1012回目 2021/12/20
たぶん、オチは娘の親会社にあたる有名企業の会長でした、って感じにしたと思います。ベタですね。
一回目
お題『僕の好きな魚』
必須要素(無茶ぶり)『抜け毛』
文字数『1106文字』 未完
タイトル『思い出の味』
「また鯛? せっかく回転寿司に来たんだから、もっといろんな種類のネタ頼みなよ」
「はは、僕はこれが好きだから」
いやはや、まさか娘から食事に誘われるなんて思ってなかったなぁ。
元妻と離婚したのも随分前だ。養育費は払っていたけど、子供が生きてるかどうかもわからないままだったし。
だから、成人してから会いに来てくれなかったら、僕はまだ養育費を払っていたかもしれない。娘曰く、二十四になっても養育費が入っていておかしいと思った、らしい。
子供の成長は早いなぁ、なんて口にしたら、養育費が必要な期間くらい把握しろ! なんて怒られたっけ。
「そういえば、母さんはいいのか? 僕は、正直今さら会いたいわけじゃないけどさ、沙耶にとってはずっと母親だろう?」
「……合わないからいい。新しい人、今のお父さんよりキモいから」
「ははは、手厳しいなぁ」
不機嫌になった娘に、家庭はいろいろあるのだと思い知る。
それにしても、元妻と離婚した時はまだ物心もつく前だったはずなのに、よく僕が父親だとわかったな、なんて不思議に思う。
元妻のことだ。僕の痕跡は徹底的に消して生活していただろうし、娘に気づかせるヘマはしないはず。
でも、それこそ今さらか。何とかして僕を見つけ出した娘の賢さを嬉しく思いこそすれ、益体のないことを考えたところで意味もない。
「あ、また鯛。マグロとかウニとか頼めば?」
「ははは、僕は鯛が好きなんだよ」
不満そうな娘に、笑いながら白身の味を噛み締める。
今みたいに抜け毛だらけで寂しい頭になるよりももっと前。
僕の子ども時代は、お頭つきの鯛の塩焼きがご馳走だったんだ。
誕生日とか、正月とか、お祝いの時はいつも出てきて、僕はいつも馬鹿みたいに喜んで食べていた。
いつしか家の経済状況が悪くなり、鯛を食べられることも無くなったけど、今も昔も僕に取っての最高のご馳走は鯛のままだ。
今日は何てったって、娘が奢ってくれる最初のご飯だからね。
好物ばかり手がいくのも、仕方ないんだよ。
「……100円皿だから、奢りがいないなー」
「美味しいよ、鯛。沙耶も食べてみな」
「もう一皿食べたよ。美味しかったけど、味が淡白すぎない?」
「これがいいんだよ。僕はね、鯛が大好きなんだ」
「……それくらいおめでたい頭なのに、髪の毛がどんどんなくなってくよね」
「ははは、手厳しいなぁ」
また一皿、鯛を食べる。
いつも食べる味よりも、ずっと美味しく感じた。
忘れていたよ……家族と食べると、こんなに美味しかったんだね。
「……たいだけ//(時間切れ)
二回目
お題『混沌の夜』
必須要素(無茶ぶり)『残尿感』
文字数『927文字』 未完
タイトル『混沌の夜』
「うぅっ……くそ、コンビニくらい建てとけよな」
ふと思い立って心霊スポットを野次馬しに行った帰り道。
山の中で尿意を催したことで、仕方なく路駐し森の中に入った俺。
本当ならそこらの道端にでもしたかったが、車から降りたちょうどその先に『立ちション禁止』なんて立て看板があれば躊躇くらいする。小文字で法的処置がどうのも書いてたし。
かといって尿意が引いてくれるわけもなく、悩んだ結果人目を忍んで用を足すことにした。
「ん? よく考えれば、別に奥まで行く必要なかったんじゃ?」
誰かに見られたら罰金、って考えばっかだったからか。無駄に奥まで進んでしまった自覚がある。
もう自分の車も見えないし、ここらで適当に済ませればいいじゃん。なんでもっと早くに気づかなかったんだ?
「となれば、さっさと済ませちまうか」
……ふぅ、開放感がすごい。
「あー、我慢した分いつもより量が多い気がする……」
木の根元に養分の素を注いでやり、何気なく周囲を見渡した。
「……あ?」
そこで、ヤバいものを見た。
犬? いや、狼? でも日本じゃ狼は絶滅したはず……でも、フォルムとかそんな感じで、え?
いや、この際動物は何でもいい。
問題は、何かが何かを食ってること。
動物の捕食シーン、なんて悠長に構えられたらもっと楽だったのに。
下に敷かれてるのは、明らかに、人型の生き物で、血が、肉が、ぶちぶちと、噛みちぎられて……っ!
こっちを、見た、っ!?
「う、ぁぁぁあああっ?!?!」
一目散に逃げ出した!
まだ残尿感があるとか関係ない、とにかく逃げないと、俺も食われる!!
走りながら社会の窓を閉め、土や木の根に転びそうになりながら走る!
車、車までつければ、走って逃げられる!!
後ろを振り向く余裕はない、何かを確かめる度胸もない、っていうか何より死にたくない!!
「はっ! はっ! あっ!」
もうすぐで出られる、はずの、ところで。
足に、何かが、絡み付いて、ぇ?
「つ、る……?」
植物の蔓が、巻きついていた。
なんで? いや、意味がわからん。こんなのじせいしてないだろ//(時間切れ)
ホラーが書きたかったのか、異能バトルが書きたかったのか。ちょっと判断がつきにくいところで終わりました。たぶん、後者よりの話を書こうとしたんだと思います。




