1020回目 2021/12/28
実際にブラック企業に勤めたことがないので、多分に想像を組み込んでいます。実際にお勤めの方からツッコミをもらっても対処できませんのでご了承を。
一回目
お題『元気な成功』
必須要素(無茶ぶり)『群像劇』
文字数『1070文字』 未完
タイトル『きっと明日は元気で笑える』
『国民に活力を! みなぎる元気をあなたに!』
ホワイトボードにはキャッチコピーらしい文言だけが書かれ、会議室の中は地獄のような静寂が流れていた。
会議が始まって一時間。ちらほらと意見が出るが、結局決定打はなく企画会議はどん詰まり状態にある。
「……どうするんですか? 我々が元気ないのに、消費者に元気出してもらうとか無理でしょ?」
「言うな……みんな毎日の激務で寝不足なんだ。頭も回らないし、代わりに何度も目が回っている」
「めまいですか? 病院に行ったほうがいいんじゃないですか?」
「だったらここにいる全員で直談判します? 私たちにあるはずの有給を返せ、って」
少しの空白を開けて、重苦しいため息の合唱が場を支配した。
「ひとまず、活力が欲しいって人ー?」
このままでは会社への恨みつらみしか出なさそうだったため、企画リーダーの女性が空元気でおどけて見せるも、メンバーは全員無言かつ真顔で手を挙げるだけ。
重症だった。一人残らず。
「ってかさー、そもそも何? 『国民に活力を!』ってさ? この会社がこの国背負ってるとでも言いたいわけ? ちゃんちゃらおかしいわただのブラック企業のくせに」
「あ、それ私も思ってた。クソだよね、この会社。従業員の成果を取り上げて吸った甘い蜜でスイーツ作ってんのか、ってくらいクソ」
「会社ってより、経営陣がクソでしょ。労働基準法すら知らない馬鹿ばっかりが運営してるから、毎年毎年『最低のブラック企業』認定から逃れられないんだよ」
「『活力』とか『元気』とか、足元からさんざん奪っておいて善良ヅラで口走れるんだから、いいご身分だよね。そのくせ、自分がやらかしたことは全部部下に責任押し付けて辞めさせるしさ。知ってんだよこっちは、数ヶ月前の脱税は知っててやってたの」
「秘書の丸山さん、かわいそうだったよね。最後まで知らないって言ってたのに、書類偽造されてて証拠が全部丸山さんの署名になってたもんね。あんなの、わざわざ書面に起こす必要ないって、警察も検察もわからなかったのかな?」
「どうせ社長が賄賂でも握らせたんでしょ? うちの会社、年内で何人過労死出てると思ってんの? 公表されてる数の数十倍はいってんだよ? それを、全部賄賂で放送規制かけて、示談で揉み消して何もなかったことにしてるんだから、やってられないわこの殺人企業」
「あははっ! 殺人企業!! マジそれ!! あははははっ、やばい、年内一ウケる!! もう笑う機会ないと思ってた!! あはははははっ!!」//(時間切れ)
二回目
お題『絵描きの鳥』
必須要素(無茶ぶり)『アクション』
文字数『660文字』 未完
タイトル『ストリート・ビースト』
「アンタがマイグラントか?」
「……見ての通り、今絵を描いているので、話しかけないでもらえます?」
町を見下ろせる丘の上、絵筆で水彩画を描いている男はそっけなく返す。
そよそよと心地よい微風が草を泳がせ、暖かい日差しはそのまま昼寝もできそうなほど。
とてものどかな時間が流れているはずだが、その男の登場で平穏が軋みを上げた。
「噂通りのマイペース野郎だな。ヘアー、と言えばわかるか?」
背後の男を無視して動き続けていた絵筆が、ぴたりと止まる。
振り返った絵描きの男は、生来の美貌を台無しにするほど表情を歪ませていた。
「『野うさぎ』ですか……まさかまだ、馬鹿げた争いに巻き込まれるとは思いませんでした」
「言ってろ、常勝無敗の『渡り鳥』。流れの絵描きのつもりか? そんだけ闘志をみなぎらせておいて、誤魔化せると思ってんのかよ?」
「……これだから狂気に呑まれかけている輩は。己に刻まれた獣くらい、さっさと飼い慣らして平和に暮らしててくださいよ」
「面白いこと言うなぁ、アンタ。力ってのは、使うためにあるんだろ?」
「死蔵させておいた方が世のためになることもあるんですよ」
慇懃な言葉遣いは変わらず、絵描きは立ち上がって男を見返した。
身なりはお世辞にも綺麗とは言えない。浮浪者と言われてもおかしくない格好で、しかし目だけは爛々と生命力に溢れている。
そして、手には大振りのナイフが一本。ゆらゆらと揺れる様は、炎のように妖しい。
「ほら、得物を出せよ。待っててやる」
「//(時間切れ)
私の中では某有名格闘ゲームっぽいイメージで書いてました。ただし、キャラ設定に少し時間を割きすぎて『アクション』までいけませんでしたが。




