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1006回目 2021/12/14

 お題と無茶ぶりの相性がいいのも問題があります。今回のを読み直してそう思いました。


 一回目

 お題『昼の模倣犯』

 必須要素(無茶ぶり)『ドン引きするような描写』

 文字数『1128文字』 未完


 タイトル『ミイラ取り』


「……んー、わっかんないなー」


 平日の昼間、ちょっと遠出したところにある、縁もゆかりもない小学校の校門。


 監視カメラもないようなザル警備の学校を選んで、フルフェイスのヘルメットとダボダボのコートを着て体型を隠し、頭を捻っている。


「これ、何が楽しいんだろう?」


 校門の上に乗せたのは、そこら辺で見つけた野良猫だ。


 まぁ、さっき公園で処理したから、胴体から下は別の場所にあるわけだけど。


「臨場感を出すために、出すものも出しっぱなしにしてみたけど、汚いだけだな。模倣犯って、やってみたら犯人の気持ちとか分かったりすると思ったんだけど、やっぱり異常者の頭の中はわからないか」


 昔、小学生が首を切断されて、小学校の校門に放置された事件があった。


 俺は犯罪心理とかがすごく興味があって、特に異常犯罪を起こす犯人の動機や手口への興味が強かった。


 事件の記事や、それらしい論文を集めて読み耽ることで欲求を満たしていたが、最近はそれも物足りなくなってきた。


 だから、その手口を真似てみることにしたんだ。本物の事件の再現は流石にまずいから、被害者を野良猫に仕立て上げてみたんだけど。


 まー労力がすごい。これを人間の子供で試したって言うんだから、犯人は絶対イかれているね。常識ぶったニュース番組のコメンテーターより、真に迫った感想だよこれは。


「さて、後片付けとかしようかな……いや、あえてそのままにしておいて周囲の反応を観察するのも、ありっちゃありか?」


 僕の中の倫理観はすでにこの時点でアウト寄りのアウトだと判断しているが、不思議なもので猫の首を包丁で滅多刺しにしてから、忌避感が色々と麻痺している自覚がある。


 戻って来れる境界線が曖昧だ。ここまでやったんだ、もうちょっと踏み込みたい、なんて本気で考えてしまっている。


 悪ふざけだけなら、ここはもう引くべきところだ。誰かには気づかれているだろうが、下手に不安を煽るようなことはしなくていい。


 元々そのつもりで、掃除用の道具も持参している。猫の頭を回収して、血痕を拭き取って帰ればいい。


 なのに、何故だろう?


「子どもたちの驚いた顔、見てみたくなっちゃったなぁ」


 あぁ、これが異常犯罪者の心理なのかもしれない。


 倫理よりも愉悦が上回る感覚。常識を路傍の石ころにしか感じなくなる万能感。


 ……いや、これはたぶん、本質じゃないな。普段やらないことをやって、脳が興奮しきってしまってるだけかもしれない。


 慢性的な異常者は、これを興奮として受け取るんじゃなくて、当然のものとして受け止めているはずだ。朝食で用意したトーストを齧る感覚で、命を食い破り//(時間切れ)




 二回目

 お題『安全な交わり』

 必須要素(無茶ぶり)『ペットボトル』

 文字数『1132文字』 未完


 タイトル『救いを探して』


「どうぞ」


「あ、ありがとう、ございます……」


 夜の公園で、強引に腕を引っ張って連れ出した女の子が、肩を落として座っている。


 近くの自販機で買った紅茶のペットボトルを渡して、少し離れたベンチに座った。


 この女の子とは初対面だ。が、トラブルの臭いを漂わせる会話をしていたので、知り合いと称して連れ出したのがついさっき。


 聞こうと思って聞いたわけじゃないが、相手との会話からして、おおよその事情は把握しているつもりだ。


 口出ししていいのかわからないけど、言うだけ言ってみよう。


「直球で聞くけど、さっきのは援交? それとも、いわゆるパパ活ってやつ?」


「…………」


 返答なし、っと。まぁ、顔からしてヤバいことをしたって自覚はあるみたいだな。


 この子は俺と同じ高校生くらいなのに、一緒にいたのは中年かもっと上のおっさん。


 嫌がって逃げようとしている女の子と、「話が違う」やら「そっちから連絡したくせに」とか、それっぽい口論してれば嫌でも察した。


 おおかた、お金が必要になって周囲に入れ知恵もらったけど、直前になって怖くなったってところかな。


 まぁ、他人の事情だ。これ以上深入りすると、向こうも迷惑だろう。


「さっきは嫌がってたみたいだから連れ出したけど、俺はもう止めないよ」


「ぇ?」


「好きにすればいいってこと。君が嫌かどうかはともかく、お金は必要なんでしょ?」


「……それ、は」


「さすがに、お金が絡んだ他人の事情にまで首突っ込む気ないから。さっきは覚悟が揺らいだっぽかったから、仕切り直しくらいさせてやろうと思っただけだし。俺はもう帰るけど、そのままあのおっさんのところに戻るんだったら好きにしな、って言いたいだけ。俺だってまだ学生でガキだから、見知らぬ他人を助けてやれるほど立派な人間じゃないんでね」


 自分で買ったカフェオレをぐいっと呷る……微糖だったか。無糖があればそっちがよかったな。


「後悔しないように、なんて無理な話か。それでもさ、ちゃんと自分がしたこと、やろうとしたことには責任を持つ覚悟はすべきだと思う。さっき会ったばかりのやつに言われても、って思うかもだけど、俺は俺で言いたかっただけだから」


 少なくとも、俺は前と同じ過ちを繰り返している。


 あの時は妹だった。が、非難されたのは俺の方だった。


 挙句、親にないこと吹き込まれて勘当同然に家を追い出されて強制一人暮らし。


 バイト三昧は高校生活なのに味気ないとは思うけど、ちょっと早い社会人経験としては悪くない。


 家族とはもう顔を合わせる機会もないだろうけど、別に構わなくなってきている。


「人間万事塞翁が馬、ってな。//(時間切れ)


 連れ出した方の考え方がしっかりしすぎていて違和感になっていますね。やっぱり十代はどこか詰めが甘かったり抜けてるところがないと、リアリティがないかもです。


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