった男子ばかりで集まってする話なんて、大抵バカ話になってしまう。
バカ一人が何故か東京湾を指名して海に行きたがり、水泳バカが遠泳を誘うように目配せしたから、俺が真っ当な理由を口にしたのに場が白けかけた。
最後に何考えてんのかわかんないバカがヤクザみたいなことを言ったせいで空気が完全に凍る。
どうしてくれんだこの空気? 発言者のせいで冗談か本気かわからねぇんだよな。
「……冗談だから」
「な、何だそうだよな! 驚かせんなよ!」
「ま、まったく! 昼間から犯行予告とか気合い入りすぎじゃねぇか!」
「ほ、本当もう少しわかりやすい冗談にしてくれよな! マジで!!」
「……わかった」
なるべくこちらからも冗談の空気にすべくおどけてみたが、真顔で頷かれるだけだとどっちだかわからん。
実際にこいつ、一年前の中一の時にヤンキー相手にキレてボコボコにした前科があるからな。しかも相手は三年生五人。
嘘かマジか、その後も徒党を組んだヤンキーの群れに囲まれたけど、ケンカで全員半殺しにしたとか聞いたことあるし。
普段は大人しくて滅多にキレないからほとんど噂程度にしか思ってないんだろうけど、俺らその現場見てるからなぁ……。
まぁ、因縁つけられてたのを助けてもらって怖がるのは違うんだろうけど、ケンカの時のこいつめっちゃ怖かったから、扱いに困るんだよな。
時々飛ばす冗談も、やたら暴力的なボケが多いからなおのこと怖い。
東京湾からの連想で沈めるとか、普通でないだろ。どんな環境で育ったらそうなる?
「怖い冗談ついでに言うけどさ」
「何?」
「……俺ら、いつまでクラスメイトに避けられてんのかねぇ?」
「少なくとも、こいつがやらかした噂が小さくなるまでは無理だろ」
「……ごめん」
無敵の喧嘩番長が肩身狭くして謝るとか、心臓に悪いからやめて欲しい。
友達だから気安く接してるだけなのに、こいつの不良的な株が上がったことで周りにいる俺たちもケンカが強いと思われちまってんだよな。
もはや逆いじめだぞ、これ。いっつも同じメンバーでしかつるめないし//(時間切れ)
二回目
お題『清い犬』
必須要素(無茶ぶり)『時限爆弾』
文字数『852文字』 未完
タイトル『ポチ』
ポチと名づけたのは、人間扱いしないと突きつけるためだった。
それがどうだ、気づけば犬みたいについてくるようになって、今じゃ従順な狗になった。
こっちは一度だって、人間扱いしてこなかったのに。
「ジル!」
「くんなっつってんだろ!!」
何とか自由になる右手で、肩を外しながら抜いた銃の引き金を引いた。
脱臼させた関節が完全にハマっていないままの反動で、肩に激痛が走る。
照準なんてまともに合わせられない状態で、ポチの足元に銃弾が当たったのは奇跡だな。下手すりゃそれで殺してた。
「今さらお前がいたところでどうにかなるかよ! 爆弾巻かれて宙吊りの花火だ! 解除する暇も逃げる暇もねぇんだよ!」
ここは廃工場の中。天井の錆びた鉄骨から吊るされた俺は、心臓の位置に時限爆弾を巻かれている。
非合法組織に所属して、大ポカをやらかした奴なんて末路はみんな同じだ。敵幹部の暗殺をしくった下っ端に、次なんて甘いものはない。
「わ、私はジルに拾われた!」
「ついてきただけだろうが! 拾った覚えはねぇ!」
「いろいろ教えてもらった!」
「殺しの技術が何の役に立つ!」
「育ててもらった!」
「勝手に飯と寝床を奪っていったんだろ!」
タイマーは、俺からは見えないがあと数分もないだろう。
っつか、ポチが俺の居場所を知ったのが異常なんだよ。失敗した現場に置き去りにしてきたのに、なんで正確に俺の場所がわかった?
「ジルが死んだら、私はどう生きればいい?!」
「知るかよ! どこへなりとも行きやがれ!」
それこそ、俺の知ったことじゃない。
最後まで面倒見る気なら、さっさと組織から足洗ってた。
「私は! ジルの隣以外に生き方を知らない!」
「ガキが贅沢言ってんじゃねぇ! テメェの居場所くらいテメェで決めろ!」
本心だ。ストリートチルドレンから犯罪に手を染め、ヤバい組織に自らハマりに行ったバカの言葉は年季が違うぞ。
「誰かに頼って生きるようなあま//(時間切れ)
ちょっとした話のラストシーンっぽい感じですかね。こういうのは長編で関係性を描けたらよりドラマチックになるんですけど。




