1050回目 2022/1/27
これはもう、タイトルが迷走した典型的な例でしょうね。なんかいい感じにつけようとして失敗しました。あとお題が割と難しかったです。
一回目
お題『気持ちいい月』
必須要素(無茶ぶり)『バーボン』
文字数『660文字』 未完
タイトル『幻想と踊る刹那的享楽者』
月が綺麗ですね、と言われれば返す言葉は決まっているだろうか?
そもそも夏目漱石が『愛してる』を意訳した一文として知られているが、たしかにそう訳したという証拠はどこにもない。
誰かが言い出した誇張、というのがつまらない現実だろう。
人々が見上げる月が時代も国も変わらず美しいように、いつだって現実よりも幻想の方が美しいのだ。
「ふぅ、本当。綺麗だよねー」
「何が? 酔っ払いの目は薬物依存者と同じ景色でも見えてんのか?」
戦場のただなか。
バーボンのボトルを片手に夜空を見上げる大男と、その広い背に体重を預けてうつむく少年がいた。
少年の鼻腔にウイスキー特有の匂いが入り込み、顔を顰めさせる。
思わず握っていた銃のグリップに力がこもるが、何とか引き金にかけた指にまで伝わることはなかった。
「飲むな。俺は酒が嫌いなんだ」
「あんたの仇だっけ? 酒好きの人身売買組織のボス。そんなのと一緒にされちゃたまらないけど、私はお酒大好きだからやめなーい」
「アルコール依存症め、殺してやろうか」
「やれるもんならやってみなさいよ。これ、誰がやったと思ってんの?」
少年は歯ぎしりせんばかりに大男の後頭部を睨みあげ、結局舌打ちだけを残して顔を戻す。
女言葉を使う大男は傭兵だ。少年はその生き方の途中で拾われただけの同行者。
騒動の中に飛び込み、戦いに生きがいを求め、生き残った時に幸運と快楽を享受する。
刹那的な人生を送っている自覚はあっても、残念ながら性に合っていたのだか//(時間切れ)
二回目
お題『そ、それは・・・祝福』
必須要素(無茶ぶり)『複雑なストーリー展開』
文字数『751文字』 未完
タイトル『祝われる才能と努力』
祝福ってのは、自分からつかみ取れるものじゃない。誰かから与えられるものだ。
祝われる幸福なんだから当然なんだけど、それはひとえに豊かな人脈と愛される資質がないと成立しない。
他人から幸せを望まれないと祝福なんてされやしない。それはつまり、他人から幸せを望まれるだけの人物じゃないと得られないってわけで。
祝福をくれるのが人であろうが神であろうが、愛される素質というのが祝福を受ける絶対条件に変わりない。
「……いいなー」
「いつまで言ってんの? もう二次会だよ?」
「だってー、二十代で資産億越えの社長と結婚だよ? 羨ましくない? ってかズルくない?」
「そんなの言ったところでどうにもならないじゃん。あの子には金持ちに愛される才能があって、努力もしたから射止められたの。ズルいとかってクダ巻いてるうちは、幸せなんて遠のいていく一方だぞ?」
「独身仲間なのに厳しいーっ!!」
「ケンカ売ってんのかコラ」
お酒もだいぶ回って、参加者の中には前後不覚になる人も出始めている。
それだけ豪華で美味しいものが並ぶ披露宴だった。普段は手が伸びないようなお値段のお酒や料理が振る舞われて、食べ過ぎ飲み過ぎの自覚はある。
それでもいってしまうのはゴージャスな匂いを漂わせる品々のせい。
私は悪くない。新婦側のメンツで二次会を回ってベロベロになったのも、金持ちと結婚したあの子のせいだ。
「くそー、私だって本気出せば社長の一人や二人ぃ」
「いけると思う?」
「……無理だけどぉ!!」
さっきから私の同胞が容赦ない。今まで彼氏がいたこともない私じゃ、男取っ替え引っ替えだったあの子とは確かに戦闘力が違いすぎるけどさ、夢くらい見たっていいじゃない。
「そもそも私らは//(時間切れ)
無茶ぶりの『複雑なストーリー展開』がいまだにどう処理していいのかわかりません。『15分』でできることってそもそも限られてますから、『複雑』にしようがないってのもありますが。




