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104回目 2019/6/27

 今回はほぼ反省文になるかと思います。


 とあるエッセイを読んだとき、見かけた意見があった。


『好きで時間をかけてでもやりたいことは趣味のスタンスで、抵抗はあるが期限(しめきり)内にやるべきことは仕事のスタンス』だというものだ。


 小説の執筆において、趣味と仕事の線引きはどこか? というニュアンスの話だ。


 実際に、仕事として(のぞ)むべき態度としてはその通りだと思ったし、現実にもそうすべきだろうと共感できた。


 というのも、実は数年ほど、報酬が発生するシナリオライター風の仕事をしていた時期があった。つまり、末端ながら『プロ』の定義に当てはまる活動をしていたのだ。


 ただ、詳細は(はぶ)かせていただきたい。後述するが、あまりほめられた作家とはいえなかったからだ。


 この作品における愚痴(ぐち)に目を通してくれた方ならわかるだろうが、私は完璧主義の傾向があり自作に妙なこだわりを見せることが多々ある。


 文章の言い回しが納得いかない、設定にズレがあるかもしれない、この描写はリアリティに欠けるかもしれない……いろんな理由で筆が止まり、作業が進まないのだ。


 故に、私が『趣味と仕事の切り替え』をできていたかと考えたら、否と言うほかない。やればやるほど内容が不安となり期限(しめきり)を破るようになっていた。


 言い訳をさせてもらえるのならば、お客様をないがしろにしたかったわけではなかった。


 私のような者へ金銭という形で期待を寄せてくださった方々へ、相応の作品で返礼したかっただけだった。当時にあったのは、『半端なものは見せられない』だったように思う。


 しかしよくよく考えれば、それは趣味の延長に近い感覚だったから陥った思考なのかもしれない。


 本当にお客様への誠意を見せるのならば、『約束(しめきり)』こそを守るべきだったのだ。頭ではわかっているつもりでも、実践できていない時点で『わかっていなかった』のは確実だろう。


 無意識ではあったが、途中から『仕事』という感覚が薄れ自己満足に走っていたのかもしれない。自分のやりたいことだけを優先して、周りがほとんど見えていなかった。


 作業自体が孤独だったことも、私にとって悪い方向へ傾いたのだろう。他の仕事仲間と連絡を取れる環境にはあったが、『自分でなんとかしなければ』という思いから相談などはほとんどできなかった。


 今さらかもしれないが、お金を出してくれたお客様はもちろん、同じ仕事をしていた人たちにも迷惑をかけていたと改めて自覚し、大いに反省しなければならない。


 おそらく今も私に足りていないのは、自分の求める水準をあきらめて約束(じかん)を守りきるという『妥協(だきょう)』と『責任感』なのだろう。


 求められていることが『約束(しめきり)』なのだから、私は仕事の『責任』を重く受け止めるべきだ。


 そして、最優先すべき『約束(しめきり)』があるのなら、それ以外の部分は多少の『妥協(だきょう)』があっても割り切る大らかさを持つべきなのだ。


 作業自体は一人でも、仕事全体はいろんな人が関わっていた。


 私だけで成立する仕事などありはしないのだから、内側に抱え込まずにもっと他の人を頼ってもいいと自覚する必要がある。


 間違いをチェックしてくれる人もいたし、同じ仕事をして同じような悩みを持っていた人もいた。


 (から)に閉じこもる性質の私には難しいかもしれないが、(から)の外をもっと信頼していくべきなのだ。


 なので、私にはアマチュアが大事にしがちな『プライド』を捨てることと、趣味と仕事における『意識の切り替え』が必要なのだと気づかされたように思う。


 面白い作品を作る意欲は大事だが、場合によって優先度が違ってくるということを理解しなければならない。


 願わくば、私が仕事をしていたお客様がこの作品に気づかないことを祈ります。


『なろう』の登録名と仕事のペンネームが同じだったので、バレるリスクは結構高くて……。


 でも、自覚を持って反省と注意を(うなが)す、という自戒(じかい)の意味も込めて文章化しました。


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