1028回目 2022/1/5
お題から見切り発車したまま、何となく設定を作っていって出てきたものです。ファンタジー世界のつもりですが、見ようによっては現代ファンタジーでも行けそうな気はします。
一回目
お題『苦し紛れの魔物』
必須要素(無茶ぶり)『ウイスキー』
文字数『870文字』 未完
タイトル『魔物としての人生』
「おいおーい? まぁだ逃げる気かぁ?」
癇に障る声と、燻された木のような臭いがする。
片手に酒瓶を持った男は、いきなり俺に銃をぶっ放してきた。
アル中のような口臭に混じったむせかえるウイスキーの臭いに吐き気がする。
だけど、口の中に溜まった唾ごと飲み込む。
撃たれた左腕は、もうすぐ治る。
「わかってんだろぉ? てめぇに駆除命令が出たんだよぉ。異形の左腕を持つ魔物さんよぉ? 十七年も生きたんだぁ、もう十分だろぉ?」
くそったれ! 俺の来歴まで知ってるってことは、このアル中をよこしたのは俺の親戚か、それくらい近しい俺個人と関わりのある奴しかいない!
この丸太のように太く、筋肉も血管も浮き出た醜い左腕のせいで、人目を忍んで生きるのが精一杯だったんだ。
交友関係どころか人間関係が限定的な俺には、心当たりが少なすぎてすぐに特定できる。
ただ気持ち悪い見た目に生まれたってだけで、どうして殺されなきゃいけないんだ……あぁ、クソ!
「ほぉら。安心して死んでいいぞぉ? 俺はこう見えて、凄腕のガンマンだからなぁ? 眉間に一発、痛みも感じないくらい楽ぅに殺してやるよぉ」
どの口がほざくんだ酔っ払いめ!
事実、俺が無防備だった一発目が左腕に当たったんだろうが!
絶対楽に殺す気なんてねぇだろ! コイツの本心はともかく、コイツに依頼したやつは俺をいたぶって殺すことを望んでいやがる!
「どぉしたぁ? 死にたいんじゃなかったのかぁ? 丘の上の魔物なんて呼ばれてさぁ? 同世代のガキどもにゃぁ石やら罵声やら浴びせられてきたんだろぉ? 化け物として死ぬならよぉ、人間のうちに死んどけや化け物ぉ!」
人間のままでいさせてくれないのはお前らだろうが!!
クソ、クソ!! あぁ、また左腕が、大きくなる!!
馬鹿なのか、コイツに依頼した奴は! 知らないのか?! 俺の左腕は、傷がつくほど成長して俺を飲み込んでくることに?!
また、広がる……肩から、胸まで、侵食して、気持ち悪い、っ!!
に//(時間切れ)
二回目
お題『僕と運命』
必須要素(無茶ぶり)『節分豆』
文字数『882文字』 未完
タイトル『節分に鬼の訪問を受けた渡辺です』
運命なんて言葉、一般庶民の僕には無縁だと思っていた。
でも、運命って奴は宿命とかも含むんだと思う。
思うっていうか、思い知らされたっていうか。
「頼もう! 私は剛力山が鬼の子、豪傑童子なり! 渡辺綱の子孫よ、いざ尋常に私と死合え!!」
二月二日、のんびり朝食を食べていた時、筋肉ムキムキなお姉さんがウチに強襲してきた。
「え、と……豪傑童子さん、ですか?」
「うむ! 貴様が渡辺綱の子孫だな?!」
「ど、どうでしょう? うちは長いこと渡辺ではありますけど、その人のことまでは知らないので」
こんな異常事態でちょっと冷静なのは、僕の首なんて指で折れそうなほど大きな体のお姉さんが、僕を見てめちゃくちゃビビっていたからだ。
威勢のいい声とは裏腹に、僕を見つけた瞬間足がぶるぶる震え出したし、顔からは冷や汗? 脂汗? とにかく汗がひどい。
文脈的に、渡辺のつな? って人に因縁……っていうかトラウマがある人みたいで、敵討ちに来たってことなんだろう。
そういえば、と思い出したこともある。
今日は折しも節分だ。朝食にも節分豆を用意して、食後にポリポリ食べようと思っていた。
渡辺の苗字を持つ人は、豆まきに『鬼は外』と言わなくていいそうだ。昔、自分の名前の由来的な宿題が小学生の時に出て調べたことがある。
なんでも、大昔に渡辺さんが強い鬼を倒したとかなんとかで、鬼の界隈では『渡辺』って名前の人間はめっちゃ怖いらしい。
どんだけ怖い思いさせたんだ大昔の『渡辺』さん、と思ったものだが、なるほど本当に鬼がいたことも驚きだが『渡辺』さんネームバリューの凄さも目の当たりにできるとは思わなかった。
「それに、いきなり試合とか言われても、僕武道とか何もしたことないんですけど」
「何?! 貴様、本当にあの渡辺綱の子孫か?! よくよく見れば、覇気も何も感じぬではないか?!」
「えぇ、まぁ。渡辺にもいろいろいるんですよ」
逸話的なものからして、ぶっちゃけてもいいのか少し疑問に思ったが、ここで嘘をついたところでむいみだ//(時間切れ)
ラブコメになる予定だったかもしれないものです。でも、ノリとしてはバトルも組み込めたかもしれません。シチュエーションが一昔前のラノベなのはご愛敬。




