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1056回目 2022/2/2

 これ冷静に考えたらただのダメ人間では?


 一回目

 お題『遅い探偵』

 必須要素(無茶ぶり)『絵画』

 文字数『985文字』 未完


 タイトル『名探偵は遅刻魔である』


 創作の中の探偵役は、起こった事件に対して首を突っ込むか巻き込まれるかして、しかし最後は解決するから探偵になれる。


 入口は同じでも、最後は解決できないまま終わると、それはやはり探偵とは言えないだろう。


 ……今目の前にいるこの人のように。


「集合時間、事前に伝えてましたよね?」


「……はい」


「私、何度も携帯に連絡入れましたよね?」


「……通話履歴、すごいことになってました」


「ではもう一度聞きます。集合時間から三時間経って犯行現場にようやく到着した感想をお聞かせ願えますか名探偵さん?」


「……すみませんでしたぁ!!」


 仁王立ちする私の前で、私より小さくて年齢も若い女の子が全力で土下座をしている。


 高級ホテルの一室で床はカーペットなので物理的ダメージは小さいだろうが、何もかもが終わった後で重役出勤してきた探偵に据える灸としては優しすぎるだろう。


 あろうことか、こいつは寝坊という社会人として終わってる理由で、あらかじめ盗むと宣言されていた億越えの絵画を警護する依頼をすっぽかし、寝起きのだらしない顔でこの場に現れたのだ。


 せめてダッシュできたら誠意も見えたものを、こいつはあくびかまして歩いてきたあげく、座り込んだ床で二度寝しやがった。


 必然、助手としてついてきた私が、依頼人でもある警察の方々からこっぴどく怒られたのはいうまでもない。


 今回の事件はどこぞの怪盗でも真似たのか、予告状を叩きつけていながらとても鮮やかな窃盗だった。


 なにせ、警備でいた人間の誰もが犯人を視認できなかったのだ。私もそうで、人の顔はおろか姿も見えていない。


 盗まれた絵画は、ホテルの大広間を使って一般公開されていたものだ。なんとか展だとかで、外国から一時的に借りている貴重な文化財でもあった。


 どこぞの誰とも知らない人間にあっさり盗まれたとか、警察の威信はもちろん国としての信用もガタ落ちするだろう。下手をすれば国際問題だ。


 今も刑事さんたちは血眼になって足跡や手がかりを探そうと奔走しているが、私にはなんの役にも立たなかった名探偵に雷を落とす重要な仕事があった。


「そもそも寝坊の理由がゲームで夜更かしとか、ありえなくないですか? あなた何年社会人として探偵やってんですか? その耳と頭は飾りですかー?」


「うぅぅ、//(時間切れ)




 二回目

 お題『どうあがいても魚』

 必須要素(無茶ぶり)『高校』

 文字数『1240文字』 未完


 タイトル『魚になりかけている少年』


 人生なんて思い通りにならないことばかりだ。


 子どもの時ですらそう思うから、大人になったらもっと大変なことが待っているんだろう。


 元からネガティブで、嫌なことは逃げ続けるような人間の僕は、大きな壁があったら絶対に諦めるんだろうなって思ってた。


 でも、人生一番最初の壁は、自分で壊さないといけないものだった。


 僕と、僕以外の大勢の命がかかっていたんだから。


「う、鱗じゃん」


 いつものように高校のトイレでぼっち飯を堪能していた時、ふと手首に光る何かがついていたのを見つけた。


 腕時計でもしてたかな? と袖をめくった瞬間、明らかに自分の腕から生えている鱗に言葉が出なくなっていた。


 漫画とかドラマとかだと叫ぶんだろうけど、人は驚きがピークを軽く超えると声なんて出なくなるものらしい。


 まったく嬉しくないトリビアを知れた。


「な、なななんで? 病気? 皮膚が鱗になるのが? いやおかしいでしょ?」


 混乱は収まらないまま、ひとまずグリグリと鱗を押したり揉んだり引っ掻いたりしてみた。


 硬くて薄いカサブタみたいな感触だった。それが何枚も重なってて、魚の鱗そのものに思える。


「いたっ?!」


 好奇心のままに指でいじっていたら、爪に鱗の一枚が引っかかってそのまま剥がしてしまった。


 そう、痛かった。まるで肌を引っ張られたように。


 それだけじゃなくて、鱗の隙間から血も出てきた。


 確定だ。この鱗は、私の皮膚から直接生えている。


「なに? なにこれ? うわぁ、キモッ!? 元から好かれる要素なかったけど、嫌われる要素も追加されたなったじゃん!」


 小声で叫ぶなんて器用な真似をしつつ、僕は頭を抱えてしまう。


 ぼっちにはぼっちの理由がある。僕は人間関係がうまく進まない人間だった。だから意図的に人から離れて、同級生たちもそれをよしとした。


 ある意味、どちらも接触しないことで共生関係を作っているんだ。僕は無理やりポジティブに考えて、そう思うことにしている。


 すでに僕は暗黙の了解でクラスの異物になっている。それに加えて腕から鱗なんて個性がバレたら、確実に気味悪がられていじめに発展する。


 これは隠さなきゃいけないものだと、すぐに決断する。


 せめて波風立たない学校生活を送らないと、と自分を鼓舞して弁当箱を閉じた。


 それと、ちょっと迷ったが僕の鱗はポケットに入れておくことにする。使い道なんてないけど、トイレに捨てていったら誰かが魚類を学校に持ち込んだことになる。


 これ以上のリスクになることは避けたかった。爆弾つけて生活してるようなもんだ、火種は消して持ち帰るのがベスト。


「……? なんか、静かだな」


 普段は誰も利用しない遠くのトイレを使っていたからかもしれない。


 廊下からほとんど人の声が聞こえなかった。


 今は昼休みの中間くらいだし、他にも生徒が騒いでいてもおかしくないんだけど。


「//(時間切れ)


 本当なら学校にいた人間全員を魚にしてどうする? みたいなのをやりたかったです。


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