1046回目 2022/1/23
主人公に何があったのかは私もわかりませんが、煮詰まった思いをただただ書いた変な短編です。
一回目
お題『暗い希望』
必須要素(無茶ぶり)『お盆』
文字数『916文字』 未完
タイトル『墓前の祈り』
「……久しぶり」
お盆の時期にくるのは、これが初めてだった。
墓石の前で手を合わせ、子どもの頃に死んだ母親に心の中で声をかける。
ようやくだ。ようやく、あのクソ親父がくたばるかと思うと、感動で涙が出てきそうになる。
がんだってさ。全身に転移していて、ステージ4。ざまぁみろ。健康診断もまともに行かないやつで、今は本当に感謝してる。
毎日が真っ暗闇だったのに、がんがわかってからは指折り数えてクソ親父が死ぬ日を待っている。
こんなに日常が楽しく、明るく思えたのなんて初めてだ。母さんが生きていたら味わえただろう幸福が、ようやく戻ってきた気さえしている。
ずっと死んでほしいと思っていた。むしろなんで母さんが死んでこいつが生きてるんだって思った。
存在が気に入らないんだ。暴力を受けたわけでも、暴言を受けたわけでもないのに、近くにいるだけで無性に腹が立つ。
原因がないわけじゃない。母さんが病気になった時も仕事ばっかりしていて、母さんが亡くなってから家族を顧みるフリをして、俺のためって言い訳しながら再婚して子どもまで作って。
それでいい父親ヅラをしているのが、何よりも腹が立つ。
母さんの見舞いはおろか、墓参りにもろくに来ないくせに。俺が母さんの死を受け入れるまでどれだけかかったかも知らないくせに。
まるで母さんがいなかった方が幸せだったと、行動で示しているあいつが憎くてしょうがない。
義母や義弟に思うところはなにもないのに、クソ親父への不満と憎悪は日に日に増していくんだ。
でも、それもきっともうすぐ終わる。終わったところで、俺は許しはしない。
少なくとも、母さんと一緒の墓には入らせないようにしないと。クソ親父の家の墓に入っちゃったから、あいつの骨もこの墓に入れられる可能性は高い。
じいちゃんたちに相談して、母さんの家の墓に骨壷を移してもらおうか? その方がいいよな。あいつと一緒なんて、今さらだもんな。
今度電話してみるよ。きっとじいちゃんたちも喜ぶ。
あいつは俺たちにとって疫病神なんだ。俺たちが幸せになるためには、必要ない人間だったんだ。
//(時間切れ)
二回目
お題『バイオ行動』
必須要素(無茶ぶり)『桃太郎のストーリーを自分流にアレンジ』
文字数『843文字』 未完
タイトル『若返るための実験体』
「ふぅ、こんなものか」
老人が汗を拭い、世話をしていた植木鉢を見る。
「これ一本で回復薬が一つか……なかなか骨が折れる」
緑色の青々とした葉っぱに満足感と不足感の両方を感じながらため息をついた。
この薬草は研究用とは別の、家庭菜園であり副収入源として期待し栽培しているものだ。
老人の本命は別にある。
「さて、あちらの方はどうなっているか」
庭に多くの植木鉢を残して、家の中に入る。
一見するとどこにでもある田舎の一軒家だが、囲炉裏の灰に埋もれたスイッチを押すと、地下への階段が出現する。
少し進めばエレベーターまで設置されていて、老人はさらに地下へと降っていく。
「……うむ、完成まであと一歩といったところか」
扉が開いた先には、たくさんの実験器具が並ぶ研究室になっていた。
とりわけ大きな円柱型の水槽には、心臓のように脈動する肉塊が浮かんでいて、見るからに怪しい雰囲気を醸し出している。
「ばあさん。もうすぐだ。もうすぐ、ばあさんを苦しみから救ってやれる」
瞳に強い意志を宿し、地上の家で寝たきりになっている妻を想う老人。
老人が研究しているのは、若返りの手段だった。重い病気に冒され、治療法もなく死を待つばかりの妻にしてやれる治療法だと信じて、老人は狂気の研究に手を出した。
ヒントはとあるクラゲの生態からである。一生のサイクルとして、老化した個体がまた若返る生き物を知った時、これを利用すれば死を克服できると老人は確信した。
そこからクラゲの細胞や遺伝子の研究に着手し、哺乳類に当てはまめられるよう実験を重ね、独力で人工生命体を創り出すまでに至った。
水槽の中にいる肉開がそれだ。そして、現在は研究を続けつつ老化サイクルの検証をしている。
遺伝子操作を繰り返し、もはや最初の動物の面影をなくした肉塊は、それでも生きていた。
寿命は短くとも懸命に生き、老人の試算ではもうすぐ転換期に移るはずで。
「さて、//(時間切れ)
桃を○イオハザードのT-○イルス的なものと置き換えてみましたが、ちょっと方向性を間違えた気がしています。




